3人の日本人研究者が昨年のノーベル物理学賞を同時受賞して話題となった青色発光ダイオード(LED)。白熱電球の置き換えなどで急速に普及しているが、一部の研究者やメーカーは早くも「次」を見据え、未来を手元にたぐり寄せようとしている。それが深紫外線を発射するLEDだ。製造にはさらに高度な技術を要するものの、用途の広さでは勝るとも劣らないと期待されている。
「まさに未来の光だ」
旭化成の久世直洋UVCプロジェクト長は、深紫外LEDの魅力をそう表現する。同社は昨年11月、世界に先駆けて量産を始めた。
深紫外線は200〜280ナノ(1ナノは10億分の1)メートルの短い波長を持つ紫外線の一種で、目に見えない。太陽光に含まれているが、通常はオゾン層に遮られ、地表には到達しない。
強力な深紫外線を生物が浴びれば、DNAが破壊されてしまうほど危険な存在だ。研究者らは、逆にそうした性質を殺菌などに役立てられると考えた。
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