カンブリア宮殿【こんな病院見たことない!ニッポンの医療を変える男】 2015.08.06


東京江戸川区にある病院。
外見は普通だが…。
出迎えてくれたのは巨大な絵
病院がまるでポップアートのギャラリーのよう。
MRI検査室には…
患者の緊張をやわらげるためなんだとか。
待合室にいたのは…
動いている本物だ。
患者さんはどう思っているの?
仕掛けたのはこの院長。
患者が楽しめる病院を目指し10年前から改革を進めてきたという
一方こちら
味気ないイメージの病院食が変わり始めていた
焼いていたのは愛媛産の…
えっこれが病院食!?まるで会席料理じゃない!
患者さんからは大好評だという。
きっかけは患者へのアンケート。
病院食への不満がかなり多かった。
そこでホテルのコックなど一流の料理人とともに…
病院もいまや選ばれる時代。
大きく変わり始めているのだ
東京八王子にお住まいの…
突然のめまいに苦しんでいた
早速市内の病院を訪ねることに。
やってきたのは…
中に入ってみるとおしゃれな雰囲気。
ここは他の病院とはちょっと違う
待合室はカフェのよう
絵画やグリーンがいたるところに。
これには川幡さんもびっくり
頭痛やめまいといった症状から日本人に多い脳卒中までさまざまな症状の患者が訪れる。
他に循環器内科や神経内科も受け付けている。
川幡さん早速診察の順番が回ってきた
まずはめまいの原因を探る
するとすぐにMRI検査室に
MRI検査とは脳や体の内部を詳細に撮影する大掛かりな検査。
よそでは予約を取って別の日にやることが多いがMRIを2台持っているため待たずに受けることができるのだ
この病院のモットーだ
大したことはないとわかって川幡さんほっとした様子。
よかったですね
こちらは隣の診察室。
いつも通院しているこちらの女性今日は気分がすぐれないという
なんとその場で薬が処方された。
しかも医師の目の前で飲む。
普通は診察が終わって家に帰ってから飲むのに…。
なぜ?
その日の夜にお薬初めて飲むよりも…。
再び診察室へ
薬の効果か表情もすっきり
この病院はあるグループが運営している。
その名は…
グループの一つ北原RDクリニックは脳ドックをメインにした検査専門のクリニック
もちろんここも…
(泣き声)
他にもリハビリと精神科の専門病院など八王子市内に4つの施設を構える医療グループなのだ。
ここにはまだまだ他の病院にはないユニークな特徴がたくさんある
北原国際病院に救急車が。
ここでは24時間救急外来を受け付けている。
しかも断らない救急がモットー
次々運ばれる救急患者
またまた救急の連絡。
この日
脳以外でも応急処置が必要な場合は受け入れるという
救急患者のたらいまわしが問題となるなか…
断らない救急それを可能にする工夫がある
救急入口のすぐ横には処置室や診察室。
X線やCTMRIなどの検査室にもすぐ行ける
他にも断らない救急の秘密が。
ベッドメーキングをしているのは実は放射線技師
窓口で受付業務をするのはふだんはリハビリを担当する作業療法士
その分医師や看護師は患者に専念できる体制を作っている
断らない救急で救われた人がここにも…。
脳梗塞で運び込まれた園田さん。
迅速な対応のおかげで後遺症もほとんどなく回復した
患者から感謝される医療グループを作り上げたのが…
こちらのダンディーなお医者さん
今でも時間があるときには現場の医師として患者とかかわりあう
はい痛いです。
押すと痛い?はい。
北原のモットーは常に患者の目線に立つこと
北原がこうした思いを抱くようになったきっかけは今から30年前にさかのぼる
当時大学病院の勤務医だった北原。
ある日ウイルス性の劇症肝炎を発症した
運び込まれたのは奇しくも…
患者となって初めてわかったことがあった
医師は普通に診察しているつもりでも病気で心細い患者にとっては事務的でそっけない態度に見える
内装も気になった。
例えば壁ははり紙だらけ。
患者が休まる空間にはなっていない
患者となった医師北原が気づいたこと…
そんな北原は20年前自らの病院を立ち上げる。
入院中に感じた患者目線で一から作り上げた
院内には至るところに工夫が。
例えば照明
これにも理由があるという
もちろん内装だけではない。
院内でキョロキョロしながら歩く看護師を発見。
すみません何をしているんですか?
