書道家 伊藤白水独自の表現による創作書道ギャラリー

創作書道見本

規格品の書から創作書道が求められる時代へ

クライアント様のニーズには、全てではありませんが規格品の書では応えられない世の中に変わってきました。
その規格品はフォント文字の増加に伴い、徐々に多くなりました。本来、蚊帳の外にあった規格品外の創作書道が重要視されてきている様に見受けられます。書道はこうでなくてはならないという概念を捨てる、そこからデザインとしての書作品が生まれると考えられます。書作品を活かす為に必然的にグラフィックデザインを求める場合もあります。また、グラフィックデザイナー手がけた作品に融合した書作品に仕上げることを必要とする場合も多々あります。書作品はアナログの世界一辺倒だったのが、デジタル化が進むにつれて文字の結体により商品等のイメージを違った角度で表現しようとします。その為にデジタル化が進むと必然的にフォント文字の種類が増えてくると思われます。書道展においては主役とされていた作品は大衆の目を遠ざけ、デザイン文字に変わりつつある様に思います。つまり、人の心に訴えるのに規格外作品が求められるようになったと思っております。
規格外作品が人目を引く様になり当然、額装の形態も変わりました。掛け軸にしても、書作品の背景の色は茶系統が主と考えられた時代も今や風化しつつあり、創作書道作品に合った掛け軸が目立つ様になりました。この様に書作品を取り巻くものは変化し、筆文字そのものも感情・感覚・「らしさ」の表現を求められる時代に入りつつあり、これからは習字と書道の区別が益々ハッキリしていくことだと思っております。

激しさ

「激流」
この書作品を制作するにあたって、はじめに心を高ぶらせました。ただ叫びたい心境までに心を高ぶらせ、今まで培ってきた書の道を頼りに一心不乱に書きました。そこには綺麗さや書道家としての技法等、全て意識しませんでした。書くまでに10分ほど集中するのに時間がかかりましたが、書き始めたら僅か20~30秒で終わりました。作品を仕上げるのに私が大事にしていることは「らしさ」です。問題なのは書いている時間ではありません。書くまでの心の準備の時間なのです。わずか1文字であっても数日経っても書けない場合が多々あります。書作品制作で大事なことは、どの様な心で運筆するかだと思います。
激流を激しく書いた文字

流動的

「宵桜」
たまに、流動的でどっしりと力強い書作品揮毫のご依頼を受けることがあります。この作品は流動的な表現にするために風舞書の手法を用い、またどっしりとした力強さを表現するのに筆先に筆圧を加えて要所要所に思いきり筆を沈めて送筆しました。尚、桜木としては樹齢の長い大木をイメージしましたが、桜の美しさも見失ってはいけないと思い気脈・筆脈は最後まで貫きました。
宵桜という言葉を書道家伊藤白水独自の書風である風舞書の手法を用いて書いた作品

情熱的

「卑弥呼」
卑弥呼とは、「情熱的で神懸かり的な人物」そんなイメージがあります。隷書体の八分の波磔の部分や、はねの部分に思い切って長い飾りをつけ、情熱的かつ神懸かり的なアート書道に挑戦してみました。
卑弥呼という名前を情熱的なイメージで揮毫した創作書道作品

美しさ

「あまの原 ふりさけ見れば かすがなる みかさの山に いでし月かも」
かな書道の美しさは連綿・文字の大小・墨の濃淡・気脈・筆脈・太い細いの変化等にあります。美しさだけを追求した場合、万葉仮名を多用すべきであったと思いますが読めない字を書いて美しいと言われるよりも、読める範囲内で書くことを心掛けています。書道家に限らず、かな書道を身につけようとする方々は万葉仮名に魅了されます。その意味で、この作品は美しさには物足りないと思いますが、あくまでも読める文字を私は大事にしています。
百人一首で知られる阿部仲麻呂の句 「あまの原 ふりさけ見れば かすがなる みかさの山に いでし月かも」を書道家である伊藤白水が書いたかな書道作品

力強さ

「ZIGUZAGU」
昔と違い、現代は書道家に求められる書風や書体は幅広くなりました。巷に溢れる筆で書かれた文字にはアルファベットが大変多くなりました。そして、クライアント様からの要望に応えるべく書道家として仕事をする人は古典だけでなく、独創的な文字が要求される様になりました。伝統的な筆文字は自然発生的に国際化の波の中で息吹いています。この「ZIGUZAGU」は力強く変化に富んで、しかも世界に向けて和の文化を感じて頂ける様、筆ならではの味わいのあるものに仕上げたいと思いました。技法としては側筆で提按・頓挫を多用してバラエティーに富んだ作品にしました。
ZIGUZAGUというアルファベットの文字を、書道家である伊藤白水が書いた書道作品ZIGUZAGUというアルファベットを力強い表現で創作した書作品

厳しさ

「宮本武蔵」
厳しさを表現するのに、直線でまとめた方が良いと思います。この書作品は行書の要素を多分に取り入れながらも、鋭い起筆や収筆と迷いのない送筆を用いることによって厳しさの表現としました。
書道家の伊藤白水が厳しさの表現で宮本武蔵という名前を書いた作品宮本武蔵という名前を厳しい表現で縦書き2行でまとめたロゴデザイン

古風

「西狭頌」伊藤白水節臨
私は古風な書体は何かと聞かれたら、隷書体と答えます。現在、通常使われている文字は楷書体や行書体が主です。どう見ても、古風には感じません。
漢代の西狭頌を書道家の伊藤白水が節臨した掛け軸作品

穏やかさ

「穏やかな暮らし」
仕事のご依頼があった場合は、2案を提案することにしています。その中で、穏やかな表現をご希望の場合はこの様な創作書道作品を好んで頂ける方が多くいらっしゃいます。「書道家」であることを忘れ、ただ露鋒を使わないことを心がけています。
書道家が穏やかな暮らしという文言を穏やかさの表現穏やかな暮らしという文言を穏やかな表現を試みて書いた創作書道の作品

素朴さ

「雪国のあぜ道」
素朴さを筆で表現するなら結体と筆遣いにあります。結体はかしこまらずに、筆遣いは気取らずに、この2点を中心に書道作品創りを進めています。時として筆のてっぺんを持ち、筆任せに書く場合や利き腕でない腕を使う場合もあります。
素朴な表現で雪国のあぜ道という文言を筆文字で仕上げたロゴ

寂しさ

「ちるさくら のこるさくらも ちる桜」
松尾芭蕉のこの句は、桜の散る様を寂しく無常に表現しています。この句の意味を私なりに創作書道として表現するなら
1.空間の白い部分を広く
2.細い線で
3.文字の大小をつけて
4.風に散る花びらを意識して
この4つをポイントとして揮毫しました。
書道家の伊藤白水が松尾芭蕉の句を寂しさの表現で制作した創作書道
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