高木真也
2015年8月8日13時00分
車を運転しながら、運転手がより安全に必要な情報を受け取れる「電子コックピット」の開発が盛んになっている。次世代の安全技術として、車載機器の各メーカーが数年のうちの実用化をめざしている。
アルプス電気が古川工場(宮城県大崎市)で開発中の試作機は、フロントガラスの向こうに速度などを知らせる映像が映っているように見える。ダッシュボード下にある映像装置の働きで、視線を進行方向からそらさず、視界も妨げずに情報を見られるしくみだ。後ろから車が近づくと、車の形をしたアイコンが現れ、サイドミラーを見るよう促す。車内に心拍や目線などを測るセンサーもあり、運転手の疲れや眠気を察知して警告してくれる。
開発担当者は「装置の大きさやコストなどの課題はあるが、品質は実際に車に載せても問題ないレベル」といい、2018年度後半の実用化が目標だ。シフトレバー近くの半球状の装置を指でなぞり、カーナビや音楽プレーヤーを動かす仕組みも開発中だ。
「電子コックピット」は近い将来の実用化を見込んで、各社が力を注いでいる。パイオニアは、フロントガラスの向こうにカーナビのルート表示が見える装置の実現をめざす。JVCケンウッドは、車の周囲に付けたカメラが後方や真上からみた視点の映像を運転席のモニターに映す装置を、17年度ごろに実用化する計画だ。(高木真也)
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