韓国大統領府の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は10日、中国・北京で来月3日に行われる「抗日・反ファシスト戦争勝利(戦勝節)70周年記念行事」と関連、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が出席するかどうかについて「諸般事項を考慮し、慎重に検討している」と述べた。
「諸般事項」とは何なのかを問われると、閔報道官は「上海の大韓民国臨時政府庁舎再開館式などがあるが、いろいろなことを検討している」と答えた。これは、朴大統領が北京の戦勝節記念式典と上海臨時政府庁舎再開館式を結び付けて訪中を決めるだろうという意味と受け止められている。大統領府関係者は「8月15日の光復(日本の植民地支配からの解放)70周年行事の後、早ければ来週後半あたりに朴大統領が出席するかどうか決まるだろう」と語った。
これと関連、大統領府が先日、関係部処(省庁)に上海での行事に関して報告するよう指示していたことが分かった。政府関係者は「朴大統領が上海臨時政府庁舎の再開館式に出席するかどうかを決めるのに、その報告書を使うと聞いている」と言った。
上海臨時政府庁舎は、韓国独立運動史の象徴的な場所だ。だが、建物が古くなり、資料も展示されてから10年を越えていることから、改修の必要性が取りざたされていた。国家報勲処(省庁の一つ)の朴勝椿(パク・スンチュン)処長が昨年、中国側に要請して改修が実現することになり、9月4日ごろあらためて開館される予定だ。臨時政府庁舎の再開館は光復70年記念事業推進委員会の中核事業の一つであり、中国政府も韓中友好や歴史交流事業の一環として庁舎改修作業に積極的だ。上海では再開館式に合わせた韓流公演なども行われると伝えられている。
上海臨時政府は1919年4月に上海で設立されたが、その後は日本の厳しい弾圧を避けて杭州(1932-35年)、南京(1935-37年)、長沙(1937-38年)、重慶(1940-45年)などに庁舎を移して独立運動を展開した。
一方、閔報道官は「中国の軍事パレードに朴大統領が出席しないよう、米国が外交ルートを通じて韓国政府に要求した」とする前日の共同通信社報道について、「事実でない」と否定した。米大統領府も同日、「我々は朴大統領に中国で来月行われる行事に出席するなとの意向を表明したことはない」と述べた。