安仁周
2015年8月9日13時31分
夏山シーズン真っ盛りの北アルプス。山小屋では各大学が「夏山診療所」を開き、山の安全を支えている。医学生や看護学生らもボランティアで加わり、診療の現場を学ぶ機会にもなっている。
■医学生、登山者らに声かけ
蝶ケ岳(ちょうがたけ、2677メートル)の頂上付近にある山小屋「蝶ケ岳ヒュッテ」(2670メートル)に7月20日、名古屋市立大が夏季限定の診療所をオープンした。春になると残雪の形がチョウに見えることで知られる山だ。好天に恵まれた翌21日は朝から、目の下をダニにかまれた80代女性や、足がつった50代男性らが次々と来訪。一時は診療スペースの一室がいっぱいになって、医学生たちが外で症状などを聴くほど混み合った。
同大がヒュッテで診療所を開いて18年になる。クラブ活動の「ボランティア診療班」に所属する約110人の学生部員に、OBの医師や看護師が加わって班を作り、交代で運営する。昨年は35日間で約120人の登山者を診察した。
2005年、診療所を通り過ぎた男子高校生が、高山病とみられる症状で死亡した。以来、気軽に立ち寄れるようにと、診察費をなくし、代わりに任意の寄付金を受け取ることにした。ほとんどは大学やOBからの支援金で賄っている。
学生たちは、診療所の外にも出て登山者に声をかけ、顔色が悪かったり、反応が鈍かったりする人がいないか気を配る。まだ患者と接する機会が少ない学生にとって、貴重な経験になっているという。
医学部2年の真嶋泉さん(19)は、高校生の時に蝶ケ岳に登り、診療所の活動を知った。「名市大に入ったら診療班の活動をしたいと思っていた。早くから医療活動に触れられて勉強になるし、何よりも楽しい」と話す。
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