(清助)はい。
寄ってらっしゃい。
見てらっしゃい。
3時から4時まで何と全品100円。
赤字覚悟の出血大サービス。
はいどうぞ。
へいらっしゃい。
どうぞどうぞ。
どうぞ。
(カッキー)いらっしゃいませ。
(カッキー)
私がなぜこんな格好でここにいるかというと新たな相談がキリコさんの元に持ち込まれたからなんです
(清助)100円ですよこれ。
普段ね350円。
(富子)ただいま。
(カッキー)こちら3点ですね。
(富子)ただいま。
(女性)あら奥さん。
よかったわね。
美人のお嫁さんもらって。
(富子)お嫁さん!?
(カッキー)あっ。
3つで税込み324円になります。
(清助)100円。
100円だからね。
(富子)清助ちょっと。
(清助)ちょっと。
忙しいんだから後にしてくれよ。
(富子)いいから来な。
(カッキー)ありがとうございます。
(清助)ちょっと危ねえ。
ちょっちょい!
(富子)清助!私が夕飯の買い出しに出てる間に何勝手なことやってんだ?全品100円じゃうちは大損だよ。
(富子)あの女は何だい?どこの馬の骨か分かんない女がお嫁さん?冗談じゃないよ!
(清助)カッキーはどこの馬の骨かも分かんない女じゃねえよ。
(清助)昭和堂の店長だ。
これはなキリコが考えた作戦なんだよ。
犯罪者を捕まえるための。
(富子)昭和堂!?キリコ!?清助。
あんただまされてんだよ。
・
(富子の泣き声)
(カッキー)いらっしゃいませ。
矢島昌子さん。
43歳。
専業主婦
彼女は万引の常習犯との疑いがあり…
(キリコ)《カッキーは清ちゃんのお嫁さんとして店で待機》《ターゲットが万引したところを現行犯逮捕》
(キリコ)《よし。
これでいこう》ハァ。
荷が重いよ。
犯罪者が勝つか?にわか探偵が勝つか?楽しみだねこりゃ。
事の発端は昨日の夕方
入道さんこと都幾川敦也さんが連れてきた高校生のある一言だったんです
(良太郎)《万引をしてるんです。
僕の母が》
(カッキー)《えっ?》
(涼)《マジで?》
(敦也)《マジなんだよ。
俺も聞いてびっくりしてさ》《こりゃ何とかせにゃと思って強引に引っ張ってきたんだ》
(カッキー)《お母さん。
何を盗んだの?》
(良太郎)《僕が見たのは2回ですけど2回とも100円のお菓子です》
(清助)《んなもん金払って買えばいいじゃねえかよ》《もっと値の張るもんかと思ったよ》
(涼)《値段じゃないんだよ》
(清助)《うん?》
(涼)《万引って見つかるか見つからないかっていうスリルがたまんないらしいよ》
(一同)《うーん。
ああ》
(キララ)《病んでるね》
(敦也)《万が一おふくろさんがサツにパクられでもしたらこいつの将来に傷が付いちまうだろ?》《そんなことだけはさせたくないと思ってさ》
(敦也)《俺もこう見えても人の親だから》
(キララ)《えっ!?そうなの?》《こいつ嫁と子供に捨てられたバツイチよ》
(敦也)《おい!余計なこと言ってんな》《それより万引だ。
なあ?キリコ。
頼むよ》《こいつの相談に乗ってやってくれよ》《こいつさ今度うちの卓球場と練習場契約した谷中高校卓球部の1年で将来のエース》《言ってみりゃうちのスポンサーなんだよ》《なあ?頼むよキリコ》
(良太郎)《矢島良太郎です》《万引なんてただのぜいたく病。
同情の余地なし》
(敦也)《んなこと言うなよ》《俺やキリコがじじばばになったとき介護費用を工面してくれるのは今の若者なんだから大事にしなきゃ》《私ばばあにならないから関係なし》
(カッキー)《キリコさん。
私からもお願いします》《このままじゃ良太郎君かわいそうですよ》《じゃあカッキーが何とかしてやれば?》
(カッキー)《でも…》《どうしようもない親でも親は親だもんね》《見捨てるわけにいかないよね。
ねえ?涼君》
(涼)《俺親いないから分かんない》
(キララ)《そっか。
あっ。
そういや私もおんなじだ》《私も分かんない》
(良太郎)《お願いします》《キリコさん。
