(娘)ねえねえお母さん「オイコノミア」って何?
(母)うん。
そういう難しいことはお父さんに聞いてちょうだい。
(父)最近人気の出てきたアイドルだろ?お前知らないのか?
(兄)お父さん「オイコノミア」とは古代ギリシア語でエコノミー。
つまり経済学の語源だよ。
(父)おっさすが毎日本ばっかり読んでいるだけあるなジェームスは!
(兄)ジェームスって誰だよ!?
(テーマ音楽)
(大竹)又吉さん。
(又吉)はい。
「オイコノミア」は夜10時台に進出!そうですねぇ。
43分に拡大なんですよ!はい。
ますます頑張らなきゃですよ!いや〜!そうなんですけどね。
又吉さんどうしたんですか?元気ないですね。
おなかでも痛いんですか?おなか痛いというかねなんか最近やる気が出ないんですよね。
又吉さん本番中にそんなこと言っちゃ駄目ですよ!フフフッ。
そうですよねぇ。
そんな時はね経済学なんですよ。
ホントですか?経済学勉強するとやる気を出す仕組みっていうのがわかるんですよ。
なんか無理やりこじつけようとしてないですか?まずはねやる気と経済学の関係を見つけるためにちょっと出かけましょう!出かけるんですか?はい。
わかりました。
やる気って経済学でどうにかなるものなんですか?ヒントを探りに街へ…。
又吉さん。
はい。
ここなんですよ!ここですか?はい。
あれ?先生旅行でも行くんですか?いやいやここはね実は人にやる気を起こさせるための重要な経済学のキーワードと関わりのあるものがここにあるんですよ。
へぇ〜!こちらに?はい。
じゃあ行ってみましょうか。
あのうすいません。
インセンティブツアーについてお聞きしたいんですけど。
(担当)はい。
申し訳ございません。
インセンティブツアーは店舗ではお受けしてございませんので本社に詳しい者をご用意してますので。
インセンティブツアー?はい。
そういうものがあるんですか?そうなんですよ。
へぇ〜!あっこんにちは。
こんにちは。
こんにちは。
(大塚)まあ企業や組織で業績が優秀だったとか何か際立っていい形で成果を残した方々にご褒美として旅行を設定するということなんですね。
今人気のようですよ!
(大塚)そうですね。
このインセンティブツアーの…ご褒美がもらえない人。
その人たちに行った人の結果なんかをフィードバックしますと……行けなかった人にも刺激になるんですね。
これお金とか何か商品券渡しちゃうとそういうことってフィードバックできませんのでやはりインセンティブツアーこの旅行というのが価値があるわけですね。
なるほど。
1位チーム2位チーム3位チームで違う所に行くとかって…。
そういう会社さんもありますね。
ですから1位はオーストラリアですけど2位は箱根の温泉だとかそういうふうにしてランクを設定してる会社さんもありますね。
僕やったらちょっと箱根行きたいからあんまり頑張りすぎへんようにしようかなみたいな。
そうですか?う〜ん。
こういう趣味の人はねそれをちゃんと考えた上で設定しないと駄目ですね。
ですから事前のリサーチは大事なんですね。
刺激されないものをご褒美にしても意味がないので。
家から出ない。
ゴロゴロしちゃって。
着替えれば動き出すんですけど着替えるまでがね時間がかかってそこのやる気が大変です。
今日はやっぱりモノで釣って。
まあ金くれるって言われたらメッチャ頑張ります。
やる気が出ないのが困ってるね。
(2人の笑い)でも時々スイッチ入るもんね。
なんでだろうね。
違う。
お母さんがやれって言うから!アハハハッ。
頑張らなくちゃ〜と思ってもなかなか思うようにならないのがやる気。
やる気の出ない子どもに悩んでいるお母さん朝になると仕事に行きたくなくなるサラリーマンのお父さん必見!やる気の出し方教えちゃいます!今回の対談場所はこちら!東京都庁。
実はここでもインセンティブが活用されているのだそうです。
それは後ほど…。
まあ今回のねやる気と経済学っていうのはインセンティブっていうのを理解することが大事なんですよ。
はいはい。
インセンティブご存じですか?ちゃんとした意味ってよくわかってないですね。
はい。
では調べてください。
はい。
僕が調べるんですね?はい。
これあらかじめ調べておいてそれを先生が教えてくれてもいいんじゃないですかね。
いややっぱり又吉さんなかなか覚えてくれないじゃないですか。
