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 米航空宇宙局(NASA)は10日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の油井亀美也(ゆいきみや)宇宙飛行士らが、人工栽培したレタスを試食したことを明らかにした。宇宙飛行士がISSで育てた野菜を口にしたのは初めてという。将来の火星有人探査などの長期滞在に備えて、新鮮な食材を確保する手段になると期待されている。

 油井さんと同僚の宇宙飛行士らがレタスを味見する動画が公開された。NASAによると、レタスの種子は昨春、補給船でISSに持ち込まれ、今年7月から専用装置で栽培を始めた。発光ダイオード(LED)で植物の成長に必要な青色と赤色の波長の光をあてて育てる。収穫した半分を宇宙飛行士が食べ、残りは冷凍して地上に持ち帰り、分析するという。

 レタスをほおばった油井さんたちは「うまい」「いけるね」とにっこり。同僚のケリー宇宙飛行士は、人類で初めて月面に降り立った故アームストロング船長の名言に倣って、ツイッターで感想を発表。「1人の人間にとっては小さな一口だが、NASAの野菜栽培と火星探査にとっては偉大な飛躍だ」とつぶやいた。(ワシントン=小林哲)