今すぐ修正するべき、コンテンツマーケティングの五つの神話
この記事は、Search Engine Watchに掲載された「5 Content Marketing Myths To Correct Now」を翻訳した内容です。
コンテンツマーケティングを取り巻く状況はますます加速しています。アメリカの話ですが、2019年までにコンテンツマーケティングは現在の2倍を超え、542億5000万ドルの市場を獲得すると予測しています。
少なくともLinkedInでは、それがトレンドになっているのが見てとれます。検索、ソーシャル、広報やデジタルマーケティングの担当者たちは、プロフィールを書き換え、ひっきりなしにアップデートしています。誰もがコンテンツ全盛時代の一端を担っている、と言えそうです。
今のデジタル社会におけるコンテンツとその利用方法に関しては、戦略的にも戦術的にもたくさんの神話が存在します。しかしその実体は、問題解決を求める状況から生まれた、コンテンツに対する新たな妄想といえます。
コンテンツの概念全体を貶めて商品化してしまうとそこから派生する結果は、クオリティー、成果、そして一番大切なエンドユーザーに影響します。
※リンク先は全て英語になります。
質VS量――厳しい現実と大きな期待
Content Marketing Instituteによると、全組織の86%がコンテンツマーケティングを使っているというデータがあります。しかし、コンテンツのROIで成功を収めたと言っているのは、わずか21%にすぎません。デジタルマーケターやコンテンツマーケターは岐路に立たされます。つまり、コンテンツの予算を正当化するために、実績の評価やパフォーマンスの改善の腕を磨かねばならないのです。
一方で多くのマーケターたち、とりわけコンテンツSEOをベースにしている場合は、サーチの向上を目的としてより多くのコンテンツを作ることに集中し、コンテンツマーケティングが熟練を要する専門性の高い分野であることを忘れてしまいます。
本来のコンテンツマーケティングとは人間の創造性やビジネスにおける洞察力、ブランディングやメッセージングを含んだものなのです。結果として、多くの組織が短期のページビュー目標を達成するために、本来の意図を忘れ、ブランドを確立し損ね、ターゲットを外すことになるのです。
The Economist Groupによる調査によれば、多くの組織はコンテンツのゴールと目的を定義し、理解する時点で基準が揃わなくなります。
例えば
- 経営陣はコンテンツを評判や独自性を基準にして判断する。
- マーケターは売上に直結するパフォーマンスに主眼を置く。
のように。
真剣にコンテンツマーケティングの成果を改善したいと考えるなら、コンテンツの組織での役割を、複数の目標に照らしてじっくり考えなくてはなりません。ひとつの目標にだけ集中すると、結局はコンテンツスパムに手を染めたり、無駄な指標を達成しようとすることになります。
例えば、クリックを誘うネイティブ広告はブランド認知に良い影響を与えるでしょうか?
多くのコンテンツマーケターがそれっぽく記事を書き、あらゆる媒体を席巻することを狙っています。しかし、そのコンテンツにはアナロジー以上のものはまったくありません。クリック数のことはしばらく忘れて、以下のことを自問してみましょう。
- それは読者やユーザーのどんな役に立つのか? ブランド認知の観点ではどうか?
- それはブランドを正しい方向に導くか? 企業向けのマーケティングをしているのに、消費者向けの戦術を使っていないか?
- コンテンツの中長期的な目的はなにか? 読者にとっての他と違うバリューポイントはなにか?
- あなたの作ったコンテンツは本当に、コミュニティや業界の役に立っているだろうか?
