2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の整備計画を再検討する関係閣僚会議(議長・遠藤利明五輪相)の第2回会合が10日、官邸で開かれ、ラグビー・ヤマハ発動機監督の清宮克幸氏(48)ら元アスリートが招かれ意見を述べた。
長男の幸太郎(早実1年)が活躍する甲子園を引き合いに、首都東京に球技専用競技場を造るべきだと訴えた。「例えば息子がやっている甲子園は長年やってきて聖地となった。(新国立は)サッカーとラグビーを専用にやるフットボール専用スタジアムを造るべきだと提言しました。それが世界の流れ。首都圏に球技の専用スタジアムがないのはおかしい」と主張。陸上との併用に関しては「スペックが違うので、2つを追い求めると良いものにはならない」と閣僚に提言した。
一方、元陸上選手で北京五輪男子400メートルリレー銅メダリストの朝原宣治氏(43)はサブトラックの常設を主張。元サッカー日本代表の北沢豪氏、元車いすバスケットボール日本代表の根本慎志氏、元バレーボール選手ヨーコ・ゼッターランド氏も意見を述べた。
遠藤氏は、球技専用競技場となれば陸上機能は捨てなければならないとの考えを示す一方で「朝原さんはサブトラックをというお話をされた。ただ皆さんの意見を全部というのは…。取捨選択をしなければならない」と、いずれかを切り捨てる方針を明かした。
遠藤氏をトップとした新国立の再検討推進室はお盆中も休まず検討を重ね、意見の取捨選択を経て、スペックや総工費の方向性を打ち出す考えを示した。【三須一紀】