山の膨張「収まる方向」 箱根、沈静化を示唆 噴火予知連藤井会長

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箱根山の状況について説明する藤井会長=横浜市中区

 国の火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は10日、横浜市内で開かれた神奈川政経懇話会の定例講演会で、活発な火山活動が続く箱根山(箱根町)の山体膨張について「最近は収まる方向を示している」との見解を明らかにした。気象庁や県温泉地学研究所もほぼ同様の見方で一致しており、地下でマグマの圧力が低下している可能性がある。

 箱根山の地下約10キロ付近には、火山活動の源である「マグマだまり」がある。マグマの圧力が高まると山が膨らみ、火山性地震の増加や噴気異常などにつながるとみられており、膨張が収まれば火山活動が終息すると考えられている。

 藤井会長は山体の膨張を捉えた地殻変動のデータを示し、「ここ1~2週間はあまり延びが進んでいない」と分析。「まだ収まりきってはおらず、もうしばらく推移を見る必要がある」としながらも、今後の活動については「このまま静かになっていく確率の方が高い」との認識を示した。

 温地研も「山全体の膨張傾向は一部の観測地点で継続しているものの、8月に入り全体としては鈍化が認められる」と説明。「今後も注意深く監視していく」としている。

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