【社説】巧妙に植民地支配への謝罪を避けた安倍談話(朝鮮日報)
安倍談話:「問題にするのが難しい巧妙な表現を駆使」(朝鮮日報)
 日本政府は、1995年の村山談話、2005年の小泉談話を通して「植民地支配」と「侵略」について「痛切な反省」と「心からの謝罪」を明確に表明した。しかし安倍首相の場合、村山談話の表現を引用しつつも巧みなやり方で真剣な謝罪を避けようとした痕跡が、談話の各所に現れている。談話では「わが国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」「こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります」と語られた。あたかも、他人の口を借りて反省・謝罪しているような印象を与える。(中略)

 また安倍談話は「戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人」「日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜」を挙げて、明示的に謝罪した。「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とも言った。その一方、植民地の圧政の中、数多くの人間が拷問で命を落とし、数十万人が強制徴用・強制移住の苦痛を味わった韓国に対しては、一言の言及もなかった。日本の首相の談話は、その時代の国際情勢をみる日本の視点を反映してきた。今回の安倍談話は、日本が対米、対中関係には気を使いつつも、対韓関係には大して重きを置いていないということを示している。
(引用ここまで)
 大統領府では「不十分だ」と評する声が出ているが、ある関係者は「安倍談話は米国や北東アジアの周辺国の情勢や世論を考慮し、高度な設計によって作成された談話だ」とし「分析が必要で、世論の推移も見守るべきだ」と述べた。

 外交部(省に相当)はこの日、安倍談話に対する公式のコメントを発表しなかった。だが、数人の関係者は「安倍談話の内容はあいまいだ」と語った。政府のある消息筋は「期待に反することは明らかだが、問題にするのが難しい巧妙な表現を駆使した。率直に言っていら立ちを覚える」と話した。
(引用ここまで)

 韓国側も「もどかしい」「韓国は絶妙に外された」ということは把握しているようですね。
 でも、あからさまに批判はできない。なぜなら「謝罪」や「植民地支配」といった韓国政府が公式に求めてきた単語が含まれているから。
 それらが含まれている談話に対して批判的になるのであれば、韓国側が要求してきた前提が間違っていたことを認めることになってしまうのです。
 アメリカ政府からも歓迎の言葉が出てしまいましたし。
 「そうじゃないんだ!」とは言いたいのだけども、必要要件を満たしてしまった以上、なんとも言えませんわな。
 政治とはなんとも面倒くさいものですね。

 その一方で村山富市元総理は「何を言っているのかさっぱり分からない」そうで。
 自分の心情には正直だったのだけど、政治はできないおじいさんだったということですか。
 村山談話はともかく、阪神大震災や地下鉄サリン事件のときにこの人が総理だったというのは最悪な巡り合わせでしたね……。

 とりあえず、優秀なブレーンを抱えてきた安倍総理の大勝利といってもいいのではないでしょうか。
 独善的に自分のやりたいことだけをやっているパク・クネとの差が大きく出たというところです。