イタリアとドイツでその後のクラシック音楽界を牽引する2人の偉大な作曲家が誕生した。
イタリアが誇るオペラ界の寵児ヴェルディ。
ドイツが生んだ音楽の巨人ワーグナー。
共に幼少期の英才教育は受けずブレイクは29歳という共通点がある2人。
売れっ子作曲家として19世紀のオペラ界に君臨し続けた2人だがその生き様は実に両極端であった。
今日は3つの観点から2人の人生を徹底比較。
比べる事で見えてくるより楽しくより深〜いクラシックの世界へ皆さんをご案内します。
「ららら♪クラシック」今回は夏休み特集2回目「クラシック徹底比較」と題してヴェルディとワーグナー2人の大作曲家の人生を比較していきます。
スタジオもいつもとちょっと趣向が違いますね。
シックなんですよね。
さあ今日はゲストもスペシャルな方にいらして頂いています。
ミッツ・マングローブさんです。
(一同)よろしくお願いします。
初登場という事で。
なんか場違いな所に来てしまった。
ミッツさんクラシック音楽の方はいかがですか?5歳ぐらいから結構だらだらと20年ぐらいクラシックピアノを習ってたんですね。
でも私ショパンの「革命」弾けるようになったらやめようと思ってて全然一向に弾ける気配がなくて「多分あんた一生弾けないよ」って先生に言われて。
他に人生で革命起きちゃったんでもういいやと思ったんです。
やめちゃったんですけど。
音楽の話より人生の革命が聞きたいけどね。
(笑い声)今回徹底比較するこの2人なんですけれども簡単にねプロフィールを紹介していきたいと思います。
まずはヴェルディですけれどもイタリア生まれの作曲家で実家はね宿屋と居酒屋を営んでいて小さい頃からお店のお手伝いをしていたようですよ。
今度はワーグナーにまいります。
劇音楽にはね非常に親しんで育っているという事なんですよね。
それではまず1つ目の比較ポイントですね。
こちらです。
パトロンって…この季節だったら。
それでは全くタイプの違う人物に支えられた2人の活躍を見ていきましょう。
まずはワーグナー。
彼を支えたのはなんと一国の王様!その名は…王がワーグナーにはまったきっかけは15歳の時に見た…無実の罪を着せられた姫と救世主白鳥の騎士ローエングリンの物語。
このオペラの幻想的な世界に若き王子は猛烈に引き込まれました。
夢想家だった王にとってワーグナーの描く神話や伝説をもとにした世界は王自身が夢見る理想の世界そのものだったのです。
王の心酔ぶりは日に日に増しついには作品をイメージしたお城まで建ててしまうほどでした。
ルートヴィヒは……だと考えていたのです。
王はワーグナーをバイエルンに呼び寄せ一等地の豪華な邸宅に住まわせたうえに破格の年金を与えて優遇したのです。
更に国の予算を使って次々とワーグナー作品を上演していきました。
こうして王の寵愛を受けたワーグナーは現実離れした壮大なスケールで描かれた作品を実現させていったのでした。
さて一方のヴェルディ。
決して裕福ではない家庭に生まれた彼を支えたのはなんと…卸問屋の主人でした。
地元では名の知れた卸問屋でしたが一方で自分で楽団をつくって演奏活動をする大の音楽好きでもありました。
宿屋を営むヴェルディの実家に商品を卸していたバレッツィはヴェルディの音楽の才能にいち早く気づきました。
そして父親を説得しヴェルディに本格的な音楽の勉強を勧めたのです。
彼は留学の手配や学費下宿先などなどあらゆる面でヴェルディを支援しました。
バレッツィをはじめ地元で身近な人たちに守られて成長したヴェルディ。
そんな彼が作品で描こうとしたのは実社会で生きる人間の苦悩とそしてそれを乗り越えようとする人々の葛藤の物語でした。
そして出世作となったのが歌劇「ナブッコ」です。
舞台は敵国に支配されたエルサレム。
虐げられたユダヤ人が苦悩の末に解放されるまでが描かれています。
中でも人々の心をつかんだのは捕らわれた民衆が祖国への思いを歌う合唱曲…
(歓声と拍手)作品公演時オーストリアの支配下にあったイタリアの人々はそこに自分たちの運命を重ね合わせ熱狂しました。
(「行け、わが思いよ、金色の翼にのって」)この曲は今でも国民に広く親しまれイタリア第2の国歌となっているのです。
ヴェルディは誰もが認めるイタリアの国民的作曲家なのです。
でも町の問屋さんと王様がパトロンって…ねえ。
私卸問屋は男色だったんだと思うんだよね。
なるほど。
またなんかぶち込んできましたね。
オリジナルな見解を。
君を絶対にスターにしてあげるよっていうすごくこうね。
あっなるタイプ?いないけどもご自身が。
学費までは出した事ないかな。
光熱費とか結構ありますね。
若い学生捕まえては…。
何の告白でしょうかこれは一体。