母を助けてください》《坊や。
あそこに見えるの何かしら?》
(良太郎)《神棚とさい銭箱》《正解。
苦しいときの神頼みっていうわよね》《うちの神様はね特におさい銭たんまり奉納してくれた人に御利益があるって評判なの。
試してみたら?》
(カッキー)《キリコさん》
(敦也)《そりゃねえだろ》《相手は高校生だぞ》《あら。
だって将来の日本を背負って立つんしょ?》
(良太郎)《僕試してみます》《ふん。
そんなはした金じゃ神様も目を覚まさないわね》《キリコ。
こんな素直な高校生今どきいねえぞ》《助けてあげようよ》
(涼)《世の中お金が全てじゃないよね?》《世の中お金が全てよ》
(敦也)《りょ…良太郎。
あのう。
お前んとこの親父確か建設会社の社長って言ってなかったか?》
(良太郎)《建設会社じゃなくて工務店ですけど一応社長です》
(敦也)《お前んちの車外車だったよな?》
(良太郎)《値段は知りませんがまあ外車です》《やだ。
そういうことは早く言ってよ》《万引はね甘く考えちゃいけないの》《うつ病とか性衝動のはけ口とか原因は色々考えられるの》《お母さんは何が原因なのかしらね?》《徹底的に探らないと》
(良太郎)《あのう。
会社も車も僕が所有してるわけではないので》《うん。
だったらここはあんたたちが坊やの代わりにおさい銭入れるしかないわね》
あればあるだけ搾り取る。
ない袖も振らせる
それがキリコさんです
《カッキーはどうすんの?》
(カッキー)《えっ?私もですか?》《当然じゃない。
彼を助けたいって口だけだったの?》《謹んで奉納させていただきます》《さあ坊や。
あんたの悩み神様に思う存分聞いてもらいなさい》
(良太郎)《はい》
そんな良太郎君のお母さんが昌子さんというわけなのです
(清助)ハァー。
参った参った。
もう母ちゃん。
年々口うるさくなってさ。
もう。
(千香)オーマイゴッド。
ムッシュ清助のお嫁さんってカッキーだったの?
(カッキー)いや。
いやいやいや。
ちょっとこれは。
(清助)ちょっちょっちょっ…。
(千香)ひどい!親友だって信じてたのに。
よりによって何で清ちゃんなんかと?・
(カッキー)違うの。
・
(千香)カッキー!
(千香)説明してよ。
どういうことなのよ?
(清助)だからさ…。
(千香)何でここで彼女が働いてんのよ?
(清助)めんどくせえな。
いいじゃねえかよ。
(カッキー)えっ?ちょっと。
(千香)こら!カッキー。
逃げるな。
(カッキー)いや。
もう。
違うから。
ホントにもう。
もう。
(千香)清ちゃんのバカ。
死んじまえ。
(清助)えっ?そこまで言わなくても。
(カッキー)矢島さん!待ってください!昌子さん。
今お金を払わずにそのバッグにお菓子を入れましたよね?
(昌子)すいません。
つい出来心で。
どうか警察には。
(カッキー)今回は言いません。
その代わりもう二度としないでください。
(カッキー)万引は犯罪です。
もしまた同じことを繰り返して警察に捕まればあなた犯罪者になってしまいます。
あなただけじゃありません。
良太郎君だってつらい思いすることになるんですよ。
(カッキー)だからこんなことはもう二度としないと今ここで私に約束してください。
はい。
約束します。
(昌子)ホントにすいませんでした。
(伝助)バカ野郎。
こんなまずいコーヒー飲ませんじゃねえよ。
ビビらなくても大丈夫よ。
こう見えてもこの人野良猫女性の強い味方なんだから。
野良猫女性?「と」が抜けた。
野良猫と女性。
(カッキー)戻りました。
(伝助)おう。
カッキー。
(カッキー)伝さん。
(伝助)待ってたぜおい。
俺はなお前の入れてくれるうまいコーヒーが飲みたくてここに来てんだからよ。
すぐ入れてくれ。
(カッキー)うん。
(伝助)隣のあんちゃんもな俺のおごりで。
(カッキー)はい。
了解。
キリコさん。
選手交代です。
ああー。
もうくたくた。
ガス欠寸前。