3年やってますけど。
そんなことないですよ全然。
やっぱりスパルタでいかないと。
だいぶ覚えてると思うんですけどね。
先生載ってないですね。
いやそれはないと思いますよ。
あっホントですか。
はい。
ここだな。
ありました。
「incentiveカッコ…させる」。
で「刺激誘因動機励み」。
はい。
そうですよ。
ここにね出てますよね。
もう出てるんですね。
調べる必要ありました?これ。
いややっぱり自分でやるとよく覚えるじゃないですか。
はい。
まあインセンティブっていうのはね人の意欲を引き出すための刺激のことなんですよね。
なるほど。
刺激。
はい。
…というふうな学問でもあるんですよね。
なるほど。
そういうことで言うとインセンティブはもう経済学の核心の部分ってことですかね。
そうなんですよ。
先ほどの旅行の例だとある業績を残したら旅行に連れてってもらえると。
そうすると会社も自分を評価していることっていうのを実感できるじゃないですか。
はい。
なるほどね。
ということは業績次第で旅行にも行けるということですからなおさら頑張ろうと思えると。
はい。
それやる気が出てきますよね。
そうですよね。
はい。
又吉さんなんか思いつきますか?僕たち芸人は特にデビューした時とか今もそうですけど劇場とかライブに出るためにはオーディションとかネタ見せを経てよかったコンビだけが出場できる。
出演できるっていう。
これもインセンティブなんですかね?その出演っていうのがインセンティブですよね。
はい。
出演できるために頑張ると。
出演したいんですよね。
そうですよね。
まあ今日はね又吉さんが若手の頃から苦楽をともにしてきた方に来ていただきました。
アハハッ。
すごく静かに出てきたね。
アハハッ。
(徳井)やっぱこの温度を合わせるっていう。
(2人の笑い)なるほど。
「オイコノミア」の温度に合わせてくれた。
お二人の温度に合わせてね。
はじめまして。
はじめまして。
「平成ノブシコブシ」の徳井と申します。
よろしくお願いします大竹です。
ゲストは平成ノブシコブシの徳井健太さん。
又吉さんと同い年で芸人養成学校でも同期。
下積み時代をともに過ごしオーディションで合格すれば出演できるというインセンティブを共有していたのですね!徳井くんはもう同期でもうずっと一緒にやってきましたから。
ねえ。
又吉のすごいところはもう腐るほど見てます。
腐るほどって。
もう「ピース」がピースってもともと違うコンビだったんですよ。
はい。
僕らの同期で言うところのコントの最強がこいつの相方の綾部。
漫才の最強がこいつが元組んでた「線香花火」。
僕らの同期の最強と最強が組んでピースになったんですよ。
あっそうなんですか。
僕はこいつの漫才を見た瞬間に「あっ漫才やめよう」と思ったんです。
やめたんですか?もうやめます。
今やめてます。
僕漫才は。
やめてないでしょ。
やめてます。
劇場に立ってるでしょ。
毎週新ネタ書かなきゃいけないという謎のライブがあったんですよ。
それで順位が付けられててより上位の方がいい思いができるというのがあったんですよ。
「プリプリプリンス」って言うんです。
それの時にみんな手抜いたんですよ。
なんでですか?毎週面白い新ネタなんて作れる訳ないんですよ。
無理なんですよ。
でもピースだけはずっと1位取ってたんですよ。
いやそんなことないです。
いやホントに。
先生のお話をまず聞いて。
いろいろ。
俺の魅力を先生にプレゼンする番組じゃないですから。
いや先生はわかってくれてますから。
すごい人と今番組やってるんですよ。
逆です。
先生と一緒にやってるんですよ。
徳井くん逆です。
先生に経済学を教わるんです。
我々は。
神だ。
こいつは神だ。
笑いの神だ。
徳井くんそういう番組じゃないです。
インセンティブのお話ですよね。
そうなんですよ。
子どもの頃にね部屋を片づけられないとき「掃除をしたらおもちゃを買ってあげるよ」とかって言われたことなんかないですか?あ〜どうやった?あった?又吉くんちはホントクソ貧乏なんで。
そんなこと言わんといて。
そういうのはないよな。
おもちゃを買って…。
豆あげる…。
豆ってこともないですけど。
ご褒美システムはなかったですね。
なかったんですか?はい。
それはでもすごく珍しいことですよね。
