箱根山・大涌谷(神奈川県)が噴火したのかどうかをめぐる気象庁の判断に、「分かりにくい」と批判が上がっている。6月には「土砂の噴き上げ」としていた見解を1日で覆し、7月は「噴火ではないとは言わない」と曖昧な表現も。同庁は「データの蓄積が乏しく手探りの部分がある」と説明するが、専門家は「命を守るのは素早い判断。自信を持ってぶれない姿勢を」と求めている。(SANKEI EXPRESS)
「噴火ではないとは言わないが、噴火として記録しない」。7月21日、大涌谷の監視カメラが高さ約50メートルに上る灰白色の噴煙を捉えた。火山灰の噴出も確認されたが、気象庁は発表時「ごく小規模な現象」と説明。記者団の一部から「噴火では」と繰り返し質問を受けると、最終的に「噴火ではないとは言わない」と答え、曖昧さを残した。
6月には見解が一転した。29日、1キロ以上離れた場所で灰のような降下物を確認したのに噴火を否定し「土砂の噴き上げ」と発表。翌日になって「火口付近に火山灰が堆積していた」として「噴火」と変えた。
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