ああー。
うまっ。
癒やされる。
マルチン・ルターいわく「酒と女と歌を愛さぬ者は生涯バカで終わるのだ」
(伝助)フッ。
相変わらずだね。
キリコは。
おいしくなぁれ。
おいしくなぁれ。
(カッキー)はい。
どうぞ。
(伝助)うん。
ヘヘヘ。
(カッキー)はい。
(良太郎)どうも。
(伝助)これだよこれ。
やっぱ違うな。
えっ?虹の岬の喫茶店のママに習ったってコーヒーはよ。
おい坊主。
飲め。
うめえど。
(良太郎)はい。
いただきます。
(カッキー)良太郎君。
お母さんのことなんだけどね。
(良太郎)はい。
(カッキー)またやっちゃったの。
でもねお母さん。
涙ぼろぼろ流して反省してたから。
もう二度としないって私の目の前で約束してくれたから。
だからきっともう大丈夫だと思う。
そうですか。
ありがとうございました。
それじゃあ僕はこれで。
ごちそうさまでした。
(伝助)おう。
(カッキー)気を付けて。
(良太郎)ありがとうございました。
(カッキー)キリコさん。
癒し屋っていいですね。
人助けの後って。
うん。
爽快感。
あんたって人を見る目がないっちゅうか人間ってもん信用し過ぎ。
(カッキー)えっ?万引の常習犯が素人のあんたに注意されたぐらいでやめるわけないじゃん。
そんなことないですよ。
昌子さん。
泣いて約束してくれたんですから。
口ではそう言っても手が出ちゃうのよ。
ねえ?伝さん。
まあ万引っちゅうのは再犯率高えわな。
ほらね。
しょせんこの世はだまし合い。
正直者はバカを見る。
信じる者は救われない。
(カッキー)キリコさんはどうしてそんなに人を信用できないんですか?もっと人を信じてもいいんじゃないですか?あんた人を信じたからこんなふうになっちゃったんでしょ。
人を信じ過ぎたから裏切られて伝さんや私と知り合うようになった。
それってさ…。
(伝助)キリコ。
言い過ぎだ。
はいはい。
邪魔者は消えろってか。
退散。
気にすんな。
・
(救急車のサイレン)
(良太郎)母が今日また万引をやっちゃったんです。
(カッキー)えっ!?ほーら。
私の言ったとおりっしょ。
(良太郎)うちの父は病気を患っていて入退院を繰り返しているんです。
そのせいでたぶんストレスを抱えていてそれでつい万引を。
ああーうざっ。
カッキー。
このうざい坊や地下室に閉じ込めといて。
(カッキー)えっ?こうなったら坊やの母親からたんまりおさい銭ふんだくってやる。
(敦也)はい。
どうぞ。
これから私があなたに質問をする。
質問に正直に答えなかったらあなたが万引している証拠写真あっちこっちにばらまいちゃうから覚悟してね。
万引の証拠写真なんてないのにどうしてここまで嘘八百並べ立てられるのか?
取りあえずビールでも飲みたいわね。
マスター。
ビールちょうだい。
(敦也)マスター?はい。
ただ今。
・「古いアルバムの中に隠れて想い出がいっぱい」
(敦也)ヘイ。
ビールお待ち。
ありがとう。
・「無邪気な笑顔の下の日付けははるかなメモリー」さーてと。
そろそろ本題に入りますか。
カッキー。
その首に巻いてるスカーフでこの人に目隠しして。
えっ?これで?そうよ。
んっ。
まさか買ったばかりのお気に入りのスカーフをこんな脅迫まがいのことに使う羽目になるとは
(女性)これお願いします。
(男性)いってきます。
(女性)いってらっしゃい。
(涼)これ知り合いのところなんで僕が届けてきます。
(女性)分かりました。
あなた自分のこと不幸だって思ってるでしょ?
(昌子)えっ?あなたのご主人。
心臓を患ってて入退院を繰り返してるんですって?今も入院中らしいわね?
(昌子)はい。
ご主人の病気の具合は?
(昌子)手術したんですけど完治は無理だそうで。
でもご主人社長だしそれなりに財産はあるわよね?
(昌子)今はあってもこれからどうなるか?闘病生活が長引けば入院費もかさみますし。
良太郎君の将来のことも心配よね?