徳井さんのとこどうだった?僕ありました。
あのちょっとまた変な変わってますけど僕部屋にすごく大きく壁紙が貼ってあるんですよ。
落書きしていい壁紙が。
そこに自分の好きなものを上手にプレゼンできたら枕元にその商品が置いてあるっていう。
非常に変わったシステムで。
変わってるね。
変わってますね。
ゲームソフトとか「みんながこれ持ってるから頂戴」って書いてるときは全然うちのおやじくれなかったんです。
でもなんでこのゲームをやるといいのかと。
「主人公を育てる。
そうすると毎日が楽しい。
毎日楽しいと勉強する」みたいな。
ぶわ〜って書くと枕元にゲームが置いてあるんですよ。
うちのおやじが買ってくれたやつが。
すごいですね。
今思うとすごいですけど。
それでもインセンティブですよね。
インセンティブでそれで論理的な説得術を学んだわけですね。
なるほど。
それがやっぱり今の芸に役立ってると。
でも分析するの僕好きなんでもしかしたらそれはあるかもしれないですね。
う〜ん。
理由をちゃんと考えたりとかする癖がそこでついたかも。
なるほどね。
すごいですね。
まあそうやってご褒美の方もありますけど何かご褒美をあげたと。
でもまあ子どもがまた部屋を散らかしてしまうとするとせっかくあげたおもちゃを取り上げるとかっていうこともありますよね。
そうですね。
おもちゃを買ってもらえるっていうのは報酬ですよね。
アメの方で。
それからおもちゃを取り上げるっていうのは罰則。
ムチっていうことになりますよね。
まあこういうアメとムチのインセンティブが働いた結果としてもたらされるのが部屋をきれいな状態に保つっていうことになるわけですよ。
あ〜!なるほど。
(母)大竹先生!子どもにやる気を出させるにはどうしたらいいの!?先ほどのね又吉さんたちの例だと劇場に出られるっていうのがある種のインセンティブになってましたよね。
はい。
そのほかにね…そうですね。
人によっては異性にモテるとかそういうのあると思うんですけどでもみんなで言うと…お金がもらえるとみんなまあ仕事と思ってできたりとか。
そうですか?又吉さんやっぱりお金もらえるなら何でもすると。
いやいやそこだけ言われると何かそういうふうに聞こえますけどでも確かにお金は重要ですよね。
まあそうですよね。
まあ又吉さん言うとおり…こういう研究あるんですよ。
イギリスのニューカッスル大学の研究なんですけど。
お金が人の行動をどの程度左右するインセンティブになるか調べたこの研究。
およそ500円を渡された人と渡されなかった人のやる気を比較。
500円受け取った人は受け取らなかった人に比べて半年後の禁煙実施率は2倍に…。
インフルエンザなどの予防接種の接種率は3倍だったのです。
ワオー!どうですかね。
又吉はもう1億稼いでるんで。
いえ稼いでないですよ。
徳井さんはどうですか?俺はやりますよ全然。
俺似たようなことあって今まで…僕結婚してるんですけど奥さんからお小遣い制だったんですよ。
定額の。
そうなってくると正直給料がいくらでも関係なかったんですよ僕。
なるほど。
だから仕事をやろうがやるまいが正直どっちでもよかったんですけどパーセンテージに変えたんです。
俺があまりにもやる気がなかったんで仕事に。
だからお給料の10%とか20%にしようって言ったら楽しかったんですよ。
今月の給料はいくらだからいくらだ。
少なくてもそれがたとえ少なくても来月頑張ろうとか。
なるほど。
インフルエンザにしろそのう禁煙にしろ健康のためにやっといた方がいいってみんなどっかで思ってて背中を押してほしいとか思ってるんでしょうね。
そうでしょうね。
そのきっかけになるんでしょうね。
それが500円でもいいんでしょうね。
はい。
だから自分ではやりたいともともとあったのが何にもやる気がないときに500円だけって言われたら多分あんまり効果なかったでしょうね。
ああ!そうですよね。
一見ね個人の健康のことっていうのは個人の勝手じゃないかというふうに思いますよね。
だから自己責任じゃないかと。
別にそれが公的な国のお金を使わなくてもいいような話のように思うんですけども実はねそれ個人の勝手だというふうには言えないところがあるんですよ。
医療費っていうのは自分でお金払ってるだけじゃない。
国からも援助が来てるんですよね。
