【前回までのあらすじ】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
田所コウ「コトコトくどかれ飯」の新連載を知った峰なゆか。
自分の連載「女くどかれ飯」にタイトルやシチュエーションが似ていると感じた彼女は、編集を通じパクり対策できないか調べる。
しかし法的に「シチュエーション」「タイトル」に著作権はないことが判明。
法的手段を失った彼女は「パクリ誅すべし!」と連ツイを投下するのであった……。
そして、
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心の折れる音
@minenayuka 峰なゆか先生、田所コウです。連絡が大変遅くなってしまいすみません。
— 田所コウ (@okogezusi) 2015, 8月 15
@minenayuka 今回の責任は全て私にあり、すでに編集の方にも連載の辞退をお伝えしてあります。
— 田所コウ (@okogezusi) 2015, 8月 15
@minenayuka 峰なゆか先生となゆか先生のファンの皆様にも嫌な思いをさせてしまい
本当にごめんなさい。心からお詫び申し上げます。
— 田所コウ (@okogezusi) 2015, 8月 15
@minenayuka お忙しい中すみません、編集さんには連絡してほしいと伝えました。
会社組織なので対応は少し遅くなるのかもしれません。
— 田所コウ (@okogezusi) 2015, 8月 16
私は私の矜持とか礼儀とか良心とかでもって、『コトコトくどかれ飯』という作品をただ看過することはできませんが、どうしてこんなことになったのかという経緯も分からないままに連載を辞退してもらいたくもありません。 きちんとお話してお互いに良い落としどころを探したいです。
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 15
ていうかこの話が始まってからけっこう時間が経ってると思うんですけど、講談社の人からはいまだに何の連絡もなく、なにやってるんですかね? おたくの作家さんが「今回の責任は全て私にあり」とか言ってるんですけど、そんなわけないだろ!!! おまえんとこの会社の責任が半分以上だろ!!!!!!
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 15
ちなみに私は『コトコトくどかれ飯』に関わった編集者に対してはいい加減にしろよと思っていますが、講談社全体に対して悪い印象を持っているわけではありませんので、普通に講談社と仕事したいんでよろしくお願いしますね!? 狂犬かと思ってたけど実際会うとマトモですねってよく言われます!!!!
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 15
望み通り連載が中止になりそうでよかったですね。
連載を辞退してほしくありません?
いやいやいや。
じゃあツイートという手段は一番悪手ですよね。
だって
法的に連載中止にできない→ツイートで風評拡散だ!
という選択を行えば当然こうなる。
ブチ切れてツイートして揉め事をオープンに拡散した時点で相手側の落とし所は謝罪するか、連載中止しかない。
(しかも連載中止しなければ法的にセーフな嫌がらせをするしかないとツイートもして)
相手編集からすれば徹底抗戦の意味はない。
そんなことをすれば大ごとになる。
逆に法的な提訴して互いに見返りは何もない。
新人を庇って怪我するつもりもない、折れるのは必至。
にしても「悪意があってあのタイトルを」って悪意を持たなきゃいけないほどの似せ方をしてたっけ??
君の望む結末
もし何かしらどこかしらが似ている連載が始まったとしよう。
その場合、まず連載した作品を見た上できちんと判断し、似てるか似てないか並べ検証を行う。
その上で「ここのこの部分がダメだ」という。
そして材料を持って編集にクレームを入れるなら納得もできる。
でも今回ってそんなレベルでもない脊髄反射。
ニュースでタイトルを見かける、記事に書かれたあらすじを読む
→似てる!パクリだ!!
それではなぜ世の中に『ツーピース』という海賊漫画や『追撃の巨人』という巨人漫画が溢れていないかというと、それは出版業界に矜持とか礼儀とか良心とか、自分が同じことやられたら死にたくなるなという気持ちがあるからではないでしょうか。
— 峰なゆか (@minenayuka) 2015, 8月 15
あぁ、そうなんですね。唯一無二ですよね、ワンピースって。
ところでこの漫画好きなんですよ。貼っておきますね。
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一度振り上げた拳はどこかに落とすしかない。
相手の作家さんは辞める一択にまで追い込まれてるのは当然。
編集が謝り、作家は連載をやめる。
これが望んだ通りの結末、そのはじまり。
ツイートの意味
こんなことはプロの作家がツイートで拡散することじゃない。
ファンが「似てない?」とツイートすると違う。
ツイートするってのは、内部的いざこざをリークするのと同意。
自分が思った通りにならない→ツイートだ!
この流れって素人がやるのと、それなりにお金をもらってるプロがやるのとでは意味が全く違う。
ファンからの「パクリだ!」のシュプレヒコールが欲しかったんでしょうが。
大人同士が内々で処理すれば表に出ることなく、急に連載が中止されて「何かあったのかなー?」で終わってた。
新人作家の名前も傷がつかなかった。
プロなら会社組織としてやりとりした上で言うことじゃないのかしら。
これで
あいさつなしで、既存の何かに似ているタイトルやシチュエーション、アイデアを使った後発の作品は、先行の作者などからネットの風評を使い個人で罰を与える、潰すことが可能
という前例ができましたね。
仁義って大事だなー(にっこり
以上、個人のエゴ以外、最初から最後まで誰得でもない業界の慣例話でした。
田所さんは、こんなことにめげず新しい作品頑張ってください(本当に)。
面白い作品お持ちしております。