疑惑が膨らむ佐野氏に対し、さすがに専門家も懐疑的な目を向け始めていて、大阪芸術大芸術学部の純丘曜彰教授(芸術計画学科)は10日、あるビジネスサイトのコラムで、「東京オリンピック・エンブレムはもう無理筋」と書いていた。
改めて純丘氏に聞いたところ、「仮に権利関係をクリアした“コピペ”だったとしても、画像をそのまま使う行為自体、プロのデザイナーとしての資質が問われる」と、こう続ける。
「権利関係うんぬん以前に、今回のトートバッグの一件で、佐野氏はネットの“奥深い”ところからも素材を拾ってきている。それが明らかになってしまった。佐野氏は釈明会見で『盗用は事実無根』と反論、ドビ氏のデザインは『見たことがない』とオリジナリティーを主張していましたが、もし“コピペの常習”となれば、エンブレムだけが似ていない、関係がないと“著作の独立性”を主張するのは難しくなります。ドビ氏のデザインもネットで知り得た可能性が高いということを、自ら“立証”してしまったようなものです」