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 無名の兵士らの遺骨が眠る千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)では、早朝から、遺族らが菊の花を手向け、両手をあわせた。

 兵庫県播磨町の会社員松本和也さん(39)は戦後70年の今年、祖母アサヱさん(94)から「どうしても」と頼まれて一緒に訪れた。

 アサヱさんは結婚から2年後の1944年秋、軍属として船に乗っていた夫がマレーシア沖で戦死し、まだ乳飲み子だった長男と2人だけが残された。戦後は女手一つで長男を育て、「愛する人を亡くした悲しみは忘れられない」。