良くしてもらっている人に中々、お返しができない。
仕事が忙しくて、他に行かなくちゃいけないところがあって、ちょっと遠いから、と幾らでも言い訳はできるけど。
貰いっぱなしが一番気持ち悪い、あげっぱなしは何にも気にしないんだけど。
良くしてもらっている内のホンの僅かだけお返ししようと、町田駅から30分ほど歩いて超純水採麺天国屋@成瀬(町田市)へ。
11時少し前に着いて、どうにか開店時間に間に合ったと思ったら、土日は11:30スタートなんだ。
店先から少し離れた日陰で30分ほど待っていたら、次々とお客さんが来店され、開店時間には満席かと思うほどお客さんが並ばれています。
並ばれているお客さんに「そちらが先に待たれていましたよね」と目で合図されましたが、ポールゲットに全く興味がない私は、「お先にどうぞ」と声を出して遠慮しました。
待ち客の最後に入店し、新しく交換した券売機を前に左上の法則でポチリ、と。
L字カウンター15席の10番目に座り、お冷やを飲みながらクールダウンしつつ、何とはなしに入り口の方を見ていると、見かけたことのある好青年が来店され。
「(昨日会っているけど)お久しぶりです」とお声がけさせていただき、店員さんに断って席を移動し、ラーメン談議しちゃったりして。
店員さんに食券を渡すと、(塩は太麺のみですが)醤油は細麺も選べるとのことで、ノータイムで細麺をお願いしました。
程なくして鷄醤油麺750円、店長さん自ら配膳していただき、ありがとうございます。
説明書きによると、スープは比内地鶏、青森シャモロック、純系各名古屋コーチンの鶏ガラスープのブレンドとのこと。
ほんの僅かな違いしかない鶏ガラスープをブレンドするのって、ウィスキーのブレンダーに近いものがありますね。
数え切れないほどの試行の末に辿り着くのが秀才としたら、佐々木店主さんは間違いなく天才。
なぜ天才なのかと言うと、天才は自分が天才だと言うことに気が付いていないから。
そのスープに躊躇せず力強く利かせている醤油ダレは、町田岡直三郎商店の生揚げ溜り二段仕込みを使われています。
もちろんスープを高度にバランシングしてから醤油ダレを合わせているので、レードル一杯の分量に調整するのも天才でなければできない調理技術ではないでしょうか。
麺は太麺と細麺では変えていて、細麺は春よ恋100%で打った平打ち麺、スープの滑らかさに寸分違わず密着するが如くな相性、するるっと喉を滑っていきます。
トッピングは九条ネギ、三つ葉、青森シャモロックもも肉、言葉にならないほど美味しくて、スルッと食べてしまってご馳走様でした。
店主さんの誕生日限定メニューとはいえ、ここまで完成度の高いラーメンを作れるとは、美味しいという言葉が陳腐に感じます。
友達と楽しくラーメンの話しをしながら食べ終え、お店を後にしました。
成瀬まで下り坂を歩き、東神奈川で乗り換えて蒲田へ、2014/11/7にオープンしたラーメン二郎JR西口蒲田店へ。
評判がイマイチでしたので放置していましたが、(仮)新潟店の訪問前に全39店舗訪問済み、と。
まあ、世の中には全店訪問されているジロリアンが何百人もいるでしょうから、全店訪問は自慢にはならないし、優越感も全くありません。
土曜日のお昼過ぎ、どのくらい並んでいるかと店内に入ると、カウンター10席に先客4人とがらがらです。
凛と張り詰めたラーメン二郎特有の空気感ではなく、二郎インスパイアの店舗でよく感じられるゆるりとした生暖かい空気感です。
右手の券売機を見ると、小、小ブタ、小ダブル、大、大ブタ、大ダブル。
食券(プラ券)を買って空いている席を選んで座るなんて、ラーメン二郎訪問100回目記念かと思いました。
カウンター台に食券を置き、卓上を眺めると割り箸しか置かれていません。
高いカウンター台ですので調理はまったく見えず、お冷を飲みながらぼけっと待っていると「ニンニク入れますか」と声が掛かりますので、「ニンニク、ヤサイ、トウガラシ」とコールしました。
小730円。
湯気も無ければ覇気も感じず、以前のオタキ、カブキにも似て、あまり熱くないヤサイ、殆どがモヤシです。
