松本市の松本駅東西自由通路を管理する市が、「平和のための信州・戦争展中信地区実行委員会」(大串潤児委員長)が今月3日に設置した戦争反対を訴えるパネル展示について「政治性が濃い」などを理由に、通路の使用許可を取り消したことが6日、分かった。パネルは同日、撤去された。
中信地方の市民有志でつくる同実行委によると、パネルには松本市で開く催しのポスターや、7月に発行した戦争体験者の証言集を紹介するチラシ、「アベ政治を許さない」と印刷した紙など20枚近くを掲示していた。
市維持課によると、同実行委の申請で5月11日付で通路の使用を許可。同実行委には過去にも使用を許可したことがあり、同課は「今回も純粋に戦争に反対する内容だと考えて許可した」とする。
展示が始まって以降、複数の市民らから「(展示内容に)問題がある」との苦情が市に寄せられ、JR東日本からも対応を求められたという。
同課は「アベ政治を許さない」などの紙を挙げ、「政権批判などが含まれており、申請時に示した使用目的と大きく違う」と判断。東西自由通路の適正使用を定めた市駅前広場条例やJRとの協定に基づき、5日付で許可を取り消したとしている。
実行委の担当者は「展示に問題があるとは思わない」と話し、展示の一部が実行委の承諾なく撤去されたとも主張している。同課は「純粋に戦争に反対する内容ならと許可したが、想定した内容と大きく異なっていた」としている。