川内1号機、再稼働 再稼働反対根強く重要課題も山積
2015年8月11日10時55分 スポーツ報知
九州電力は11日午前、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を起動し再稼働させた。14日に発電と送電を開始する。2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、新規制基準に基づく審査に合格した原発の再稼働は全国で初めて。国内の全ての原発が停止する「原発ゼロ」状態が終わったが、再稼働反対の世論は根強く、原発から出る「核のごみ」問題など重要課題も山積している。
原発の稼働は、電力不足を理由に12年7月から13年9月まで一時的に運転した関西電力大飯原発(福井県おおい町)の停止以来約1年11か月ぶり。
川内1号機は11日夜、核分裂反応が安定的に持続する「臨界」に達する見通し。約4年3か月という異例の長期停止後の再稼働だけに、原子力規制委員会は「いろいろなトラブルが想定される」(田中俊一委員長)として九電に万全の態勢を取るよう求めている。
九電は7月10日に川内1号機の原子炉に核燃料を装填(そうてん)する作業を完了しており、この日は核分裂を抑えるために入れられていた制御棒を引き抜いて原子炉を起動。9月上旬に営業運転を開始する予定で、川内2号機も10月中旬の再稼働を目指している。
国内の原発は福島第1原発事故を受けて全て停止。12年7月、関電管内の電力不足を理由に政治判断で大飯3、4号機が再稼働したが、13年9月の定期検査入りで再び全て停止した。
九電は13年7月、川内1、2号機の再稼働に向けた審査を申請した。規制委は優先的に審査し、14年9月に「合格第1号」となった。