常に患者に気を配りすぐ相談に応じられるよう空いている看護師をわざわざ巡回させているのだ。
これも北原のアイディア
徹底した患者目線で…
ん?はい。
あ〜ありがたい。
それが北原の思い
今夜はニッポンの医療にメスを入れる異色のドクターが登場だ!
患者さんが病院らしくないホテルのようだっていうふうなお言葉もありましたけれどもかといって患者さんが払う費用が他の病院よりも高額になるってわけではないんですよね?はい全部保険診療ですので。
一律同じですよね。
どうしてなんでしょう?他の病院らしくない病院っていう形は他の病院ではなかなか見かけることがないんですけれどもどうしてやらないんでしょうかね?あの私の場合はですね…。
あっ決まったところが。
特に公立病院はそうなんですよね。
設計だけじゃなくて内装のデザインとかもおやりになったらしいですよ。
あっそうですか?はい。
じゃあかなりの額の借金を背負われてるってことですよね?よっぽどの覚悟ないとできないですね。
そうですねはい。
ここから北原が持論を展開する!
昔はそれでもまだ余裕があったのかもしれないですけど。
今国民皆保険制お話が出ましたけども結局国民皆保険というのはあの…なんて言えばいいのかなこれほどすばらしいもんはないって言う人もいますし制度疲労を起こしててもう何とかしなければいけないって言う人も大勢いらっしゃいます。
すべての国民が何らかの医療保険に加入する制度
その医療費はすべて点数で計算される。
どの治療なら何点どの薬なら何点と一つひとつ細かく決められている
だが北原は料金やサービスなど医療にも幅広い選択肢を設けるべきとの考え。
著書の中では…
国民皆保険の見直しや病院の株式会社化などもあえて提案している
まぁ医療と教育っていうのはなんか僕としては最も重要な国家的なテーマだと思うんですがその…論議がなかなか難しいんですよね。
医療も教育もその…ビジネスっていう側面もありますし公共性っていう側面もあります。
先生なんかあの…高齢者は今の医療費を3倍にしたほうがいいとかって本お書きになってましたけどあれ猛反発くらうんじゃないですか?もちろんそうだと思います。
ただですねこれあの…。
政治家だったら落ちますね選挙に。
もちろん。
ですから政治家にならない。
私の場合言いたいことがいえるので…。
どうやったらその高齢者がですね今持ってるお金を使っていただけるかというとこれは絶対ニーズである医療しかないと私は思いますね。
そういうことを本当に冷静に考えなきゃいけない。
やっぱり政治家としては落選しますね。
北原病院グループがある…
都心から電車で1時間たらずのベッドタウン
しかし中心部を一歩離れればまだまだ自然が豊か
そんな環境の中にある…
彼らはうつ病などを抱える患者たち
向かったのは…
ここは北原リハビリテーション病院が所有する土地
そこには羊もいた
単に癒やしが目的ではない
メーンはみんなで畑を耕すこと。
これは北原が提唱する…
患者同士が助け合って作物を育てることで社会復帰を目指す。
何が出来たのかな?
ジャガイモだ。
こちらは…
都心から1時間離れるだけでこんな医療が
このリハビリ患者たち自身も効果を感じていた
楽しいですか?最初はもうこういうのもやるのも嫌だっていう…。
医療スタッフは基本的に見守るだけ
病院に戻ってきた患者たち。
実は収穫した野菜は病院内で販売する
値段も自分たちで決める
ちょっと入れてみますか?
精神科に限らずこうしたかたちの医療が今後重要になってくると北原は言う
再び病院に行くとシャキシャキ働くスタッフを発見
なんと81歳!

