中国:抗日戦勝記念行事 朴大統領の出席要請強める
毎日新聞 2015年08月10日 21時35分(最終更新 08月10日 23時15分)
【北京・石原聖】中国は、9月3日に北京で開く抗日戦勝記念行事に、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領以外にもロシアのプーチン大統領や安倍晋三首相を含めた50カ国以上の首脳を招待している。特に、日本の植民地支配を受けた韓国の首脳参加は重視。5日にマレーシアで韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談した王毅外相が朴大統領の出席に期待感を表明するなど、働きかけを強めている。
10日付の国際情報紙・環球時報は、記念行事に朴大統領が参加するかどうかに関する論評を掲載。「あの戦争中に苦難を共にしたのだから、朴氏は来るだろうと普通の中国人は思っている」と指摘。米国が参加しないよう韓国に働きかけたと日本の一部報道機関で報じられたことに触れ、「誰が訪中するか、日本は中国よりも心配している」と日本を批判した。
中国は同時に、安倍首相が14日にも発表する戦後70年談話についても、韓国と歩調を合わせる形で「戦争責任の明確化」を求める姿勢を見せている。
王外相は6日、外遊先のマレーシアで「(安倍談話の)焦点は、あの戦争が一体どのような性質のものだったかだ。侵略と認めるのか、それとも、その点をあいまいにするのか。植民地支配なのか、植民地支配の事実と向き合いたくないのか。これが核心的な内容だ」と語った。
7月に訪中した谷内(やち)正太郎国家安全保障局長と会談した李克強首相も「日本側がアジアの被害国の懸念に真剣に臨む」よう求めている。日中関係に詳しい清華大学国際問題研究所の劉江永・副所長は「侵略や植民地支配に対する深い反省に立ったうえでおわびの意や隣国への配慮が表されるかが重要だ」との見方を示した。