青木 薫
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『ネアンデルタール人は私たちと交配した』鏡に映ったもう一つの私たち
2015年07月04日スヴァンテ・ペーボって誰? と思っている、そこのあなた(わたしもだったけど(^_^;))、この名前は覚えておいて損はなさそうだ。彼は、世界各地の自然史博物館を、最先端の分子生物学データバンクに変えた科学者である。そして「われわれは何者なのか……more
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『二重螺旋 完全版』訳者あとがき by 青木薫
2015年05月29日ワトソンのその著作が刊行されてから40年あまりの時を経て、このたび本書『二重螺旋 完全版』(原題 THE ANNOTATED AND ILLUSRATED DOUBLE HELIX)が生まれることになったのは、編著者による序文に説明さ……more
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エイズ治療研究の最前線--『完治』への道
2015年03月26日「青木薫のサイエンス通信」番外編の更新です。今回取り上げたのは、仲野徹とのクロスレビューになる『完治 - HIVに勝利した二人のベルリン患者の物語』。なぜHIVを克服するのが難しいのか?そこを深く理解することで、患者を「完治」へと導いた主治……more
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『捏造の科学者 STAP細胞事件』知ることからしか始まらない!
2015年01月24日「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、毎日新聞の科学記者・須田桃子さんによる『捏造の科学者 STAP細胞事件』。論文に欠陥が発覚した後、一部の科学者たちの反応に、青木さんは違和感を感じたという。科学史にも残るであろ……more
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『エピジェネティクス』を理解するために パート3
2014年08月30日で、本の中身です。もちろんエピジェネティクスについて書かれているわけですが、私はあえて、これを細胞ワールドへの手引書ととらえたいですね。はっきり言いますが、細胞は、現代生命科学の重要なキーワードだと思うんです。 「え? 細胞って、あの、玉ね……more
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『エピジェネティクス』を理解するために パート2
2014年08月29日私が仲野さんの『エピジェネティクス』を読み始めてすぐにわかったのは、仲野さんという人は、巨人の肩の上に立って、立ちションをするような人ではないのだな、ということでした。 「巨人の肩」の話は、みなさんご存知のことと思います。アイザック・ニュ……more
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『エピジェネティクス』を理解するために パート1
2014年08月28日仲野徹さんが、岩波新書の一冊として『エピジェネティクス』という本を出されたので、その紹介をしてみたいと思います。とはいえ、「この本にはこんなことが書いてあります」という話をするのではなく、むしろ同じ分野の本を何冊かまとめてご紹介しながら、何……more
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「上書き保存」で、記憶を編集する
2014年07月03日「パーシャル・リコール」では、記憶の一部 --もう少し具体的に言えば、トラウマなるような強い恐怖など-- を消去できるかもしれない、という話なのです。こう言われると、「えっ! 記憶を操作するなんて、そんなことやっていいの?」、「記憶って、個……more
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完全食品ソイレントが突きつけるもの
2014年06月03日完全食品「ソイレント」を通して、「食」の現在が見えてきます。気候変動、人口爆発、貧困のなかの肥満……。豊かな文化に彩られた食を楽しみたいのは誰しも同じ。でも、目をつぶってはいられない問題も山積しているのです。…more
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新説!ストーンヘンジ――ランドスケープ考古学
2014年05月03日数々の憶測に彩られてきたストーンヘンジ。21世紀になって、ランドスケープ考古学という新しいアプローチで、大きな成果が得られているようです。…more
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ITERとバベルの塔
2014年04月03日ソ連の科学者サハロフが1950年代にトカマク型の核融合炉を考えたときには、10年かそこらで実現するだろうと思っていたそうです。しかし21世紀の今、ITERを先頭に立って引っ張っている人は、生きているうちにその完成を見ることはないのかもしれま……more
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無能な研究者のずさんな仕事……なのか?
2014年03月09日ヨーロッパでは十年前から使用されなくなっている除草剤アトラジン。アメリカでは今も使われているこの除草剤の有毒性を、十五年前から訴えてきた科学者がいます。彼の仕事はほんとうに「信頼するに足りない」ものだったのでしょうか……?…more
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バイオエレクトロニクス――現実化する攻殻機動隊ワールド
みなさま、正月三が日も終わろうとしておりますけれど、今年もサイエンス通信をどうぞよろしくお願い申し上げます。 できるだけ幅広い分野から話題を選びたいと思っているのですが、あらためてそういう目で眺めてみると、『ニューヨーカー』のサイエン……more
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『宇宙が始まる前には何があったのか?』訳者解説 by 青木薫
2013年12月06日本書の著者ローレンス・クラウスは、長年、第一線で活躍してきた宇宙物理学者である。興味のある研究テーマは、彼自身の言葉によれば、「宇宙の始まりから終わりまで」だという。もちろんクラウスは、半分は笑いを取ろうとしてそんな言い方をするのだが、しか……more