(昌子)当然です。
良太郎はまだ高1ですし。
ねえ?自分だけがどうしてこんなに不幸な目に遭わなきゃいけないのかってあなた思ってるでしょ?思ってるでしょ!時々思ってます。
どうせ私の気持ちなんて誰も分かってくれない。
独りぼっちで孤独でもう全部投げ出してしまいたい?はい。
偉い。
昌子さん。
あなた偉いわ。
(昌子)えっ?だって投げ出したいと思っていても投げ出さないで一人で頑張ってんだもん。
あなた偉いわよ。
あなたはご主人や良太郎君のことを心から思ってる。
頑張ってる。
ホント偉いわ。
ところでねえ?昌子さん。
もし私があなたの右腕を切り落としてほしいって言ったらどうする?えっ!?・
(ドアの開く音)
(キララ)キャー!涼君。
(涼)仕事中。
キリコさん宛てに荷物届いてたから。
(清助)今は駄目だ。
キリコ劇場が佳境に入ったとこだ。
(敦也)俺がサインするよ。
今俺がこの店のマスターだから。
なっ。
(涼)入道さん。
マスターじゃないじゃん。
(敦也)いいから。
(キララ)もう。
アッちゃん。
何やってんの?キャー!?血!ったくいいとこなのに何騒いでんのよ?
(キララ)血!
(清助)何だこりゃ!?見るな!
(昌子)えっ!?このまま待ってなさい。
ちょっと何よ?何があったのよ?
(敦也)キリコ。
お前宛てに荷物が。
(カッキー)えっ?送り主東京太郎って。
(清助)東京太郎って偽名だろそれ。
(敦也)ヤバいもんかもしれねえから開けねえ方がいい。
(キララ)いや。
ヤバいもんって何?
(敦也)爆弾とか毒ガスとかよ。
(キララ)怖い!?大丈夫よ。
カッキー。
カッター貸して。
(カッキー)はい。
(カッキー)ホントに大丈夫なんですか?大丈夫大丈夫。
何が出るかな何が出るかな。
テテテテッテテテテテ。
(清助)警察だ。
警察だ。
こんな冗句真に受けちゃ駄目よ。
(敦也)冗句じゃねえだろ。
血みどろのタヌキだぞ。
(涼)タヌキじゃなくて熊だけどね。
(敦也)どっちも似たようなもんだろうが。
これ。
これ読んでみろ。
(キララ)「キリコオマエヲノロッテイル」「ヨミチニハキヲツケロ」ああー!?怖い!2015/08/07(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
癒し屋キリコの約束 #05[字][デ]【親の万引き、子の悩み】
喫茶店店主で裏稼業“癒し屋”のキリコ(遼河はるひ)をある主婦が訪ねて来る。姑・良枝(泉ピン子)との不仲に悩んでいるらしいがキリコは癒すどころか嫁姑戦争を煽り…。
詳細情報
番組内容
敦也(小林正寛)が『純喫茶 昭和堂』に男子高校生の矢島良太郎(武井証)を連れて来る。敦也は、キリコ(遼河はるひ)に良太郎の悩みを解決してほしかったのだ。良太郎によると、母親の昌子(ふせえり)が万引きの常習犯だと言う。興味の湧かないキリコは取り合わないが、良太郎の家が裕福と知ると、お賽銭の匂いを嗅ぎつけ頭の中のレジが「チ〜ン、ジャラジャラ!!」
番組内容2
清助(長谷川朝晴)が店主をつとめる和菓子屋『幻味堂』で、昌子をおびき寄せるための格安タイムセールを行う。すると、狙い通り昌子が現れた!店内でごった返す客に紛れ、万引きをする昌子。見張っていたカッキー(前田亜季)が昌子を呼び止め、二度と万引きをしないようくぎを刺す。涙ながらに詫びる昌子…。
ところが翌日、昌子が再び万引きを!キリコは昌子を店に連行し、“荒療治”に出る。その方法とは…!?
出演者
有村霧子:遼河はるひ
柿崎照美:前田亜季
上山 涼:戸塚祥太(A.B.C−Z)
小出清助:長谷川朝晴
都幾川敦也:小林正寛
キララ:中山来未
本城 栞:吉原茉依香
小笠原千香:月船さらら ほか
スタッフ
【原作】
森沢明夫『癒し屋キリコの約束』(幻冬舎文庫)
【脚本】
川嶋澄乃
【演出】
星田良子
【プロデュース】
市野直親(東海テレビ)
高橋萬彦(共同テレビ)
【音楽】
森英治
【主題歌】
「Thank You For The Music」ラストヒロイン(中山来未)(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
【制作・著作】
共同テレビ
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
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