レスポンシブデザインは万能ではない!ターゲットによって使い分けが必要
サイト運営者なら、モバイルサイトとスマホサイト、デスクトップサイトのURLをどう展開すべきか悩むところです。
今、話題のレスポンシブデザインがSEOにとって万能であるという話が巷で見受けられますが、実はSEOのリスクがなくなるわけではないことをご存知でしょうか。
サイト運営者はそれらを理解した上でレスポンシブデザインを採用するかを決めるべきでしょう。
今回は、巷でよく言われている「レスポンシブデザイン万能説」側の人がよくいう例とそれらに対する検証をします。
レスポンシブデザインが持つSEOの利点を掘り下げる
レスポンシブデザイン以外にGoogleがサポートする、モバイル設定の動的配信やモバイル向けURLの設置という方法があります。
Googleがレスポンシブデザインの利点とする点も含め、この3つのモバイル設定についての利点と欠点を見ていきましょう。
1. レスポンシブデザインはGoogleが推奨している
Googleは、モバイルガイドにて「Google では、デザイン パターンとしてレスポンシブ デザインを推奨しています」と断言しています。
レスポンシブデザインは、Googleがサポートする3つの選択肢の1つで、他の2つとは動的配信とモバイル専用URLの設置です。
また、フィーチャーフォン(ガラケー)向けコンテンツをレスポンシブデザインとすることは推奨しない、と断言しています。以下のとおりです。
スマートフォン ユーザーに配信するサイトでは、可能であればレスポンシブ ウェブ デザインを採用することをおすすめします。ただし、フィーチャーフォンには CSS メディア クエリに従う機能がないため、フィーチャーフォンに配信する場合、動的な配信か別個の URL を使ってフィーチャーフォン用のコンテンツを配信するようにサイトを設定する必要があります。
フィーチャーフォン - ウェブマスター向けモバイルガイド
フィーチャーフォン(ガラケー)に対しては、動的配信か専用のURLを作ってコンテンツを展開する必要があると明言しています。
日本でのフィーチャーフォン(ガラケー)のシェアを知る必要があります。
これはITmediaが発表した日本におけるスマートフォンとフィーチャーフォン(ガラケー)のシェアの表です。
これを見ると、毎年1000万台程度の出荷があることが分かります。フィーチャーフォンを購入しているユーザー層にも理解を広げてみましょう。
この図は、ケータイWatchが発表しているフィーチャーフォンの利用者像です。
40歳以上になると、フィーチャーフォン(ガラケー)のシェアが50%を超えているのが分かります。
40代以上のユーザーが利用するサービスなどはレスポンシブデザインを使用することで、それらのユーザーに最適なユーザー体験をさせることができなくなってしまうことを理解しなければなりません。
CanlUse.comによると、レスポンシブデザインを支えるCSS3メディアクエリは、95.84%のブラウザでサポートされています。
ここにおいて大半の専門家にとってリスクはほとんどありません。
でも、Googleのガイドラインに従いながら、スマートフォンとフィーチャーフォン(ガラケー)の双方からアクセスできるコンテンツを作るには、動的配信かモバイル用URLの設置のいずれかを選ぶしかないのです。
Googleが推奨することには大抵、検索順位において利点があるということになります。つまり、レスポンシブデザインが他のモバイル設定よりもその点で利点があるはずです。しかし、GoogleのGary Ilyesは、3月のSMXWESTにて、この噂を否定しています。
Ilyesは、GoogleがモバイルSEOソリューションとしてレスポンシブデザインを推奨したのは少し早すぎたかもしれない、といっています。あの時点で、Googleにとってうまく機能したから他の誰にでも機能するはずと考えた、とのことです。また彼は、レスポンシブデザインを必ずしも使う必要はなく、他の選択肢も同じように機能する、とも言っています。
2.レスポンシブデザインなら、コンテンツが重複する恐れがない
レスポンシブサイトを作るのなら、モバイル用とデスクトップ用のどちらのサイトでもURLが同じです。
Googleはコンテンツがそれらのどちらか判断するステップが要りません。
しかし、モバイルURLの設置か動的配信を選ぶ場合には、対象ユーザー特定のためGoogleから別の方法が提供されています。
モバイル用URLを設置する場合、双方向アノテーションがそれにあたります。
動的配信ならいわゆるvary、 ユーザーエージェントHTTPヘッダのことです。これらの方法により、コンテンツ重複のリスクはなくなります。
3.レスポンシブデザインなら、リダイレクトがなくページ表示遅延がなくユーザーをイライラさせない
リダイレクトのトラブルはGoogleがよく目かける平凡なミスで、モバイル用URL設置か動的配信のいずれかの設定でしか起こりません。
また、単なるページ表示時間に加え、ユーザーが見たいコンテンツが表示されるまでさらに長時間待つことになります。
