東京オリンピック・エンブレムはもう無理筋

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2015.08.10

経営・マネジメント

東京オリンピック・エンブレムはもう無理筋

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部 芸術計画学科 哲学教授

/サントリーのトートバッグのデザインの元ネタが割れてしまった以上、著作の独立性を主張するのはもはや無理。これ以上、無理を重ねると、損害額が拡大し、偽ブランド品のように廃棄処分しなければならなくなるゴミが増えるばかり。そして、最後には、だれかが責任を取って、クビを吊らなければならなくなってしまう。/


 日本の名誉をかけたイベント。1964年の東京オリンピック、70年の大阪万博、72年の札幌冬季オリンピック、そして、98年の長野オリンピック。Simple、Elegant、Sophisticated というデザインの3要素において、後世にまで高く評価されるエンブレムのデザインを、日本は世界に披露してきた。にもかかわらず、今回のドタバタは、それだけでも、あまりに見苦しい。似ている、などと、他国から物言いがついた時点で、このデザインはケガれている。事実として盗作であるかどうかはともかく、盗作を疑われていること自体が、許されざるハジだ。瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず、みずから身を律してこそ、日本のプライド。「日本人」は、ケガレを嫌い、ハジを嫌うのだ。ましてオリンピックは、フェアプレイの場。ケガれたもの、ハジであるものは、オリンピック、パラリンピックという人類の祭典、日本のハレの舞台にあってはならない。


(大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。)

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 芸術学部 芸術計画学科 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、グーテンベルク大学客員教授などを経て現職。

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