いやいや…。
あとやっぱすごいなと思うのは私も貢がれる男をね見てると人の援助を受けて何かをするっていうのに自分の力でいかなくていいのかなって思うのが普通なのかなと思うんだけどそれをこう…それを受け取れちゃうというのはやっぱ…僕もそう思うな。
2人のね作風の違いが分かったところで今度はそれぞれの代表作を見ていきたいと思います。
まずはヴェルディですけれどもこちら。
「椿姫」「乾杯の歌」。
いかがですか?作品は…。
もちろん知ってます。
続いて「リゴレット」「女心の歌」。
一度聴けば耳に残りますからね。
リズムがやっぱり特徴っていうか。
続いて「アイーダ」凱旋の場面で有名なあの曲です。
この曲はね本当に…。
なんかサッカーの。
そうですそうです。
おなじみの曲ですよね。
さあ続いてワーグナーです。
「ローエングリン」から「婚礼の合唱」。
そうなんですか。
これワーグナーなんですか。
歌詞付いてるんですねこれね。
合唱曲になっていて…
(笑い声)失礼いたしました。
続いて「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から「前奏曲」。
まさにこういう厚みのある音楽というのがやっぱりワーグナーの一つの大きな特徴かもしれないですね。
さあ最後は「ワルキューレ」から「ワルキューレの騎行」。
NHKでこんな話するのあれですがCMのってさクラシック使ったら…。
よく「椎名林檎」とか「MISIA」とか出るんだから…。
テロップみたいな。
こういうの出しとけばもっと教養に役立つのにね。
そうかもしれないですね。
いやほんとですね。
バッハやモーツァルトもすごい使われてますからね。
ほんとに知らずに聴いていてクラシックだったんだっていう作品は多いかもしれないですよね。
面白いのが作品の登場人物なんですね。
こちら。
…というふうにだいぶ違いが。
でもこうして見ると…超大作でCGがたくさん。
うん。
歌の力を駆使してドラマを描いています。
先ほどの「乾杯の歌」なんかも口ずさみたくなるようなメロディーで。
そうですね。
ワーグナーの方は…オーケストラが奏でる音楽でドラマを描いています。
ダース・ベイダーが登場する時にダーンダーンダーンダンダダーン…というのはライトモチーフなんですよね。
あぁ〜。
今のハリウッドの映画音楽に関してはワーグナーの影響は圧倒的にすごいですね。
そうなんだ。
さあ続いて比較ポイントにまいりたいと思います。
2人の違いが最も出たところかもしれません。
こちらです。
これすばらしいですね。
お金と女が一番人間性出ますよね。
そうですね。
自分の書きたい時に書きたい作品を書く。
ワーグナーはそんな男でした。
上演の当てがなくとも大作を書き続ける日々。
やりたい仕事しかしないうえにそのお金の使いっぷりはハチャメチャ。
幻想的な世界を表現するため規格外の舞台セットを造ったり連日夜会を開いたり当時の貴族の年収数年分を1か月で消費してしまうほどだったと言われています。
当然ワーグナーの借金は膨大なものになっていました。
そんな状況でも彼は更にお金のかかる事を考えていたのです。
楽劇「ニーベルングの指輪」の上演。
魔法の指輪を巡って神々と人間とが繰り広げる一大スペクタクルです。
上演にはなんと15時間を要するオペラ史上最長の作品でした。
ワーグナーはこの壮大な神話の世界を舞台で表現するには専用劇場が必要だと考えていました。
この夢を実現させたのはあの最大のワーグナー信奉者バイエルン国王ルートヴィヒ2世でした。
そしてワーグナーは王に多額の資金を出させ遂に専用劇場を完成させてしまったのです。
ワーグナーの求める多様な舞台設定に対応する…観客の視覚を遮らないように舞台の下に配置されたオーケストラピット。
ワーグナーのこだわりが全て詰まった劇場でした。
ワーグナー史上最高額の資金が投じられた最大の夢は現実のものとなったのです。
最初に披露されたのはもちろんあの「ニーベルングの指輪」でした。
そしてこの劇場では毎年音楽祭が開催され世界中のワーグナーファンが集まる聖地となっているのです。
一方ヴェルディは…。
劇場の依頼を受け観客の求める作品を次々に生み出していました。
若い頃就職活動に失敗し仕事がなくつらい時期を経験しているヴェルディ。
お金の使い道は実に堅実でした。
当時の作曲家が得る収入は完成した作品に支払われる1度きりの作曲料だけでした。
つまりオペラが繰り返し上演されても儲けは全て劇場主に渡っていたのです。
ヴェルディはその点に疑問を感じていました。
そして独学で契約の仕組みを学び「著作権」という考え方を初めてイタリアの音楽界に持ち込んだのです。
