現在非常勤講師を務めている北海道の北星学園大学も事情は同じだ。植村氏は記者会見で、何者かが大学に送った脅迫はがきを公表した。「出て行け、この学校から! 日本から出て行け! 売国奴!」 「日本で稼がずに好きな韓国に行け」などと書かれていた。さらに、同氏の娘も極右勢力の脅迫に悩まされているという。インターネットのサイトに娘の実名を出して「この子の父親のせいでどれだけ多くの日本人が苦労していることか。自殺するまで追い込むしかない」などの書き込みが頻繁にアップされ、娘が通う大学には「どこに逃げようと殺してやる。必ず殺す」というはがきが届いたという。
それでも植村氏は「極右勢力の非難に苦しみ、孤独だったのは事実だが、再び1991年に戻っても同じ記事を書く。あの記事のおかげで私を支援する数多くの市民に会うことができたし、世間に慰安婦問題を伝えることができたからだ」と言った。同氏は今後、積極的な対応に出るとしている。このほど「ねつ造記者」と非難したジャーナリストや教授を相手取り訴訟を起こした。「私は韓国のために記事を書いたものではない。歴史的真実を明らかにするため、歴史的事実を書いただけだ」と語った。