閉じる
閉じる
×
ニコ動で『デレアニ』17話 配信中!
あああああ~~~~~~~~~~~~っ………………………………………もうなんと言っていいのやら、もう『美しい』とか『尊い』とか、一言では言い表せないこのジンワリと胸に染み入る感動、こんな感情をアイマスで得られるなんて。なんという幸せ。
○支え合い 導き合い 癒やし合い 笑い合う彼女達。
坂上ィっ! オイ坂上ァァァァァァァ!! 莉嘉が! 莉嘉が暗い顔しとんぞォォォォォォぉぉぉぉ!!!!?????8話からこっちずっとテーマにしてきたことだもんな。「『個性』って何だろう、『自分らしさ』って何だろう」。アニメどころかゲームでの初登場時から「~~したい!」って気持ちを前に出してきていた莉嘉にとっては一番大きな問題だ。
(「お姉ちゃんみたいな」を目指してデコったネイルは、莉嘉にとって『大人っぽさ』『お洒落の工夫』の象徴なのかな。今回、美嘉も莉嘉もネイルが強調されてるカットが印象的)
そして強がる事ができるってのは、強いけど辛いな。あの10話のように。プロジェクトにとっても大事な時期だし、学校でも啖呵切っちゃったし、Pクンや仲間の二人にもに迷惑かけたくないし、出演者の中でもお姉ちゃんだしみりあちゃんに対してもちょっぴりお姉ちゃんだし。自分にかかっている期待に敏感な子だ。偉い。そして辛いな。
美嘉もね。
求められるものが多いって辛いね。背負いたいものが大きいって辛いね。今までやってきた自分の路線・やりたい事に加え、「もしかしたら自分のせいで後輩たちのCDデビューが頓挫仕掛けたかもしれない」という焦りも含め、心の中に生じたモヤモヤを吹き飛ばすかのようにレッスンする美嘉。でも、あの美嘉が息を切らせるほどに体を動かしてもソレは晴れなかったんだね。
そしてまたソレをちゃんとこなせてしまうのが『カリスマ』のカリスマたる所以かな。実際、ファンのJKたちもちょっと好感触だし、我々から見ても、うん、この路線良いわ。でも、どんなに評価されようとそれは美嘉自身がやりたいことじゃないんだよね。辛いな。
オトナから言い渡された『新たな自分』、仕事場だけでなく普段の靴も、イメチェンのため(仕事用の靴に慣れるためかも)ミュールとかじゃなく大人っぽいハイヒールにする美嘉はしっかりプロだよ。でも、その『慣れないこのピンヒール』は美嘉ですら歩きづらそう、階段を昇りづらそうだ。
そして何よりみりあちゃん……
大好きなパパとママに褒めてもらいたいもんな。『お姉ちゃん』としていいトコ見せたいもんな。でも、お姉ちゃんであるが故に褒めてもらいづらいんだよね。
胸の中に湧いたモヤモヤは、多分オトナが『嫉妬』と呼ぶ類のものだ。そしてソレを自分で名付けないというのは一番つらい道だと思う。
そうやって、今回もまた、15話や16話と同じように、彼女達はお互いに導き合う。お互いに支え合う。
自分のやりたい事とアイドルとしてのお仕事との間で迷った莉嘉。
そんな莉嘉を、姉である美嘉が叱り、杏ときらりがヒントを与える。そのヒントを元に莉嘉は一歩前へ進む。『自分らしさ』、「セクシー派カリスマギャルの城ヶ崎莉嘉」というキャラ付けを認めさせる。
一番認められたい相手、一番褒めてもらいたい相手になかなか構ってもらえなくて落ち込んじゃったみりあちゃん。
そんなみりあちゃんを、美嘉が元気づける。まさかね、「可愛い可愛いみりあちゃん」と「いつでもカリスマお姉ちゃんな美嘉」を、こうして並立させるなんて思っても見なかった。
ポツリポツリと、胸のモヤモヤの元を語りだすみりあちゃんの声と顔と足の表情が凄く綺麗で泣けてくる。やっぱり辛かったんだよ。表に出さなかったソレをちょっとずつ言えるようになった二人の関係性の変化、秋の夕映えと相まってとても美しい。
そんな美嘉もまた、莉嘉と同じように惑う。