日本でも医療費の増加は財政を圧迫する難しい問題。
そこで病気の予防に力を入れるためインセンティブを取り入れるところが増えています。
例えばこちら東京都。
職員が加入している共済組合がインセンティブを用いて職員に積極的に健康診断を受けてもらう取り組みを行っています。
小幡さん東京都がインセンティブ制度を取り入れて行っている健康促進のプログラムについてお伺いしたいんですけど。
(小幡)はい。
まず平成20年度に特定健診制度いわゆるメタボ健診というのが始まりましてその時にまずこのウェブサイトを立ち上げました。
その時はまずこのウェブサイトを見ていただくためにポイントを作ったんですけれどもメタボの対象者だけではなくて一般の健康づくりにもインセンティブとして使えないかと考えましてこのポイントプログラム制度も立ち上げています。
この仕組みでは健康診断を受けただけでまず100ポイントがもらえます。
更に肥満度や血糖値血圧などが厚生労働省の発表する基準値内だった場合それぞれ200ポイントずつもらうことができるのです。
すご〜い!更にあの禁煙ですね。
タバコを吸われていなければ100ポイント付くということであの全て完全にパーフェクトの方はそれで大体1000ポイントが付くと。
1000ポイントたまったら何かもらえるんですか?はい。
一番人気なのが歩数計なんですが歩数計ですとかあと電子体温計といったものと交換いただくことができます。
健康に関する。
はい。
ポイントがたまるとおよそ50種類の健康グッズの中から欲しい商品がもらえます。
一番人気の歩数計は1000ポイントでゲット!更に…こうやって歩くと気持ちいいですよね。
(大工)そうですね。
リフレッシュにもなると思うのでぜひ又吉さんも歩いて頂けると健康にはいいかなと思います。
そうですね。
異動になるんですか!どこに異動するんですか?僕は次東京都の持ってる島に…。
あっそうなんですね。
向こうでも歩くとは思うんですが今とは随分違う環境を歩くことになりそうです。
なるほど。
春になると島を歩くことになりますか。
(小幡)みんなこんな形で歩いてるんですけれども歩いたものをこのあと歩数計というのを持ってますのでそれを先ほどのポイントプログラムの方に入力をするという事をして頂いています。
私も自転車いつも乗ってきてるんですけどね何のポイントにもなってないので誰か褒めてくれたらもっと…。
(小幡)そうですね。
「5672」になってますね。
だいぶ健康になりましたね。
(大工)アハハハツ。
このような取り組みは自治体や企業でも増えています。
1年間病院に行かなかった住民が1万円の奨励金をもらえる自治体もあれば決められた健康診断を受けなかった場合ボーナスがカットされる企業もあるんです。
しかも直属の上司も連帯責任!これは受診しますね。
間違いなく。
そういうポイント制度になって健康になってきたんですか?そうですね。
健康がどれぐらいよくなったかはなかなか数値の中で見ていくのは難しいんですけれどもメタボについては若干数値がございましてこのウェブサイトですとか……といったようなデータがございまして……といったようなデータがございます。
(又吉徳井)へぇ〜!政府はね一昨年の臨時国会で健康づくりとか予防に熱心に取り組んだ公的医療保険の加入者に対してね保険料を軽減できる制度を導入するように決めたんですよ。
ああなるほど。
ムチャクチャいいことですね。
そうですね。
まあ逆にね特定の健康診断受診しないとか予防に無関心な人の保険料は引き上げる方向で検討するという。
引き上げるんですか?アイデアですよ。
そういうのも出てるんですよね。
すばらしいですよね。
だって車の保険って基本無事故無違反の人安いですもんね保険金。
ああはいはい。
普通それですもんね。
じゃあ保険もそうした方がいいですよね。
軽減の方はいいんですけど行かれへんかったら高くなるっていうのは結構なんかかわいそうやなって思いますけどね。
何?行けないんじゃないかって事心配してるんでしょ。
心配してるというかそういう時もあるじゃないですか。
行かないと後々かかってくる医療費がばく大になるからその分を払うべきやってことなんですけどね。
又吉のほうが多分行かないとよくないと思います。
そうですね。
ず〜っとやってますからねお笑いを。
