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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に隣接する沖縄国際大に、米軍の大型ヘリが墜落した事故から11年となった13日、基地問題を考える集会が同大で開かれた。前日に沖縄本島沖で米軍ヘリが着艦に失敗する事故があったばかりで、参加者らは米軍への不信感を口にした。

 「不安に思い、恐れていた墜落事件がまたもや起きた」。集会の冒頭、大城保(おおしろたもつ)学長が、前日のヘリ事故を受けて急きょ書き換えた声明を読み上げた。「軍用機は安全最優先の民間機に比べ、安全性が低い」などと指摘し、普天間飛行場の即時閉鎖を求めた。

 学生を代表して3年の板良敷彩(いたらしきさやか)さん(21)は「安全は無料で手に入るものではない。何かを、誰かを犠牲にしなくてはならない。沖縄は常にその犠牲を強いられてきた」と訴えた。3年の高宮城允(まこと)さん(20)は、前日の事故や安全保障関連法案の衆院通過に触れ、「ここ沖縄から、平和とは何かを考え直していく必要がある」と述べた。

 集会にほぼ毎年参加している大学OBで沖縄市の平良薫さん(79)は11年前、近くに住んでいて事故直後に現場に駆けつけた。「米軍機の墜落事故は多すぎる。一日も早く基地をなくさないと、重大な事故が起きる」と語った。(加藤美帆、吉田拓史)