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【政治】

首相式辞「加害と反省」なし 不戦言及で批判回避

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 安倍晋三首相は十五日の全国戦没者追悼式の式辞で、過去二年はなかった戦争をしないとの決意に言及したのは、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案の成立を目指す中、国内外から批判を招くのを避けるためだ。その一方で、アジア諸国などに対する「加害と反省」は、三年続けて盛り込まなかった。

 歴代首相は式辞で「多くの国々、とりわけアジア諸国に多大の損害と苦痛を与えた」と表明。一九九五年に出された村山富市首相談話の文言に沿って加害と反省の意を示し、「不戦の誓い」も語った。安倍首相も二〇〇七年の第一次政権の式辞では言及した。

 しかし、首相は第二次政権発足後の一三年、一四年の式辞で「加害と反省」と「不戦の誓い」のいずれにも触れず、批判を浴びた。今年は「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と述べたが、「不戦の誓い」は今年も使わなかった。

 首相は十四日の戦後七十年談話で「わが国は先の大戦における行為について、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」と過去の経緯を説明する形で「反省」や「おわび」に触れたが、追悼式の式辞では「反省」の言葉はなかった。 (後藤孝好)

 

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