あのう例えばなんですけどね小幡さん。
じゃあゲームコーナーライブでなんか面白い答えみんな見つけようとするじゃないですか。
みんな2〜3時間考えたらもういなくなっちゃうんですよ。
又吉だけがずっと考えてるんですよ。
次の日誰が優勝するかって。
又吉が勝つんですよ。
頑張ったやつが勝つんだなって俺何回も見てきましたから。
努力の上に天才ってのは成り立つんだなっていうのをぜひ感じていただきたい。
誰に説明してんの?小幡さん。
小幡さんに説明してもらってるんだから小幡さんに僕らの仕事のことはいいですよ。
でも本当にそうだと思います。
健康と一緒ですよね。
同じ。
同じです。
急に健康になんないですもんね。
本当にそのとおりです。
毎日ちゃんと健康に食に運動にですよね。
本当にそのとおりです。
はい。
1つになった。
それがまたつながっていきますもんね他の仕事に。
健康は特に。
やっぱり又吉さんの芸の裏にはそれだけの努力があると。
そうなんです。
でも言ってほしくないでしょ?そういう話。
いや恥ずかしいです。
僕が何て言うんですか人選する上で「徳井くんどうですか?」と言った手前何かこういうことを言ってもらいたくて…。
ヨイショしてくれって。
ヨイショ班で呼ばれたと思うもんな。
そういうつもりじゃないんですよ。
実は身近な経済学。
経済学の窓を通して見てみましょう。
私たちの身の回りにはさまざまなインセンティブが潜んでいます。
高速道路のETCを利用した割引。
深夜や休日の利用料金が安くなるこの制度は平日の渋滞や渋滞による大気汚染を減らすインセンティブなんです。
買い物をするとスタンプを押してくれるポイントカード。
同じ店で買い物をすればお得!というわけでお店にとっては継続的に店を利用してもらうためのインセンティブになっているのです。
そしてこちら!ふだん私たちが食べているお米。
実はお米の流通にもインセンティブが隠れています。
お米はほとんどの場合まず生産者である農家から農協が買い入れます。
その際に味や粒の大きさなどの米の出来には関係なく一律の値段で取り引きされてきました。
しかし近年一部の農協が米の買い入れにインセンティブを導入したのです。
味や粒の大きさを検査する体制を整え農家が出荷する米1袋ごとに検査をして結果を表示するようにしました。
味がよく粒ぞろいの米はそうでない米よりも高額で買い取られるようになったのです。
これを「インセンティブ買い入れ制度」と言います。
高く買い取ってもらえれば農家は収入が増えるのでよりよいお米を作ろうというやる気が上がります。
私たち消費者もおいしいお米を食べられるチャンスが増えることになるのです。
(妹)お兄ちゃんやる気が出るのはお金だけなの?…っていう研究もあるんですよ。
あっそうなんですか?はい。
又吉さんねお金以外では人はやる気が出ないと思ってませんでした?いや僕そんなに…そんなお金人間じゃないですから。
お金お金ってしてないタイプですからどっちかっていうと僕は。
いやいや見かけによらないですから。
人っていうのは。
疑わないでくださいよ。
ねえ。
お金以外でもインセンティブは得られると。
そう。
すごく有名な実験があるんですよ。
アメリカの経済学者がシカゴの小学校中学校高校で6500人を相手に生徒をですけどね実験したんですよね。
小学生に行った実験。
生徒の成績を一番伸ばしたご褒美はどれでしょう?うわ〜!これどうやろ?うわ〜!自分でいうと…2番ですかね。
2番はい。
えっ?そう?子どもって意外と価値のないなんかご褒美シールみたいなのあったじゃないですか。
あれすげえ喜んでなかった?あ〜!うちの子もなんか喜ぶんですよ。
よく折り紙で折ったようなメダルみたいのあげると「頑張ったで賞」じゃないですけど。
って考えたらこのテストの成績が前回を上回ればトロフィーを与えるってそういうことですよね別に。
俺からしたら意味のないメダルをあげるみたいな。
トロフィーのほうが。
なんかお金よりもうれしかったような気しますけど僕は。
ほらやっぱりちょっと又吉さんは…。
銭ゲバだから。
銭ゲバじゃないですから。
銭ゲバだからそう思っちゃうかもしんないけど。
子どもがいないとなかなかそこ気付かないかもしれないですね。
小学生のグループはですね実は4番ですよ。
ほうトロフィー。
はい。
