『Everybody’s Gone to the Rapture』海外レビュー
『Everybody’s Gone to the Rapture』の海外レビューです。
- ジャンル: アドベンチャー
- 機種: PS4
- 開発: The Chinese Room
- 販売: SCE
サウンド: 文句なく素晴らしい、大部分が自動生成のサウンドトラックが卓越した憂うつな雰囲気を吹き込んでいる
『Everybody’s Gone to the Rapture』はゲームなのか、それともインタラクティブ物語の実験作なのか、はたまた芸術ですらあるのか?なんであれ、印象的な体験に仕上がっている。ゴージャスな見た目、素晴らしいサウンド。プレーヤーを最後まで離さない、知的でどこか深遠なSFミステリーだ。
何が一番の悲劇かって?彼らを救うことなどできないことだ。
・息を飲むサウンドトラックとビジュアル
・突出した脚本と美しい物語
・ジャンルを考慮するとかなり長め
悪い点:
・非常に鈍い動き
・好き嫌いがぱっくり分かれる
不満があるとすれば、移動速度だろう。粗探しではあるのだが、移動速度があまりに遅いことがあるし、ゲーム全体が移動がメインなため、イライラする人もいるだろう。しかし、これは明瞭な説明が難しい特別なゲームなのだ。物語は最後までプレーヤーを釘付けにするし、ビジュアルとオーディオ・デザインが近年で最も素晴らしいこともあり、極めてお勧めだ。この手のゲームに馴染みがあり、スクリプト演出重視のゲームだと理解して臨む限り、楽しめるだろう。万人向けではないが、『Everybody’s Gone to the Rapture』を気に入ったなら、末永く脳裏に刻まれるはずだ。
・感情移入を要求する美しいノンリニア・ストーリーテリング
・オーディオとビジュアルのキューを巧みに活用したガイダンス
・ゴージャスで細部に凝った世界
・没頭を強いる隠し要素と揺るぎない緊張感
悪い点:
・イライラする移動速度
・主導セーブがなく、チェックポイントが少ない
『Everybody’s Gone to the Rapture』は、巧みなキューでプレーヤーを導き、発見を熟考する余地を与えてくれる。ゲームのストーリーテリングが持つポテンシャルの素晴らしい具現化であると同時に、肉体的関わりを最小限に抑え、プレーヤーの想像力に委ねている。無力感を拭い去ることはできないものの、物語に含まれた僅かな希望にすがるかどうかは、完全にプレーヤー次第――ハッピー・エンドを強いられることはなく、ただエンディングがあるだけである。物語の教訓はプレーヤー次第であり、色鮮やかで空虚な世界を探検して感じたことに、間違いなどないのだ。移動中にストレスを感じたこともあるとはいえ、私はすっかり魅了されてしまった。消耗しきってShropshireを後にした私は、結末自体とその過程両方において、The Chinese Roomが見事に築き上げた旅路に大いに感銘を受けた。
・緊張感の途切れない、悠然としたペース配分
・Yaughtonはゴージャスで、感動的なディテールに満ちている
・音楽と声優の演技は他のゲームのはるか先を行っている
悪い点:
・プレーヤーを現実に引き戻すSixaxis操作
ゲーム史に残る生き生きとしたゲーム世界を通して語られる、卓越した物語。
・ユニークなストーリーテリング方法
・多彩で演技も素晴らしいキャラクターたち
・ゲーム媒体の進化
悪い点:
・リニア性を気に入らない人もいるかも
・物語に失望する人もいるかも
残虐で血生臭い暴力的な世紀末を求めるなら、その手のゲームは他にたくさんある。しかし、ドラマ満載の興味深いストーリーテリング方法を探しているなら、『Everybody’s Gone to the Rapture』をチェックすべきだろう。これは、文学のビデオゲーム版である。芸術と呼ぶ人もいるかもしれないが、私としては、ゲーミングは既にそのような同時代的定義を超越した進化を遂げたと考えたい。The Chinese Roomには語るべき物語があり、極めて独特の流儀でやり遂げた。次の冒険が待ちきれない。
・細部に凝った世界
・最高のミステリー
・素敵なほど憂うつ
・驚異的な音楽
悪い点:
・移動速度が遅い
『Everybody’s Gone to the Rapture』は、密度の濃い世界、喚情的なトーン、そして豊かなキャラクターたちの構築に秀でている。素晴らしい探索や発見、そして記憶に残る場面に満ちた5時間だ。悲しみ、喪失、そして最後に明かされる真実は、イライラするほど鈍い動きを耐え抜く価値のあるものだ。『Everybody’s Gone to the Rapture』は、充実した旅路で私の忍耐力に報いてくれた。
・美しいグラフィック
・二転三転する魅惑的な物語
・素晴らしい声優の演技
・ほぼ完全に自由な探索
悪い点:
・テンポが遅く感じることも
・物語システムが探索の邪魔をしているように見える
・極めてニッチなゲームプレー・スタイル
・PS4のグラフィック・パワーを引き出すCryEngineがフレームレートの低下を招くことも
『Dear Esther』の開発元ということもあり、私はインタラクティブ・アドベンチャーを期待していた。しかし、この手のジャンルを幾つかプレーしてきた経験から言うと、『Everybody’s Gone to the Rapture』は全体としてはゲームというよりもむしろ、The Fullbright Companyが2013年にリリースした不気味なインタラクティブ・ストーリー『Gone Home』に近い。ゆっくりと物語が進むゲームのファンは楽しめるだろうが、それ以外の人間は忍耐力を失ってしまうはずだ。
グラフィック: 木々の生い茂る風景と徹底して細部にこだわった家屋はビジュアルの偉業と呼べるが、時折落ち込むフレームレートが邪魔をする
サウンド: 感動的なストリングスと恐ろしい合唱が、物悲しくも適切なトーンを作り出す
プレー性: 歩きの鈍さにイラつくことはあるかもしれないが、1人称ゲームの操作が理解できれば誰でもプレーできる
エンターテイメント性: 過去の村民たちのこだまを盗み聞きするのはやりがいがあるが、全体のミステリーは思わせぶりな後味を残す
リプレー性: 控えめ
The Chinese Roomがまたしても、今度は、PS4のグラフィック・パワーを用いて、ゲームの常識に囚われないユニークな体験を作り上げてくれた。美しさの増した風景と直線的な王道構造からの脱却は成功しているものの、『Rapture』は輝く黄金の道から逸れるとやりがいを感じられないのである。
・驚異的な雰囲気
・グラフィックと音楽
・メイン・プロットの斬新な解釈
悪い点:
・物語の道筋が限定されている
・退屈な探索
・遅い動き
『Everybody’s Gone to the Rapture』は優れた物語を紡いでいるが、ほぼ全て紡いでくれるので、プレーヤーの介入する余地がほとんどなくなっている。発見や探索、解釈の余地がない世界をノロノロと歩き回った後では、インパクトも薄れてしまっている。