今回の美嘉の惑いは莉嘉と同じものなんだよね。2話からずっと『カリスマ』『先輩』『お姉ちゃん』だった美嘉がアイドルとして、莉嘉と同じように惑う。そしてまた、美嘉は『姉』としても惑う。大切な妹へ苛立ちの余剰分を向けてしまった事実が美嘉自身を蝕む。それは、実はお母さんを妹に取られてちょっとモヤモヤしちゃったみりあちゃんと同じ惑いなんだよね。どうこう言っても17歳の少女だ。カリスマアイドルもまた、年少組二人と同じように繊細な部分を見せてしまう。
そんな美嘉を元気づけるのがみりあちゃんだった。美嘉とみりあちゃんは互いに元気づけ合う。赦し合う。
「お姉ちゃんって大変だよね」を、今までずっと『シンデレラプロジェクトの中での妹分』だったみりあちゃんと『シンデレラプロジェクトの姉貴分』だった美嘉で共有して、互いに元気づけ合って癒され合って、二人でまた前を向くというのが本当に美しく心に染みる。
そしてもう………………………この……………この…………………………………(言葉にならない)
そうやって心をまた素直にして、妹の莉嘉からすら学べるようになる美嘉がほんといい。
莉嘉に対しイラつく時は左目を閉じ、莉嘉から貰ったヒントを自分の成長に変える瞬間は右目を開く。この姉妹の絆の循環もまた美しい。
年少組二人が、美嘉が再び強い笑顔で前を向くきっかけを作り力を与えた。この絆の循環。今までずっと描いてきた彼女達の絆の中に、ちゃんと美嘉もいる。
○「新たな自分に会いに行こう」
単なるお姉さん系ギャルじゃない。単なるワガママなギャルJCじゃない。単なる無邪気で純粋なロリじゃない。彼女達の内面はとても複雑で、だからこそ魅力的で、熱い存在感を信じられるんだ。そんな彼女達の、ちょっぴり影響し合いながらちょっぴり成長していく姿が胸にクる。莉嘉がヒントを見つけ克己する瞬間からの『Shine!!』の使い方がほんと良い。「新たな光に会いに行こう」「新たな自分に会いに行こう」。誰かから押し付けられた『新たな自分』じゃなくて、自分で見つけた、自分で作った『新たな自分』に向かって、自らの足で会いに行く3人が素晴らしい。
杏ときらりのやり取りは二人共真逆のことを言ってるんだけどね、莉嘉はその二人共の意見を自分のヒントに変えた。思い悩むシーンでは常に背に夕日を浴びて下手に向かって俯いていたけど、最後には朝日と上手に向かって走る。その笑顔は本当に美しいし、可愛い。
そうして莉嘉は、美嘉にすら一歩先んじて成長した。
『子供っぽい/大人っぽい』じゃないんだ。「与えられた枠組みの中で、自分は自分らしさを自分で演出する!」という力強さ、前向きさは何よりも『莉嘉らしい』やり方だ。そしてそのやり方こそが、莉嘉自身は分かってないかもしれないけど既に『大人っぽい』んだ。
みりあちゃん、「お姉ちゃんも泣きたい時あるよね」なのに泣かなかったな。とても強かったし、優しかったな。シンデレラプロジェクト全員が尊敬する美嘉をすら包み込む慈愛を見せた。そうして、ほんのちょっぴり成長して、自分のことよりも家族のことを優先できる余裕を持てるようになった。
「私ね、今お姉ちゃんなの」「そう……そうなの」
ここからの黒沢さんの演技神がかり的でしょう……。やっぱり持っていた辛さを再確認して、そしてそれを認め許してもらえて、ほんのちょっとだけ漏れ出そうになった涙を、しかしそれでも一瞬で飲み込んで笑い合う。そして神々しいまでの優しさを以って美嘉を赦す「いいよ」。みりあちゃんの強さが最大限に表現されている。もう、このみりあちゃんだけで100回泣く。ラストのお母さんとのやり取りの、ちゃんとお姉さんになれたみりあちゃんの演技もいい。
ちゃんと「お姉ちゃん」として成長できたな。胸がモヤモヤするだけじゃなく、自然な形でお姉ちゃんになれた。(辛い時は下手へ向かい成長した後は上手へ微笑むのは莉嘉と同じ。各々の成長が分かりやすくて良い)
それは、美嘉と触れ合う中でモヤモヤをどっかに飛ばしてもらえた結果であり、美嘉にそのモヤモヤを共有してもらえた結果だ。みりあちゃんの成長の中にもちゃんと美嘉がいる。