トロフィーを先にもらっておくんですよ。
へぇ〜!やっぱりねトロフィー。
小学生にとってはねお金よりもトロフィーのほうがやっぱり先生とか周りの人に認めてもらえたっていうことがうれしいんですよね。
認めてもらえたのもあるしトロフィーとかってうれしかったもんな。
確かに小学校の時散髪屋に行ったら終わったあとに100円くれる店とアメくれる店があったんです。
今考えたら100円くれるほうがアメって多分10円ぐらいなんですけどでもアメくれるほう行ってましたもんね。
アメがうれしくて終わったあとの。
アメくれる店のほうが…。
それだから貧乏だから。
そんなことないよ。
もう食べるものがないということでしょ。
糖分が取れなかったからアメが欲しかったっていう。
割とみんなそこ行きたがってましたよ。
ということだよね。
つらかったね。
アハハハッ。
いろんなインセンティブがあるんですね。
そうですよね。
人それぞれに。
この実験でも実証されましたけど……ってことはよく知られてますよね。
教育現場っていうのは金銭的なインセンティブよりも非金銭的インセンティブのほうが頻繁に用いられてると思うんですよ。
高校の外の壁にブワッてやりますもんね今。
「インターハイこの子出ました」みたいな。
成績もなんか出てたやつあったよ。
あったあった。
張り出してなやってたよな俺らの時。
絵とかもね。
金賞って言ってどっかの役場とかで張ったり。
僕も絵割と描くの好きやったんで芋掘り大会行ったとき芋掘りに行ってそれをみんなで芋の絵を描く。
その芋がすごい褒められて学校から選ばれて町の絵画展に出展されて家族で見に行ったんですけど他の学校の子たちは風景画とか人物画描いてるんですよね。
すごい鮮やかなんですけど僕のだけ芋。
学校の時はみんな芋描いてるからその中ではすばらしい芋やったんですけどそのすごいすばらしい絵の中に芋あるとなんちゅうんですかねすごい悲しくなってね僕そこからあんまり真面目に描かんとこって思っちゃったんですよね絵を。
また張り出されたら嫌やなって思って。
すごい。
手抜いちゃったんですよね。
なるほどね。
そういう絵もそうですし成績もそうなんですけど広い意味で言うといい成績でいい学校に行ったらいい会社に勤められて所得が高くなるっていうのもインセンティブになってるかもしれないですよね。
でもそんな具体的に所得のことを考えてる子どもっているんですかね。
又吉さんそうじゃなかったんですか?いや僕考えてなかったですよ。
僕全然お金のこと考えてなかったです。
考えてた?ちゃんと勉強せな将来お金稼がれへんみたいなって。
いや考えられなかったね。
でも考えてたほうがよかった気はする。
俺「大学行け」ってすごいおやじ言ってたんです。
でもお笑いやるって決めちゃってたからはねのけたんですけど大学行っときゃよかったかなって。
お笑いやるにしてもね。
うん別に何か生き急いでたよな俺らな。
生き急いでましたね。
18で入っちゃったんですよ。
なんの社会に出ることもなく。
あれはもう生き急いでましたね。
確かにやり直しできんのやったら4年間やるかもね。
キャンパスライフをね。
僕はちょっとあの急がなかったすぎですね。
大学行かれただけじゃない?大学行って大学院行ってずっと大学で勤めてましたから社会に出たことないですよね。
いまだにですか?じゃ今が…今が珍しいこと?そうですよ。
先生の話聞いたらメチャメチャ芸人の若手芸人が世に出るまでの流れと似てるねん。
あっそうなんですか。
じゃあ…いやでも…。
世間は知ってますよ。
結婚もされてますし。
勉強は世間の勉強はしてるけど実際の世間はあんまり目の当たりにはしてないと。
そうですね。
なるほど。
大学でずっと研究とかしてるから。
人を見るのは研究なんですけどね。
自分で別にやってはいない。
そういうことですよね。
多分向いてないからこういう所にずっと引きこもってるんだと思うんですよ。
結局ね。
はい。
いやそこであんまりね納得されると傷ついてます。
悲喜こもごもな2人がやってる番組だという事ですねだから。
なるほどね。
さっきの2番と4番ですけど成績を下げないようにしようというのがすごい強いインセンティブになったわけですよ。
これは1度手にした報酬没収されないようにしたいという生徒の心の中に経済学的な考えがあるんですよね。
