韓国製品がここ10年間、新興国市場ではシェアを伸ばした一方、先進国市場では苦戦している。先進市場でのシェア下落は新興市場にも影響を与える可能性が高いことから、「輸出立国」韓国にとっては見過ごせない状況だ。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が韓国の主な輸出相手国50カ国を対象に、2004年から昨年までの10年間における韓国製品のシェア推移を分析した結果、欧州での韓国製品のシェアは04年の1.1%から昨年には0.8%に下落した。北米でも2.9%から2.7%に落ち込んだ。一方、独立国家共同体(CIS)、中南米、中東、アフリカなどの新興市場ではシェアが上昇した。その結果、50カ国全体では10年前に比べシェアが0.28ポイント上がった。
先進市場で韓国製品がシェアを落としている最大の原因は、中国製の中低価格製品の攻勢だ。北米市場での中国製品のシェアはここ10年間で6.1ポイント、欧州市場では3.1ポイント、それぞれ上昇した。
こうした傾向について、韓国貿易協会のイ・ボンゴル研究委員は「新興国の消費者も所得が上がれば先進国の消費者と同じ製品を購入するとみられ、韓国にとっては致命的なシグナルだ」と危機感を示した。
専門家らは、韓国勢が先進市場を再び奪い返すには、研究開発(R&D)投資を通じた差別化された製品の開発やブランド価値の向上が欠かせないと指摘する。ソウル大国際大学院のアン・ドックン教授は「短期的な処方では、先進市場で中国などに締め出される状況を食い止められない」と述べ、産業体質の改善による競争力強化が急務だと助言した。また、KOTRAのチャン・スヨン通商戦略チーム長は「韓国企業がR&D投資を増やしてブランド価値を高めてこそ、競争が激しい先進市場で生き残ることができる」と指摘した。