記事詳細
下田沖で特攻潜水艇「海龍」発見 2本の魚雷装備が…物資不足で“特攻兵器”に
旧日本海軍の2人乗り特攻潜水艇「海龍」とみられる船体が静岡県下田市の下田港灯台沖約250メートルの海底で見つかった。地元の海底調査会社「ウインディーネットワーク」が10日明らかにした。
海龍は旧海軍が太平洋戦争末期に開発。当初は魚雷を2本装備する予定だったが、物資不足から敵艦に体当たりする「特攻兵器」となった。本土決戦を念頭に約220隻が建造されたという。
見つかった潜水艇は長さ約17メートル、幅約1メートルで、水深約35メートルに沈んでいた。ウインディーネットワークは戦後70年の節目に今月4日から、地元住民の情報をもとに周辺海域を音波で探索。5日に船影を確認し、水中ロボットカメラで撮影して潜水艇の姿を捉えた。
同社によると、潜水艇は昭和20年8月13日ごろ、神奈川・横須賀から静岡・沼津にある基地に向かった海龍4隻のうち、下田に寄港する際に岩場で座礁した1隻の可能性が高いという。引き揚げが可能か今後検討する。