こういう心の中で失いたくないっていう気持ちなんですけれども何ていうか知ってます?何ていうか?何ていうかですか?はい。
哀愁。
哀愁。
(笑い声)気持ちわかりますね。
そういうことですよね。
切ないことですよね。
はい。
そういうことでしょ。
はい。
ここでねやっぱり又吉さんこのプロですからね。
これは今まで何度もね先生さんざんやってきて実は知ってたけどこの時点で僕はそれやなとも思ってたんです。
ウソ!?そんな早く?すごい!哀愁ですよね。
(笑い声)秋の哀愁。
ウソです。
「損失回避」ですよね。
そうですよね。
これは何回もやってきましたから。
そうなんですよ。
損失回避っていうのはね人はもらったとき例えば……足し算したらゼロになるように思うじゃないですか。
一緒。
悲しいほうが大っきいわけですよ。
だから1万円拾うじゃないですか。
で1万円無くしたと。
プラスマイナスゼロだと思ったらいいのに無くした悲しさのほうが大っきくないですか。
すごい!これはすごい。
これいつもやってたの?やってました。
これはすごい!まさにギャンブルってそうですよね。
そうなんですよ。
これは思ってました。
昔から10万円勝つよりも10万円負けて1000円勝った時のほうがうれしかったんです僕は。
だからそんぐらい損失がすごくつらかったんですよ。
そうなんですよ。
5万勝ってて4万負けたら1万勝ってるのに負けた気になるんですよ。
そうでしょ。
なります。
やっぱりギャンブルに詳しい徳井さん。
じゃあやっぱりちょっとこの実験してみましょうよ。
はい。
あなたはどちらを選びますか?くわ〜!難しいな。
これで悩みます?えっ!?悩まないんですか?僕も割と悩むほうです。
悩むんですか?AかなAだな。
Aですね。
まあ大抵の人はAですよ。
Aだわ。
悩む人少ないと思います。
マジですか。
じゃあ次いきましょうよ。
あなたはどちらを選びますか?難しいな!これは迷うんですか?みんな。
迷いますね。
これは迷いますよね。
どうします?2万。
2万もらったんですよもう。
徳井くんのものになったんです。
2万円が。
うわ〜!Bかもしれない。
B。
又吉さんも。
うん。
そうっすね。
Bですね。
これ悩んだでしょ?悩みますねこれは。
難しいな。
大体Bなんですよね。
やっぱBなんだ。
人は利得に対しては手堅いほうを選択しがちで損失に対してはギャンブルをしても逃れようとしがちなのです。
これが〜あっ!「損失回避」。
試験の前にトロフィーを受け取った生徒の成績が上がったのももらったものを失いたくないという気持ちが強く働き試験に取り組んだ結果だと考えられています。
だからギャンブルをするんだ。
そうなんですよ。
なるほど。
だから途中で負けが込んでくる時あるじゃないですか。
あります。
なんかねよく体験されてるような感じですよね。
はい。
でその負けを確定するのが嫌だからだんだんだんだんこう一発勝負に出るでしょ?貯蓄からどんどん。
ねえ。
はい。
それで結局負けるんでしょ?負ける。
終わったあと気付くんですよね。
「あ〜あ!」って。
「あん時やめときゃよかった」。
これだ!そうなんです。
なるほどすごい!やめれないんでしょ?でも。
その時はね。
途中では。
その時はねもう。
時間が来るまでふんぎりがつかないんでしょ?そう。
最終レースが来るまで終われないんだよね。
はぁ〜。
なるほど。
えっ!?でもこれが普通ってことですもんね。
いやそこまでの人は少ないと思いますよ。
又吉さんに迷惑かけたこともあるんですか?又吉には…ある?ないですね。
まあ僕が疑問にずっと思ってるのは同期で同い年なのになぜ一緒に御飯を食べに行ったら必ず僕がお金を払うのかは…。
それは徳井くんのギャンブル好きが影響してるのかもしれないですけどね。
う〜ん。
それはでもねあのう面白いやつだからですよ。
面白いやつだからいずれ金を稼ぐだろう。
じゃあ俺より金持ちだ。
金はあるほうが出したほうがいい。
だから又吉が出せばいいっていう。
いやメチャクチャですよ言ってること。
その時点で両方両者ないんですからお金が。
でも後のことを考えたらどうせ又吉はもうける。
もうけたあとに「もうけたからおごってよ」って言うの俺嫌いなんですよ。
先生この徳井くんの考え方はこれは経済学ではどうですか?いや今ちょっとついていけなかった。
