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14火山に「噴火警報」や「火口周辺警報」
8月10日 22時10分

気象庁は10日、全国の活火山の7月以降の活動状況や、警戒すべき事項について概況を発表しました。噴火が発生したり火山活動が高まったりしているとして、全国の14の火山に「噴火警報」や「火口周辺警報」が発表されています。

口永良部島 「噴火警戒レベル5」を継続

今後の噴火によって居住地域に重大な被害を及ぼすおそれがある噴火警戒レベル5の「噴火警報」は、鹿児島県の口永良部島に発表されています。
口永良部島ではことし5月29日に爆発的な噴火が発生したほか、6月にも再び噴火が発生し、現在、すべての住民が島外に避難しています。その後、噴火は起きていませんが、火山性地震が7月は155回発生するなど、火山活動が活発な状態が続いていて、引き続き厳重な警戒が必要です。

「火口周辺警報」は12火山

今後の噴火によって、火口周辺や居住地域の近くに影響が及ぶおそれがある「火口周辺警報」は12の火山に出されています。
「火口周辺警報」が発表されているのは、▽北海道東部の雌阿寒岳、▽福島と山形の県境にある吾妻山、▽群馬県の草津白根山、▽長野と群馬の県境にある浅間山、▽神奈川県の箱根山、▽長野と岐阜の県境にある御嶽山、▽熊本県の阿蘇山、▽宮崎と鹿児島の県境にある霧島連山の新燃岳、▽鹿児島県の桜島と諏訪之瀬島、▽それに小笠原諸島の西之島と硫黄島です。

「噴火警戒レベル3」は2火山

「火口周辺警報」が出ている火山のうち、箱根山と桜島では、入山規制などが必要とされる「噴火警戒レベル3」が発表されています。
<箱根山>
箱根山では6月30と7月1日に大涌谷でごく小規模な噴火が発生していたことが確認され、その後も火山性地震の多い状態が続いているほか、山が僅かに膨らむ地殻変動も観測されています。箱根山では、引き続き大涌谷からおおむね1キロの範囲で、噴火に伴う噴石などに警戒が必要です。
<桜島>
桜島では、7月も昭和火口で爆発的噴火が14回発生したほか南岳の山頂火口でも、7月16日と8月3日にごく小規模な噴火が発生しています。地殻変動の観測では、山体が膨張した状態となっているほか、GPSの観測では、鹿児島湾奥部の「姶良カルデラ」が膨張していることを示すと考えられる変化が続いています。
桜島では多くの火山灰を噴出する噴火が発生する可能性があり、引き続き火口からおおむね2キロの範囲では、噴石や火砕流に警戒が必要です。

「噴火警戒レベル2」は8火山

火口周辺への立ち入りなどが規制される「噴火警戒レベル2」が発表されているのは、雌阿寒岳、吾妻山、草津白根山、御嶽山、浅間山、阿蘇山、霧島連山の新燃岳、諏訪之瀬島の8つの火山です。
<雌阿寒岳>
北海道東部の雌阿寒岳では、7月下旬にポンマチネシリ火口付近の浅い場所を震源とする火山性地震が多い状態が続き、火口付近で地表の温度が高い場所が拡大していることが確認されました。このため気象庁は7月28日に「火口周辺警報」を発表し、「噴火警戒レベル」をレベル1からレベル2に引き上げました。
雌阿寒岳では火山活動が活発になっていて、ポンマチネシリ火口からおよそ500メートルの範囲では噴火に伴って大きな噴石が飛ぶおそれがあり、警戒が必要です。
<御嶽山>
去年9月に噴火した御嶽山では、去年10月中旬以降噴火は観測されていませんが、7月20日に去年11月以来となる火山性微動が観測されました。御嶽山では火山活動が低下した状態が続いているものの、去年9月より規模の小さな噴火が突発的に発生する可能性があり、火口から1キロ程度の範囲では、噴火に伴う噴石に警戒が必要です。
<浅間山>
ことし6月にごく小規模な噴火が発生した浅間山では、山頂火口の浅い場所を震源とする火山性地震が、7月には2201回観測されるなど、火山活動が高まった状態が続いています。浅間山では今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生するおそれがあり、引き続き山頂火口からおおむね2キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒が必要です。
<阿蘇山>
阿蘇山の中岳第一火口では、8月8日にことし5月以来となる噴火が発生し、噴煙が火口から600メートルの高さまで上がりました。阿蘇山では火山活動が活発な状態が続いていて引き続き、火口からおよそ1キロの範囲では噴火に伴う噴石に警戒が必要です。
<諏訪之瀬島>
諏訪之瀬島では断続的に噴火が発生していて、7月下旬にも小規模な噴火が発生しました。御岳火口からおよそ1キロの範囲では、小規模な噴火に伴う噴石に警戒が必要です。

海底火山に「噴火警報」

小笠原諸島の近海にある海底火山の福徳岡ノ場では、周辺の海域で警戒が必要な「噴火警報」が発表されています。

「噴火警戒レベル1」も注意

全国の活火山の中には、警報が発表されておらず、噴火警戒レベルがレベル1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはなく、気象庁や自治体が発表する情報に注意が必要です。
<十勝岳>
十勝岳では7月先月中旬に62-2火口付近の浅い場所を震源とするごく小さな火山性地震が一時的に増加したほか、山のふもとで体に揺れを感じる地震がおよそ2年半ぶりに観測されました。十勝岳では、長期的に火山活動が高まる傾向があり、引き続き今後の活動の推移に注意が必要です。
<霧島連山の硫黄山>
霧島連山のえびの高原の硫黄山周辺では、7月5日と26日に、地下の浅い場所を震源とする火山性地震が一時的に増加し、7月1か月間で合わせて60回と、6月の18回から大幅に増加しました。7月26日には、去年8月以来となる火山性微動も観測され、引き続き噴気や火山ガスなどの突発的な噴出に注意が必要です。

ホームページなどで確認を

各地の火山活動の状況や注意点などは、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。

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