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 安倍首相の談話は、日本語と同時に英語でも発表された。

 「痛切な反省」「心からのお詫(わ)び」という村山、小泉両元首相の談話でも用いられ、安倍首相も引用した表現は、従来と同じく「deep remorse」「heartfelt apology」と訳された。また、戦争に対する「深い悔悟」は英語で「deep repentance」と表現された。どちらも、4月に安倍首相が米議会で演説した際とも共通する言葉遣いだ。

 戦中の被害についての「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた」は「Upon the innocent people did our country inflict immeasurable damage and suffering」となっている。ストレートな英訳だが、少し古風な表現だ。

 一方、将来世代についての「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」は「We must not let our children(中略)be predestined to apologize」としている。predestinedは「生まれる前から決まっている」という意味で、「宿命」と訳せる。しかし、英文には「背負わせる」というニュアンスが必ずしもない。(ニューヨーク=中井大助)