(笑い声)あっホントですか。
そうですよね。
ギャンブルの話はここまでなので徳井さん参加どうもありがとうございました。
ギャンブルの話で俺呼ばれてたんですか?あっそうだったんですか。
やっぱり損失回避を体験されているというのがポイントだったんですよ。
なるほど。
でもすごいわかりました。
ギャンブルとは言わないでも投資だ信託だっていうのもそういう裏で経済学があるっていうことですもんね。
いや経済学はそういうふうになりやすい人が多いのでそうならないようになってもらいたいと。
防御のほうの。
はい。
経済学を学ぶってことはそういうこと。
悪用する人はねそれを悪用する。
俺もう悪用する側に立ってましたもんね今ね。
ああでもすげえ勉強になりました。
1万勝ちと1万負けは一緒ってことですもんね。
本来で考えれば。
なのに1万負けのが嫌な気持ちになるのはもう人間の心理損失回避だと。
そう。
体感ではそう感じてしまうんですよね。
でもそれはトリックな訳ですもんね。
プロはねそういうのにだまされないような工夫をいろいろする訳ですよ。
はぁ〜!やっぱりプロになってもらわないとね。
そうですね。
いやいやお笑い芸人ですから。
頑張ります。
又吉さん。
インセンティブがやる気を引き出すのに大きく関わっていることわかりました?わかりました。
今回はね経済学の中でも非常に重要なインセンティブに関してお話をしてきましたけれどもいかがですか?いやすごい自分のやる気を起こさすためにいろいろ工夫すればもっとこうやる気が出てくるんじゃないかなと思いましたね。
うん。
確かにね経済学うまく利用するとやる気を生み出すこともできますけれどもそのためにはもともとどの程度やる気があるのかどんなインセンティブを与えるのがいいのかっていうのを見極める事すごく大事ですよね。
なるほど。
又吉さんはどんなインセンティブがあれば「オイコノミア」を全力で面白くしようと思います?僕はもうインセンティブなくても全力で面白くしたいと思ってますから。
本当ですか?はい。
強いてあげるなら街とかでね「『オイコノミア』見てるよ」というそういう温かい声で十分でございます。
それが一番のインセンティブになる?それが一番のインセンティブです。
僕にとっての。
お笑いが面白いと言われるよりも「『オイコノミア』見ている」と。
いやいや。
それまた別の話ですから。
両方です。
あっそうですか。
はい。
「オイコノミア」も見ててそして「面白いですよ」と。
はい。
そういう声掛けていただけるのがインセンティブになれてますね。
はいありがとうございます。
ありがとうございます。
(兄)インセンティブってうまく使えば本当にやる気を引き出してくれそうだね。
(父)本当だな。
(母)じゃあお兄ちゃんのお小遣い来月からトロフィーよ。
(妹)ハハハハッハハハハッハハハハッ…。
又吉さん勉強になりましたか?それでは今回の「またよし学習帳」!「それ貰っても置くとこないよ」というしかないインセンティブ。
僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
2015/08/07(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「やる気が出る!経済学」[字][再]
仕事、勉強、ダイエット…。やる気が出ない…。そんなお悩みにアプローチする経済学が、「インセンティブ」。ごほうびの与え方を一工夫。合理的なやる気の出し方をご紹介!
詳細情報
番組内容
「勉強しなさい」と口をすっぱくして言っても、勉強しない子どもにイライラ。かくいう自分だって、口グセは「ダイエットは明日から」。やる気さえ出れば、できるはずなのに…。そんなお悩みにアプローチする経済学が、「インセンティブ」。ごほうびの与え方を一工夫することで、やる気をUPする仕組みです。MC又吉さんの同期芸人、平成ノブシコブシの徳井さんをゲストにお迎えし、合理的なやる気の出し方をご紹介します!
出演者
【ゲスト】徳井健太,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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