美嘉、みりあちゃんには弱さを見せちゃったな。みりあちゃんと同じように、自分の中にやっぱり辛さがあるということを見つけて認めた。だからこそ漏れ出た涙だ。それはみりあちゃんを「ただ可愛がるべき対象」としてではなく「弱さを見せられる本当の友」として認識した証拠。みりあちゃんをデートに誘う時の美嘉はいつも通り上手に立つんだけど、夕映えのシーンでは逆になる。みりあちゃんの強さ、そして美嘉のちょっぴりの弱さ。美しい。
「あぁ……わかるなあ」からの佳村さんの演技も、いつものカリスマじゃなくてちょっぴり弱い部分を素直に見せちゃってる美嘉が表現されててすごくいい。
美嘉はみりあちゃんを舐めない。だからこそ互いに元気を与え合えた。美嘉がみりあちゃんに与えるだけでなく、美嘉はみりあちゃんから元気を貰えた。そうやって素直になったことがまず美嘉の成長だ。
そうして素直な気持ちになって、妹の莉嘉からすら自分の成長のためのヒントを得る。そうやって、莉嘉と同じ「言われたお仕事をこなしつつ、自分らしさを自分で演出する!」をより高い次元で表現する。素晴らしい高みへ至った。本当に、ほんっとうに美しい。
○『個性』『自分らしさ』とは?
そんな、莉嘉にヒントを与え、そして最終的には美嘉の成長の遠因にもなった杏ときらりのやりとりは、案外重要な問いをこのアニメに与えているよね。つまり「自分らしさとは自分で作るもの」というきらりと「どんなに繕った所で自分は自分」という杏。言い換えれば「自分の意志で表現したものこそが個性であり自分らしさ」「誰かの意思も自分の意志も全部取っ払った後に残るものこそが個性であり自分らしさ」という対立。それはつまり「自分を様々に"デコレーション"するきらり」と「無駄を排除した"裸足のアイドル"杏」との対立だ。「この自分の靴で今進んで行ける勇気」の『自分の靴』ってどっちのことなの?
4話のやり取りとも繋がるんだ。今回、4話や12話と同じように、皆の靴を映すカットが多い。
『自分らしい靴を履くのが自分らしさ』なのか、『裸足でいるのが自分らしさ』なのか。どちらが正しいというわけではないんだろうけど、今後それが描かれていくんだろうか。この対比は14話以降……いや、8話以降ずっと積み重ねてきた「アイドルの『個性』『自分らしさ』ってなんやねん?」という問いのかなりコアに近い部分を抉りだすものなんじゃないだろうか。
○反逆者
15話で、常務から与えられたお仕事を真正面から蹴った楓さん、16話で、与えられたお仕事の中で『個性を表出する』という反逆を行った菜々さん、そして今回17話は「与えられたお仕事を十全にこなしつつ自分の個性も表現する」。この子たち、『常務に対する反逆』すら三者三様にバラエティ豊かだ。16話でもそうだったけどそのバラエティの豊かさこそがPが理想とするものであり、目指す地点なのだろう。ただしかし、美嘉の『大人路線』は悪くないよ。いやむしろ良いよ!
作中のJK達だけじゃなく、見てるこっちも良いと思ってしまうこのキレイさ。美嘉には悪いけど、うん、これ良いよ。
そして、最後に美嘉が至ったコッチの結論はもっと良いよ! 大人っぽい着飾り方と、歳相応のギャルっぽい表情。その対比で魅せつつ「外側はどうあってもワタシはワタシ」という強い女性・大人な女性を演出できてる。妹の莉嘉が至った結論にさらに上乗せして高みに登っている。
でもこれ、実際Pの「個性重視です」というやり方だけじゃこの高みまで行けなかったよね。この美嘉は、常務の路線とPの路線が対立しながらも美嘉の成長と機転で上手く纏めて至ることで生まれた止揚だ。そう考えても……常務は本当に『敵』なんだろうか。
中編では、聖人じみて尊い活躍を見せてくれたきらりなど、アイドル達みんなについて。
それでは、佳きアイマスライフを。
広告
コメントコメントを書く