【上海=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)は11日、人民元の取引の基準となる基準値(中間値)の算出方法を変更すると発表した。これに伴い人民銀は11日の基準値を前日から2%切り下げた。事実上の人民元切り下げにより低迷する輸出競争力の回復を目指す。
基準値の切り下げを受けて、11日の上海外国為替市場で、人民元は対ドルで1ドル=6.253元と急落して始まった。前日終値は1ドル=6.2097元だった。想定外の切り下げで、市場では取引時間中に一時6.3元を超える場面があった。
人民銀は声明で「人民元の基準値と市場の為替レートとの乖離(かいり)が大きくなっており、基準値の地位に対する影響が大きくなっていた」と変更理由を説明した。人民元の基準値は従来、銀行から毎朝報告される為替レートをもとに人民銀が決めていた。今後は市場の前日終値などを参考に決めるという。
中国国務院(政府)は7月24日、貿易促進策の一環として人民元の変動幅を一段と拡大する方針を表明し、人民銀など関係機関に具体的な検討を指示していた。
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