大手学習塾「早稲田アカデミー」(東京)が下高井郡山ノ内町の志賀高原のホテルで開いている夏期合宿中、男子中学生約340人の貴重品が盗まれた事件で、アカデミー側が夜間も出入り自由のロビーの一角で、貴重品を段ボール5、6箱に入れて保管していたことが11日、分かった。アカデミーの山本豊取締役によると、保管場所に関係者が不在だった9日午前2〜5時ごろに盗まれた可能性があるという。中野署が犯行時間や被害金額などを調べている。
アカデミーによると、夏期合宿は首都圏中心の小中高生約1万2千人が参加し、国内最大規模。このうち中学3年生約4200人が8〜12日の日程で志賀高原の十数のホテルに分かれ、合宿している。
盗難被害は一つのホテルで発生。生徒の財布のほか、携帯電話、スマートフォン計約120台などが盗まれた。財布には3千円を目安にした土産代などが入っていたとみられる。
アカデミーは8日夕、生徒の貴重品を約50室(1室6、7人)ごとに布袋に入れて回収。ホテルロビーの一角に設けた講師待機用の「詰め所」に置いた段ボールに入れた。
講師の1人が9日午前2時ごろに最後に確認し、講師ら計18人は部屋に戻り、詰め所が無人になった。講師が9日午前7時前に段ボール内の全ての袋が無くなっていることに気付いた。ホテルによると、従業員は午前5時前からロビーと同じ階の調理場で朝食の準備をしていた。
アカデミーやホテルによると、玄関は夜間も無施錠で、詰め所は誰でも近付くことができた。フロントと玄関を撮影する防犯カメラは録画をしていなかった。
山本取締役は「本来なら貴重品はホテルのフロントに預けて管理すべきだったが、怠ってしまった。ご心配をおかけして申し訳ない」としている。