こうして作曲家は公演ごとの収入に加え楽譜の出版やレンタルでも収入を得るようになりました。
自分の作品の権利を主張したヴェルディ。
彼の功績が後のイタリアのオペラビジネスを大きく進化させました。
そんな優秀なビジネスマンだったヴェルディの生涯年収は名だたる作曲家たちを抑えてクラシック史上一だとも言われています。
(一同)う〜ん。
好意をもつ…。
ええ。
私そんなに…浪費するほど体力ないんですよね。
ほほほぉ〜。
より働きやすくなるためにシステムをつくっちゃうみたいなヴェルディみたいなのはちょっと共感はしますけど…。
ああそうですね。
ヴェルディさんの方がね。
王様をたらし込んでまで劇場造らせちゃうとかそういうやっぱ才能とか魅力持ってる人がいないと文化って育たない側面もあるじゃないですか。
そうですね。
ちょっと気になりません?そうですね。
リリース間隔は絶対こちらの方が多作なわけですよね。
まさにお二人は同級生対決という事なので一体どうだったのか…ワーグナーについて伺うのは…対するヴェルディについては…今日は日本の権威2人にライバル作曲家のガチインタビューを決行!互いの作品に対する作曲家の本音とは?そういう印象持ってたと思うんです。
それはやっぱりすごく気になったと思いますね。
分かりやすいですけど…というと?なるほどね。
先生もおっしゃってましたけど…それで面白いのが…へえ〜。
その辺りねどうなんでしょう?こちらもワーグナー派ヴェルディ派双方の先生の見解を伺ってきました。
恐らくそういうところにあるんじゃないかなと。
…というのが一番正しいのではないかなと。
…という事で黙殺なんだろうと思います。
う〜んなるほどね。
いかがでしょう?今度は誰ですか?そう。
聖子さんって絶対に明菜ちゃんの事何にも言わないの。
でも明菜ちゃんっていうのは「ずっと私は聖子さんのファンでLPも全部持ってて」と言って自分でも聖子さんの歌カバーしたりとか。
そういうの全然聖子さんは「ああそうなんですか」という感じでず〜っと何十年もその関係性って。
実はですね…そうなんですか。
周りも独特の空気だったかもしれないですね。
そういうのがあるのかも…会わせないようにニアミスとかね。
「紅白」の舞台裏なんてそんなのだらけでしょうね。
妄想は広がりますね。
NHKの話なんだ。
大変でしょうね。
…という事だけは確かだと。
嫉妬をしたりあるいは意識して悔しいなと思ったりするという繰り返しが2人の作品の質を上げたとは思うので。
絶対そうでしょうね。
そういう意味ではなんかすばらしいライバルですね。
ミッツさん何かライバル欲しいですか?ライバルですか?もうくたびれるんでね…。
でもありますよ。
なんかこう私はリボンとかつけちゃいけないなとか。
そういうのはありますよね。
そうですね。
そんな2人が残した数々の名作の中から今日は代表作をハイライトでお聴き頂きます。
でもこうして聴いてみると…そうですね。
でもなんか今日ね2人を見てきて…ちょっとこれを機会にいろいろ聴いてみたいと思いました。
ほんと新説だった「明菜ちゃんと聖子」って。
比べる事で見えてくるクラシック音楽の魅力。
いかがでしたか?申し訳ありませんでした!2015/08/08(土) 21:30〜22:00
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック 夏休み特集第2弾!「徹底比較 ヴェルディvsワーグナー」[字]
同じ年に生まれ、共に19世紀のオペラ界で活躍した作曲家、ヴェルディとワーグナー。多くの共通点を持ちながら、両極端な生き方をした2大作曲家の人生と名曲を徹底比較!
詳細情報
番組内容
19世紀のオペラ界に君臨した2大作曲家、ヴェルディとワーグナー。共に1813年生まれ、音楽の英才教育は受けず、ブレイクも29歳と意外な共通点が多い2人。しかし、その生き様は実に両極端でした。今回はそんな2人の人生を「パトロン」「お金」「ライバル」という3つの観点から徹底比較。それぞれの時代に誕生した名曲と共に振り返ります。ゲストはミッツ・マングローブさん。独自の視点で2大巨匠の人生に切り込みます。
出演者
【ゲスト】ミッツ・マングローブ,【出演】音楽研究家…三宅幸夫,オペラ研究家…小畑恒夫,管弦楽…NHK交響楽団,指揮…セバスティアン・ヴァイグレ,テノール…福井敬,【司会】石田衣良,加羽沢美濃ほか
ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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