しばらく野菜を食べていると麺が見えてきます、中太平打麺は間違いなく自家製麺ですが、一体いつ打ったのか疑いたくなるほどの力弱さ。
スープは非乳化と言えば聞こえは良いけどシャバシャバで、ブレなのかデフォなのか、確認することができません。
ブタはかろうじてチャーシューではありませんでしたが、ラーメン二郎に不慣れなお客さんならチャーシューと間違えそうです。
麺や豚は食べ切りましたがスープを半分くらい残してご馳走様でした。
こんな形で全店舗訪問とは心苦しいけれども、現実はいつも厳しい。
約束の時間までたっぷり余裕があるので、赤羽駅で降りて荒川に面した遊歩道に腰を下ろしました。
Tシャツを脱いでいる人も何人かいたので、それじゃあ私もと思いましたが思っただけ、脱いだだけで犯罪行為になりそうなので自粛しました。
日々、一分、一時間を大切に生きていることも多いので、何時間もこうしてぼうっとする時間の何と大切なことか。
贅沢、と言っても言い過ぎではないかもしれません。
まだ時間に余裕があったので、前回紹介されて再訪したかった丸健商店へ。
午後になったくらいの時間からおでんをつまみとする立ち飲み屋、おでんのネタは店内で調理されているので、とても美味しくいただけます。
が、土日の夕方ともなると大行列、しかも30分の制限付き、お店側から追い出されたりしないので長居している人も多いようです。
適当におでんのネタを頼み、ビールやチューハイではなくワンカップを飲むのが丸健流、なのかな。
ワンカップは途中まで飲んで、おでん汁で割るという裏技がありますが、まあ、好みで。
ちなみに、今夜はおでん三品とワンカップで930円(税込)。
少し遅れて彼女がきたので、辺りをぐるっと見渡して、赤羽トロ函へ。
このお店は満席で待ち行列があり、10分ほど待って入店、先ずは二人お疲れ様会、と。
初対面ではありませんが、会ったと言っても挨拶程度ですので、こうして膝を突き合わせておしゃべりを楽しむのは初めてです。
刺身、焼き物、仕込み物とバランスよくメニューに書かれている場合、これまでは食べる(注文する)順番を決めていましたが、飲む相手が違うのにいつも同じ順番というのはつまらないので、今日は自分の娘ほどの年齢の彼女に任せてみました。
第一弾としてマグロの頬肉焼き、真ホッケ焼き、ポテトサラダ、なんと焼き物は自分で焼くスタイルでどんと七輪が置かれます。
男女問わず、話が合う人とは始めっから合うし、合わない人とは何回会っても合わない。
相手が気に入れば相手のことが気になるし、相手のことをよりよく知りたくなる。
異性だからと言って結婚を考えているわけじゃないので、旦那さんがいても彼氏がいても全く問題なく、むしろどんな人なのかを知りたくなる。
そんな話を軽々しく、「明日晴れるかな」「今日と同じくらい暑いよ」と話せる人って、貴重です。
ハイボールを飲み終わってから改めてメニューをよく見ると金魚があるので、頼んでみました。
彼女は金魚を知らなかったのでちょっぴり優越感、金魚とは焼酎の水割りに唐辛子と大葉を沈めて金魚に見立てあるのです。
なぜ金魚に見立てなければならないのかは全く分からないのですが、ここの金魚には焼酎の味が消えるほど唐辛子エキスがたっぷりと入っていて、かなり辛くしてあります。
イカの一夜干しを焼きながら、ずっと自分の話しをしていた彼女が、急に「ふらわさんって、奥さんとどうして知り合ったのですか」と初めて私の事を聞いてきました。
理由は分からいけどよく聞かれる話で、これまで何十回と話してきましたが、今月になって三回目は多過ぎませんか。
初めて視線を合わせてきた彼女に、作り話ではないけど澱みなく話し、「それってとても素敵じゃないですか。私もそんな人と知り合いたいなぁ。」って、酔っぱらいの戯言かよ。
昔話を大笑いしたり、涙ながらに話す人が多いのですが、これからのことを意気揚々と話す彼女はきらきらと輝いています。
私も彼女の歳の頃には夢も希望もありましたし、夢と希望を語るのが大好きでしたが、今でも(当時とは違っていますが)夢も希望もあります。
今夜は2時間制に阻まれて彼女の話しを聞くことしかできなかったけど、次回は私の話しを聞いてもらいたいな。
とても楽しかった、とっても楽しかった、また飲もう。