これらはすべて理論上の話で、実際は最高によくできたレスポンシブサイトでも画像処理がうまくいかないことがあります。
最近の調査では、69%のレスポンシブサイトで、スマートフォン上での表示に4秒以上かかっています(Google推奨は、モバイルでのスクロールなしで見える範囲のコンテンツ表示で1秒以下です)。
最新のテクニックでこの問題は解決できますが、このようなトップサイトのパフォーマンスが低いことを見るに、レスポンシブデザインだからといって、モバイルデバイス上でのページロード時間が速いとは限りません。
the Search Agencyのデータによると、モバイル専用サイトはレスポンシブデザインサイトよりも平均的に速いということが言えます。速いレスポンシブサイトも作れますが、より一般的なのはモバイル専用サイトのほうです。
スキルの高いSEO実践者と開発者は、動的配信かモバイル用URLへのリダイレクトかにかかわらず、1秒未満で表示できるようページを作成できます。
4.Googleは、複数のサイトをクロールしなくて済むため、レスポンシブデザインならインデックスが増える
これは事実ですが、別の方法を使えばこの点は怪しくなります。
なぜなら、Googleはページが重複しているかどうか理解できるからです。さらに、どのモバイル設定を使うかに関わらず、サイトマップを作る等のほかの方法でも、多くのページを短時間でインデックスすることができます。
5.レスポンシブデザインは、URLが1つのためコンテンツの共有とリンクを簡単にできる
これはモバイル用URLの設置にのみいえることです。動的配信はURL1つですので、Googleはこれをレスポンシブ推奨の理由の1つだといっています。
でも、正しくリダイレクトをつかえば、この点も怪しくなります。
6.レスポンシブデザインは対になるデスクトップ用または、モバイル用ページの存在を知らせる必要がなく、Googleアルゴリズムが各ページのプロパティを正確にインデックスしやすくなる
たしかにそうですが、次の策を使えばこの点も怪しくなります。
双方向アノテーションまたはVary HTTPヘッダーのいずれかを使えば、Googleのアルゴリズムが正確にインデックスプロパティをページに適用する手助けをします。
つまり、レスポンシブデザインにこの点で利点があるとはいえません。
7.レスポンシブデザインは、同じコンテンツで複数ページをメンテナンスせずに済むので、開発時間が少なくて済む
コンテンツマネジメントシステムがあれば、1つのコンテンツを作成して別々のURLへのパブリッシュができるため、この指摘はまったく当てはまりません。
複数のページを手でコーディングしているブロガーならば、レスポンシブのWordPressテーマを使うのがもっとも楽でしょう。
でも、モバイル用URLの設置や動的配信を使っていたとしても、それで効率が悪くなることはありません。いずれにしてもSEOへの固有のリスクとはなりません。
8.レスポンシブデザインなら平凡なミスでモバイルサイトに問題を起こす可能性が減る
Googleは、問題が「減る」と言っており、なくなるといってるわけではないというところに注意しましょう。平凡なミスの大半は、レスポンシブデザインでもよく起こることです(例えば、コンテンツが動かないなど)。
むしろ、レスポンシブデザインのほうが起こりやすいものもある(モバイルページが遅いなど)、というデータもあります。
さらに、Googleの挙げる平凡なミスのリストを頭に入れておくべきでしょう。
そんなミスがリダイレクトやモバイル専用サイトと関係しているのは、モバイル専用サイトのほうがレスポンシブデザインより数が多いからというのが大きな理由の1つです。Akamaiによれば、レスポンシブデザインは、トップ10,000サイトのうちたった18.7%だそうです。
最も大事なことは、このようなミスの撲滅は、Googleがサポートするモバイル設定をどれでも使いこなすプロのSEO実践者やWEB開発者によるものであり、単にレスポンシブWEBデザインだからというわけではないのです。
動的配信とモバイル用URL設置には、レスポンシブにはない利点がある
Googleなどが推奨するレスポンシブの考え方には賛成です。
レスポンシブデザインは、モバイルウェブデザインとSEOにおける、マクドナルドのチーズバーガーのようなものです。
費用がかからず、大半の人が好み、やりたいことができます。まだスキルのない16歳でも、ひどい失敗をすることはありません。
しかし、レスポンシブデザインを使えば万能というわけではないですし、彼らが推奨する理由も実はそこまでのものではないということが前述したものからも分かるのではないでしょうか。
ターゲットに合わせて、どの配信方法でいくのかしっかりと考えていきたいましょう。
この記事は、Marketing Landに掲載された「Responsive Is The McDonald’s Cheeseburger Of Mobile SEO」を日本向けに意訳し加筆した内容です。
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