河原田慎一
2015年8月11日03時03分
海外に住む被爆者に対し、被爆者援護法に基づく医療費の支給を認めた大阪高裁判決が確定する見通しとなった。最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)が、高裁判決を見直す際に必要な弁論を開かず、9月8日に判決を言い渡すことを決めた。広島、長崎地裁での同種の訴訟では、支給を認めない判決が出ており、これらの訴訟にも影響を与えそうだ。
原告は、広島で胎内被爆した李洪鉉(イホンヒョン)さん(69)と被爆者の遺族2人。いずれも韓国に住む。李さんらは被爆後、大阪府から被爆者健康手帳を受け取り、肺炎などの医療費を申請したが、府は2011年3月に却下。このため、3人は処分の取り消しを求めて同年6月に提訴していた。
昨年6月の二審・大阪高裁判決は、同法について「国内に住んでいることを医療費支給の要件としていない」と指摘。海外にいることなどを理由に申請を却下した府の処分を一審と同様に違法と判断し、処分を取り消した。府がこれを不服とし、上告していた。
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