IS「首都」逃げたくても… 住民「詳しいこと言えぬ」
朝日新聞デジタル 8月9日(日)17時30分配信
過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称するシリア北部ラッカの住民に対し、市外へ出ることを制限していると、ラッカ出身者が朝日新聞の取材に語った。病気治療のためなら認められるが、許可が必要だという。人口流出の防止、戦闘員となる若者の確保などを目的としている可能性がある。
【写真】ラッカでの生活を語る女性。外出時の服装を再現してもらった=5月14日、シリア・ホムス、矢木隆晴撮影
シリア中部ホムスで5月中旬、取材に応じたラッカ出身の大学生らによると、ISは今年1月、男性は60歳未満、女性は50歳未満のラッカ住民に対し、病気治療で他都市の医療機関を受診する場合を除いてラッカから出ることを禁じた。
ラッカ外へ出るにはISが運営するラッカの病院の医師と裁判所からそれぞれ許可を得る必要がある。そのうえでIS当局が通行証を発行。検問所で通行証を見せる仕組みだ。ラッカは医師や医薬品が足りないため、首都ダマスカスやホムスで治療が必要な住民が多いという。
ある女子学生の母親(47)が通行証を見せてくれた。「7カ月も娘に会えなかった。病気になってラッカから出ることができた」と語り、娘と抱き合って再会を喜んだ。母親は「ラッカの生活は厳しい。詳しいことはISが怖いから言えない」と語った。
また、ラッカ在住の反アサド政権・反イスラム過激派の活動家組織の情報によると、ISは25歳以下の男性住民がアサド政権軍の発行する身分証を持っている場合、取り上げて破棄している。この身分証を持っていなければ、仮にアサド政権支配地域に脱出できたとしても、逮捕される可能性が高い。
移動制限の規則が導入される前の昨年10月にホムスの大学に転籍したフダさん(24)によると、女性は1人では外出できず、夫や兄弟、親戚など身内の男性の同伴が必要だ。また、顔を覆うベール、全身を覆う服、手袋の着用が義務づけられている。色は黒しか認められていない。「ISは何もかも禁止する。こんなのはイスラム教じゃない」と話した。(ホムス=翁長忠雄)
朝日新聞社
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