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 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画の白紙撤回をめぐり、安倍晋三首相は10日の参院予算委員会で、すでに支払い済みの60億円余りの公費がムダになることについて「申し訳ないという思いだ」と陳謝した。

 民主党の蓮舫元行政刷新相が、当初計画の設計費用などが返ってこない点をただした。下村博文文部科学相も「謙虚に反省しておわびする」と述べた。

 蓮舫氏は下村氏の辞任も迫ったが、首相は「オリンピックを成功させる責任は、最終的には行政府の長である私にある」と断言。「下村大臣も新しい案をしっかり作成し、オリンピックを成功させることで責任を果たしていきたいと決意している」と語り、更迭する考えはないとした。

 この日は、政府の関係閣僚会議も開かれ、各競技を代表する元アスリートら5人や東京都の舛添要一知事らと意見を交わした。政府はこうした意見を参考に、9月上旬までに具体的な総工費を示した整備計画をまとめる方針で、五輪開催時の8万人規模は維持しつつ、開閉式屋根は設置しない方向で調整している。次回14日の関係閣僚会議では、計画の基本方針を取りまとめる予定だ。