ロッテのオーナー一族による対立を見守る韓国の国民の間では、ロッテを韓国企業と見なすべきかどうかという疑問が高まっている。
学界では一般に支配株主、経営権の所在で外国企業かどうかを判断する。例えば、サムスン電子は外国人持ち株比率が60%を超えるが、支配株主と経営陣は韓国人だ。このため、サムスン電子は韓国企業に分類される。
韓国ではそうした見方に基づき、これまでロッテグループを韓国企業と見なしてきた。主力系列企業の支配株主は全て辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長=日本名・重光武雄=一家が占めていたからだ。
しかし、今回の経営権をめぐる対立で、韓国のロッテ系列企業全体を日本企業が支配している事実が明らかになり、その日本企業の株主が誰かすら分からないことで論争がエスカレートしている。法的、制度的な基準からみて、ロッテは韓国企業か、それとも日本企業なのか。
韓国で国内法人と外国法人を分ける条項は会社法と税法にある。それによると、韓国に設立された法人は全て国内法人と見なされる。企画財政部(省に相当)のパク・チュンホ法人税課長は「ロッテグループの系列企業の場合、設立当時には外国人投資企業として税制優遇策の適用を数年間受けたが、その後は韓国企業と同じ基準と税率で納税して活動してきた。ロッテは国内法人だ」と断じた。しかし、そうした見方は国民感情とはやや距離がある。法的な観点で見れば、サムスン電子の米国法人も韓国企業ではなく米国企業ということになる。
外国人投資誘致に関する法律には、「外国人が10%以上投資した企業を外国人投資企業と見なす」との規定がある。ロッテグループは設立当時、辛格浩総括会長が自身の日本名で50%を投資し、外資導入特例法(1966年制定)に基づき、所得税と法人税の優遇措置の適用を受けた。しかし、外国人投資企業だからといって、直ちに外国企業だと見なすことはできない。
結局国民がロッテを韓国企業として受け入れるかどうかは、ロッテグループを支配する日本企業の支配構造が解明されること、そして、今後のロッテグループの動きいかんによって変わってくるとみられる。