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戦勝行事、出席決断で苦慮=対中重視、日米にも配慮-韓国大統領

2015年08月11日 18時26分
提供:時事通信

 【ソウル時事】韓国政府は、北京で9月3日に開かれる抗日戦争勝利70年記念行事への朴槿恵大統領の出席をめぐり、決断に苦慮している。朴政権は対中外交を重視しており、外交筋などの間では「出席に傾いている」との見方が広がっているが、出席に慎重な日米両国との関係も考慮せざるを得ない。
 2013年に朴大統領が訪中し、14年には中国の習近平国家主席が訪韓。同年11月には中韓自由貿易協定(FTA)も妥結した。日本、北朝鮮との関係が停滞する朴政権にとって、対中関係強化は「唯一の外交成果」(外交筋)と言え、中国の再三の出席要請を拒みづらいのが実情だ。今秋に韓国での開催を目指す日中韓首脳会談に、中国の協力が必須という事情もある。
 また、朴大統領が訪中を見送り、安倍晋三首相が近く訪中すれば、「韓国外交の孤立」と批判を浴びかねない。民間世論調査機関「リアルメーター」が11日に発表した調査結果では、「出席すべきだ」が51.8%で、「すべきでない」の20.6%を大きく上回った。
 一方で、戦勝行事に出席すれば、中国との「対日共闘」を印象付けかねない。日本は韓国に対し、日米韓にくさびを打ちたい中国に利用されないようにと非公式にメッセージを伝達しており、米国も慎重な判断を促しているもようだ。
 中国の上海では、独立運動家らが設置した大韓民国臨時政府の庁舎が改修中。9月3日ごろ予定される再開館式に、朴大統領が出席する案も検討されている。北京での式典に大統領が出席する場合も「再開館式出席が訪中の主目的」と説明できるようにするためだ。
 韓国が3月に中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を決めた際は、英仏独が先に参加表明していたが、戦勝行事は日米や欧州のほとんどの首脳が欠席する見通し。こうした事情から、韓国政府は「慎重に検討中」という立場を崩しておらず、最終決定は来週以降になる見通しだ。 【時事通信社】

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