豊後大野市清川町砂田の「清川商事」(安光局(アンカング)社長)が輸入した「韓国産活ひらめ(生食用)」から、食中毒を引き起こす寄生虫が基準値を超えて検出されたとして、県は10日、同社に回収命令を出した。 県食品安全・衛生課によると、同社は5日、韓国の養殖業者から2862匹(3・1トン)を輸入。九州と関西の2府7県の10業者に出荷し、県内では中津と佐伯両市の2業者に計230匹(280キロ)を販売したとみられる。 福岡検疫所の門司検疫所支所下関分室が5日、抜き打ちで抽出調査し、横浜検疫所の輸入食品・検疫検査センターで検査。10日、寄生虫「クドア・セプテンプンクタータ」が基準値の1・7倍検出され、厚生労働省から県に連絡があった。 県は食品衛生法に基づいて回収命令を出し、関係する自治体に情報提供。詳しい流通経路を調べている。現在のところ、健康被害の情報は寄せられていない。 同課によると、「クドア」による食中毒は夏場に多く発生する。多量に寄生したヒラメを、生で食べると、食後数時間で下痢や嘔吐(おうと)などの症状が出る。激しい痛みを伴うものの、早めに回復し、重症化することは少ない。