朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の実妹・槿令(パク・クンリョン)氏が日本のメディアとのインタビューで、「韓国人は心が狭く天皇陛下に申し訳ない」という内容の発言をして以来、同氏と夫のシン・ドンウク氏は総合編成チャンネルの「ホットニュース」になっている。
番組では2人を次のように取り上げている。まず、昨年の槿令氏の還暦祝いに贈られた花輪の写真を画面に映し出す。花輪に付いているリボンには「祝 還暦 (兄弟で)2番目(の子)、愛している/大統領の娘で(自分も)大統領の姉が」と、ユニークな言葉が書かれていた。番組司会者がシン氏に「自作自演という話もあるが」と聞くと、シン氏は「私たちは知らないこと」と答えた。
夫妻について、午前中の番組で出演者が「口をふさぐこともできないし…精神異常者たちめ」と激高すると、シン氏がその日の午後に「総合編成チャンネルは私たちを利用して視聴率を上げようとしている」と反論した。侮辱を感じながらも、シン氏は出演を続けている。放送局は視聴率を稼ぎ、シン氏は出演料を稼ぐ一種の「コラボレーション」に見えるほどだ。
双方の「営業行為」に注目せざるを得ないのは、「政治的禁治産者」並みの発言が付随的な被害を生んでいるからだ。12日に在韓日本大使館前で焼身自殺を試みた80代男性が書いた文章には「槿令氏の発言を聞き、これ以上我慢できなかった…亡き父親や姉を冒涜(ぼうとく)し、国民に暴言を吐いていいのか…歴史と国民の審判を受けて当然だ」という部分がある。大統領一族に対する愛と槿令氏に対する怒りが同時に感じられる。
槿令氏の問題に関して言えば、野党の姿勢はかなり控え目だ。野党議員が大統領に謝罪を要求したが、その程度で済むならかなり大目に見ている方だ。野党も視聴者も、ひいては日本のメディアも朴槿恵大統領と槿令氏の姉妹間に「化学反応」が起こらないことを知っているからだ。それにもかかわらず、「朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の次女」「朴槿恵大統領の妹」という、はく奪不可能な肩書きを武器に、2人は大衆の忍耐力を試し続けている。「大統領府・民政が立ち上がれ」と要求するのも現実味がない。電話で話して数時間もたたないうちに、それを全国民が知るのは明白だ。