コンテンツマーケティングの5大神話
優秀なコンテンツクリエイターの多くは本質的にクリエイティブで、彼らの思考は戦略的、かつ包括的です。彼らはサーチとソーシャルを活用し、コンテンツの宣伝と流通に役立てます。賢い組織は、コンテンツを(少なくとも大切な部分は)単純に商品に結び付けはしません。そしてコンテンツマーケティングのプランと部門をどのように構築するかを熟考し、スタッフの才能を使いこなし、コンテンツのパフォーマンスを評価するためにいくつもの目標を整理し、設定します。以下では私の経験に基づき、コンテンツマーケティングの今すぐ修正するべき、五つの一般的な神話を取り上げます。
神話1:コンテンツイズキング
マーケターたちは、コンテンツ、サーチ、そしてソーシャルからもたらされるデータに踊らされ、消費者の注意を引こうと競い合っています。おかげでオンライン上のコンテンツは空前の規模で生産されています。IBMによると、過去二年間の世界すべてのデータの90%は、実質的にデジタルコンテンツ、サーチ、ソーシャルのマーケターからもたらされています。
現実:オーディエンスイズキング
コンテンツマーケティングの努力が実を結ぶかどうかは、読者がどう反応するかにかかっています。セールスやカスタマーサービス、またはマーケティングファネルのなかで、クリックや「いいね!」ボタンを押す以上のアクションを起こすかどうかが大切なのです。コンテンツをどれくらいオーディエンスの要求と関心にマッチさせて制作するかが、まさに成功の鍵です。コンテンツマーケティングは移り気な顧客に奉仕するだけではなく、ユーザーをある結果に導くべきなのです。
神話2:コンテンツマーケティングに訓練はいらない
サーチエンジンの検索結果は、マーケターがコンテンツマーケティングに必要な技術とサイエンスをものにするための最高の実践ガイド、そしてハウツーガイドです。しかしあなたの顧客やマーケット、そしてビジネスの目的を理解していない無名の筆者による、主観的なアドバイスは採用しないことが大切です。
現実:訓練が完璧を生む
コンテンツマーケティングのプランを作る唯一の方法は、適切なリサーチと(多少の)アドバイスを結合し、あなたが考えているプランやターゲット、そしてゴールと結びつけることです。あなたのビジネスとあなたの顧客のために、オーダーメイドのプランを構築しましょう。これが、あなたのコンテンツマーケティングのプランを完璧にする唯一の方法です。
神話3:コンテンツに表れる文化がスケールを決める鍵である
コンテンツに表れる文化こそ成功の鍵であり、スケールの決定やクオリティー、そして評価の現実的な問題を解決します。しかし、コンテンツマーケティングはマーケティングにとどまらず、より大きな範囲に作用します。コンテンツはマーケティングに影響するだけでなく、事業実績において大きな役割を演じ、よりよい人材の獲得やカスタマーサービス、商品群、広報、そしてメッセージに役立ちます。
現実:マーケティングの文化だけでなく、企業文化そのものがスケールを決める鍵である
コンテンツにはっきりと表れる企業文化は、組織のすべての目的と同様に、組織全体とも連携します。ときには最良のコンテンツが、コンテンツマーケターではなく、組織の奥深くにひっそりと隠れている人からもたらされることがあります。
神話4:たくさんのコンテンツを作れば成果が出る
もしページビューを増やすことがあなたの目的であれば、たしかにより多くのコンテンツが成果を生みます。しかし、あなたのブランドにかかる潜在的なコストやブランド認知、そして最終的なコンバージョンとのバランスが大切です。
現実:的を絞った質の高いコンテンツを作ることが成果を向上させる
コンテンツの戦場で抜きん出るには、単にたくさんのコンテンツを作るだけでは不十分です。コンテンツはエンドユーザーにとって価値あるものでなくてはなりません。とくに企業向けのマーケティングでは大切です。
神話5:ソーシャルシェアとトラフィックを獲得することは成功に等しい
サーチ、ソーシャル、そしてコンテンツマーケティングは相互につながっています。しかし、より大きな展望のなかでの役割の違いを評価することも重要です。
マーティン・マクドナルドは『フォーブズ』の記事でこれをうまく説明し、「いいね!」とシェアにだけ焦点を合わせることは、「成果の概念を取り違えている」と主張しています。
現実:トラフィックとソーシャルの指標は、コンテンツの成功において一部にすぎない。
コンテンツの効果がビジネスにもたらす実際の影響は、さまざまな形態をとります。それはビジネスを取り巻くすべてのエリアと業績目標に広く影響するのであり、単にトラフィックとシェアを促すだけではないのです。
まとめ
コンテンツマーケティングは、単にサーチとソーシャルを合わせたものではなく、それをはるかに超えるものです。
コンテンツマーケティングの機会を漏らさず利用しようとするマーケターにとって、それを会社や組織全体の文化の一部と見なすことが不可欠です。コンテンツマーケティングは、単にサーチエンジンの変遷と幸運から生まれてきたものではないのです。
いくつかのよくある誤解やコンテンツにまつわる神話を修正しないかぎり、デジタルマーケターは、いつのまにかブラックハットSEOマーケターのレッテルを貼られるはめになるでしょう。リンクファーマーやスパマーは何年も前に、同様にいつのまにか行き詰まったのです。
コンテンツマーケティングの多くの側面は、ある程度は商品と結びつけることが可能です。しかし他の部分はいけません。サーチやソーシャルと結びつけられるとき、コンテンツマーケティングははるかに広範囲に価値を発揮します。そのスパンはサーチのみにとどまらず、メッセージングや広報、カスタマーサービス、そして業務機能にまで及ぶのです。
この記事は、Search Engine Watchに掲載された「5 Content Marketing Myths To Correct Now」を翻訳した内容です。
日本でもコンテンツマーケティング、コンテンツSEOが効果の出る手法だと騒がれています。そして、それに乗ずるようにクラウドサービスなどでは1記事500円などでコンテンツ記事の募集が多くあがっています。コンテンツは作ればいいものではなく、ユーザーが満足するかどうかが重要なはずです。ユーザーが満足しないコンテンツが大量に生み出された結果、その先に行き着くのは何があるのでしょうか。ユーザーが満足しないコンテンツを作るのではなく、しっかりと腰を据えてコンテンツを作っていくべきでしょう。
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