(茶をたてる音)
(滴の音)
(滝の音)
(女性)≪あれは夢だったのでしょうか日本は流れる時まで美しい国でした≫≪「ひとのときを、想う。
JT」≫
北原グループが運営する医療施設
ここは脳の障害などにより体が不自由になった患者のリハビリテーションを専門に行う病院だ。
現在入院患者も含め80人以上がリハビリに励んでいる
この病院に1人の女性がやってきた
お父さんが入院しているという
しかしこの病院でリハビリを始めてから変化が
今まではこういう状態だったんですけどここまでここまで下りてますよね。
ということは…。
当初は寝たきりで身動きもとれない状態だったが今ではこのとおり自分でヒゲも剃れる
ひととおり父親の世話を終えた小峰さん
1つ上のフロアに
こんにちは。
慣れた足取りで向かったのは掃除用具置き場。
なぜか病院内の清掃を始めた。
手すりを拭いてモップがけ。
いったいなぜ?
この病院には家族ボランティアという制度がある
小峰さん続いてはレクリエーションのお手伝い。
医療行為こそできないものの家族ボランティアが働くことで病院は人件費が浮く
一方ボランティアは…
そんな小峰さんのお宅
こちらに妹たちいるんですけど。
この日は小峰さんの妹たちが来ていた
ミシンで縫っているのは…
家族ボランティアは病院に行かなくても家でもできる
夜でも朝でも昼でも…。
しかしメリットはそれだけではないという
家族ボランティアにはこんな人もいる
昭和1桁世代このフットワーク。
永見さんの主な役割は患者の話に耳を傾ける…
絶好調…。
絶好調?すごいじゃない。
話を聞いてもらうとこの笑顔
実は永見さん…
まさに正真正銘のボランティアだがそれには訳が
生きがいですね?
病院を核として地域がまるごと元気になる。
それが北原が目指す理想の医療だ
ボランティアで一緒に家族の方が働くとですねすさまじい勢いで医療が進歩してるのでその一端でもいいんでああやってボランティアをされるとですね医療の現場に触れるわけじゃないですか。
その僕…価値っていうのはすごく大きいと思います。
患者側も病院側も家族ボランティアをやることによって学ぶべきことであったりメリットっていうのは多く生まれていってるってことなんですか?先生はそういったことにいつ頃どうやって気づかれたんですか?20年前に病院をつくってからそういう関心があったことは間違いないんですがやってくなかでですねいろんな情報が入ってくるようになりましたね。
そうではなくてですね単に病院の中で手術をするとかという発想ではなくてですね…。
本当に完成させればですね…。
北原がまた新たな改革を仕掛けていた。
そこには外国人医師が
(子ども達の歓声)
(歓声)
東南アジアの新興国…
近年経済成長が著しい注目の国だ
首都プノンペンに北原の姿が。
このところ足しげく訪れているという
北原は今日本の医療ノウハウを新興国に広めるプロジェクトを進めている
その第一歩として経済の発展に比べ医療は遅れたままのカンボジアを選んだ
カンボジアの医療の実態はどうなっているのか
ここは現地でも比較的評判のいいクリニック。
一見設備は整っているようだが。
よく見ると使用済みの注射器が散乱。
お世辞にも清潔とは言えない
こちらは手術を受けたばかりの患者。
すると医師がスマホを取り出してスタッフに撮らせた手術の映像を自慢げに見せてくれた。
こんなの日本じゃあ考えられない。
カンボジアの医療はまだまだ道半ばというのが現状だ
そんなカンボジアで北原が動き始めていた。
集まっていた若者たち
北原は彼らを日本に呼び寄せ最先端の医療を学ばせる。
日本式医療を広めるにはまず人づくりからというわけだ
長旅で疲れた一行にサプライズが
北原のスタッフがお出迎え
実は北原彼らのためにわざわざマンションを1棟買い取って寮も用意していた
その日の夜歓迎会が開かれた
こんばんはありがとう。
北原の笑顔に研修生たちの表情も緩む
ある研修生と出会った…
脳神経科の医師だ。
働いていた大病院を辞めてまでこの研修に参加したという
日本の最先端の医療を学んで自ら人を救うだけでなく若い医師たちにも伝えたいという
北原国際病院では脳外科手術の研修に励むロンさんの姿があった
まずは日本人医師がお手本を見せる
糸は髪の毛よりも細い
ガーゼの繊維を血管に見立てそれを縫い合わせる。
日本の脳外科医にとっては基本的な技術だ。
続いてロンさんの番。
カンボジアでは触ったことはおろか見たこともない最先端の機械。
果たして…
ピントを合わせるのさえひと苦労
それでも必死に頑張る
その夜寮に戻ったロンさん。
ベッドでひと休みと思いきや…
脳外科の医学書で復習だ
研修を受けるのは医師だけでなく…
北原がある場所に案内してくれるという
舞い上がるほど楽しいところとはいったい!?
