韓国の対中輸出、「メード・フォー・チャイナ」で回復図れ

 こうした状況で対中輸出に影響を与える中国発の悪材料も相次いでいる。まず中国の輸出と輸入は先月にそれぞれ前年同月比で8.3%、8.1%減少した。また、中国企業の純利益に密接に関係する生産者物価指数も7月に5.4%低下した。中国企業の収益が低下し、生産が減少すれば、中国企業に中間財を輸出する韓国企業も直撃を受ける。招商証券のアナリスト、リウ・ヤーシン氏は「中国経済のトレンドは当面変わらないのではないか」と指摘した。

 最近中国の輸出と韓国の対中輸出のデカップリング(非同調化)減少が目立つことも注目される。過去20年間は中国の輸出が増えれば、韓国の対中輸出も増加してきたが、そうした流れが絶たれた。韓国貿易協会のチェ・ヨンミン北京支部長は「中国政府が韓国の主要対中輸出品目である中間財部品の集中的に育成する一方、付加価値が劣る加工貿易の割合を政策的に減らしていることが要因だ」と分析した。

■内需市場進出と部品素材産業の競争力向上を

 専門家は対中輸出を回復させるには、対中輸出全体の60%以上を占める部品・素材産業の競争力を画期的に高めるべきだと指摘する。韓国経済研究院のハン・ジェジン研究委員は「2011年に中国政府の第12次5カ年計画が発表されて以降、中国メーカーは国産中間財の使用を増やしている。部品・素材産業に対する研究開発(R&D)投資の強化で中国製品を圧倒する競争力優位製品を開発しなければならない」と述べた。

 中間財や加工貿易への依存から脱却し、中国の内需市場を本格的に攻略することもカギだ。貿易協会国際貿易研究院のイ・ボンゴル研究委員は「製品開発とデザインの段階から中国内需市場に焦点を合わせた『メード・フォー・チャイナ戦略』で取り組むべきだ」と述べた上で、「これまでの沿海部だけでなく、成都、武漢など中国の内陸部を積極的に攻略すべきだ」と述べた。

 国際金融センターのイ・チフン中国チーム長は「中国が国家プロジェクトとして推進している一帯一路構想と中国主導のアジアインフラ銀行(AIIB)創設により、中国国内で大規模なインフラ投資が行われる見通しだ。官民合同で中国のインフラ建設事業に積極的に進出すべきだ」と呼びかけた。

李仁烈(イ・インヨル)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース