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 黒人少年が白人警官に射殺された事件から9日で1年を迎えた米ミズーリ州ファーガソンで、再び混乱が広がっている。追悼集会後に一部の参加者が暴徒化。黒人少年が警官に撃たれて重体になり、抗議活動が再燃した。ファーガソンを所管するセントルイス郡は10日、非常事態を宣言した。

 ファーガソンでは昨年8月、マイケル・ブラウンさん(当時18)が白人警官に撃たれて死亡。地元の大陪審がこの警官を不起訴としたことから、人種差別が背景にあるとして全米に抗議活動が広がった。

 CNNテレビなどによると9日、事件の追悼集会が開かれ、多くの市民が参加した。しかし夜になって一部が商店を襲うなどし、午後11時を過ぎると銃の発砲も始まった。逮捕者も相次いでいる。

 この混乱の中で黒人のタイロン・ハリスさん(18)が警官に撃たれて重体となった。ハリスさんはブラウンさんの友人で、抗議活動に参加していたという。ハリスさんの親族は否定したが、地元警察は、ハリスさんが先に警察車両に向けて何度も発砲したと発表した。現場からは盗品の半自動式の銃が見つかったという。(ニューヨーク=金成隆一)

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