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 北朝鮮を訪れていた韓国の故金大中(キムデジュン)元大統領の李姫鎬(イヒホ)夫人が8日、帰国した。焦点だった金正恩(キムジョンウン)第1書記との面会は実現せず、親書も渡されなかった。韓国政府もメッセージを託しておらず、冷え込んでいる南北関係を改善させる契機にはなりそうにない状況だ。

 李氏は正恩氏の招待で5日から訪朝し、病院や児童施設などを訪問。8日、韓国の金浦空港に到着後、記者会見で「6・15(南北共同宣言)の精神を育てる一助になろうとの使命感で日程を消化した。次の世代に分断の痛みを残してはいけない」などと語った。

 李氏側によると、北朝鮮側から正恩氏の「平壌訪問を歓迎する」とのあいさつを伝えられたが、面会や親書はなかったという。