北原がある場所に案内してくれた。
そこはとある建設現場
北原はここで日本企業とともに救急病院の建設を進めている。
カンボジアで特に遅れている脳外科を中心とした病院だ
人材は日本で教育したカンボジア人スタッフが中心。
その他医療機器や設備などは…
北原には昔から抱き続けている大きな夢がある。
それは…
医療の輸出って聞きますと日本の優れた病院をそのまま丸ごとカンボジアにじゃあ持っていくのかって思われる方も多いと思うんですけどそういうことではないんですよね?ちょっと違いますね。
よく言われるんですけども…。
あとたぶんわかりづらいのは医療の産業としての輸出っていうと皆さん医療スタッフとか医療機器だけに限定して考える人が多いと思うんですがいわゆる医療にかかわる産業というのはもちろん医薬品メーカーとか医療機器メーカーはもちろんですがそれからさっきVTRであったようなデベロッパーとか建設会社とかいろいろ洗濯とかリネンのサービスとかですね医療っていうのはすそ野が広くすべて包括しててそれを含めたような産業の複合体としての輸出っていう考え方でいいんですか?そうです。
実は医療が入るためにいったいどれだけ多くの産業育てなきゃいけないかってことを考えたときに…。
ご本のなかでも先生ご自身で自分が異端児であるとか少数派とか他の人たちからはなんて言うのかな…。
やっかいでもないですけど…と言われてますけどほんとそうなんですか?最近は違うんですか?しばらく僕はもうほんとは24年…30年くらい前から異端児の時代になってると思うんですよ。
ただ最近ちょっと変わったなと思うのはそういう人に耳を傾けようって人が増えつつあるのは感じますねおっしゃったように。
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2015/08/06(木) 21:54〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【こんな病院見たことない!ニッポンの医療を変える男】[字]

“病院らしくない病院”が注目されている。検査の即日実施・診断、高い救急受け入れ率など、とことん患者目線を貫いている。世界にも広がり始めたその改革を追う!

詳細情報
番組内容
私たちが健康的な生活を送る上で欠かせない“病院”。しかし、一般的に診療やサービスなどについて不満を持つ人は少なくない。そんな中、全てが“患者”の目線でつくられた“病院らしくない病院”が注目を集めている。東京・八王子に拠点を置く“北原病院グループ”だ。仕掛けるのは医療法人社団KNI理事長の北原茂実。
番組内容続き
自らが入院患者となった経験もあり、今までの病院・医師目線を改め、あくまで患者の立場になった病院づくりを進めてきた。その取り組みは国内にとどまらず、海外にも広がろうとしている。病院を丸ごと輸出しようというプロジェクトも進行中だ。医療の世界にメスを入れる、改革派医師の挑戦を追う。
出演者
【ゲスト】北原病院グループ 北原茂実
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
http://www.facebook.com/cambrian.palace
【公式Twitter】
https://twitter.com/cambrian_palace

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