特集 集団的自衛権
「政治に無関心にみえる若者も、潜在的には考えている。その思いを可視化させる空間を作りたい」――。
若者らが6月21日、京都府で安保法案に反対するデモを行う。これに先駆け、主催の「SEALDs KANSAI(シールズ 関西)」のメンバーらが17日、京都大学内で記者会見を開き、デモの趣旨を説明した。
- 記事目次
- 「九州でも北海道でも、全国で行動を起こしていかなければいけない」
- 「立憲主義」と「代議制民主主義」に反する「安保法案」
- 「普段は政治のことに関心のなさそうに見える人たちも、潜在的には考えている」
- 日時 2015年6月17日(水) 11:00~
- 場所 京都大学記者室(京都市左京区)
- 主催 京都大学記者クラブ
「九州でも北海道でも、全国で行動を起こしていかなければいけない」
神戸大学大学院に通う塩田潤さん(24)は、SEALDsについて「代表者がいない、自由な個人の集まり」としながら、「立憲主義に基づいた政治を求めていく」という統一見解があると紹介する。
今年5月3日に発足した「SEALDs KANSAI」。立ち上げにあたっては、特定秘密保護法反対を訴え、主に首都圏でデモや抗議行動を続けていた学生グループ「SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)」に影響を受けたという。
塩田さんは、「今回、なぜデモするのかといえば、それは自分たちが関西に住んでいるから。自分たちの住んでいる場所で、自分たちのできることをやる。九州でも北海道でも、全国でこういう行動を起こしていかなければいけない」と主張した。
「立憲主義」と「代議制民主主義」に反する「安保法案」
神戸大学の学生・津田研人さん(25)は、安保法案に反対する理由は「立憲主義」と「代議制民主主義」に反する点だと語った。
「安保法案自体が違憲。これまで『自衛隊は海外で武力行使できない』という統一の考え方があったにも関わらず、『安全保障環境が変化した』という理由で、改憲手続きなしに集団的自衛権を行使できるようにする。これは、憲法を蔑ろにした、立憲主義に反するものだ」
続けて、津田さんは、「法案は国会で十分に吟味される必要があるにも関わらず、10本もの法案を一括で国会にて提出する。中身をちゃんと議論する姿勢がない、という点で代議制民主主義を形骸化させている」と指摘した。
「普段は政治のことに関心のなさそうに見える人たちも、潜在的には考えている」
立命館大学の大澤茉実さん(21歳)は、自身が「SEALDs KANSAI」のメンバーとしてデモに参加する思いを語った。
「最初、デモは『怖い』と思っていた。私も原発反対などの意見は持っていたが、自分と同じ意見を誰かが言ってくれることに期待していた。沿道の人や新聞など、リーダーを求めてばかりいて、自分自身は動かなかった。でも、『SASPL』の活動を見て、自分と同じような学生が動いていることで、心が動かされた」
そのうえで、「すべてまず、現場が最初にあって、本も新聞も、現場の声を文字にしている。民主主義国であれば『国民が現場』なので、その声を届けるために自分も動きたいと思って参加している」と胸のうちを明かした。
また、神戸大学大学院の塩田さんは、「学生は積極的に政治の話をしないだけで、みんな意外とちゃんと話せて僕もびっくりする」と話した。
「『今、安倍さんやばくね?』『暴走してんじゃん』。安保法制も、『これって絶対に戦争に今よりも近づくよね』と話したりする。普段は政治のことに関心のなさそうに見える人たちも、潜在的には考えている」
6月21日のデモでは、「その思いを可視化させる空間を作りたい」と意気込んだ。
会見では、デモの告知映像も紹介された。
https://www.youtube.com/watch?t=28&v=0r8vxdiaOqM
デモは6月21日14時に、京都市東山区にある円山公園に集合。京都市内を約4キロにわたって行進する予定。詳細はSEALDs KANSAIのホームページを参照。
※「SEALDs KANSAI」ホームページ
http://sealdskansai.strikingly.com/
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