スマホで無料の「Wi-Fi」を徹底的に活用する方法、つながらない時の対処法も
2015.08.08 20:37YouTubeの動画やApple Musicの聴き放題、ゲームアプリのダウンロードなど、日頃スマホを何気なく使っているだけでも、データ通信量はしっかりかさんでいきます。気づけば通信速度制限を受けていたということのないように、無料で使える「Wi-Fi」を効果的に利用して対策を講じておきたいところです。
そもそもWi-Fiとは
一般に、スマホやPC、タブレット、テレビ、ゲーム機などネットワーク接続に対応した機器を、無線でローカルエリアネットワーク(LAN)に接続できる方式について、Wi-Fi(ワイファイ)と呼んでいます。
自宅などにインターネット回線(光回線など)があることが前提となりますが、Wi-Fi対応の親機(無線LANルーター)を設置してWi-Fi対応機器(スマホやPCなど)と接続すれば、ワイヤレスでインターネットが利用できます。
Wi-Fiではネット接続に自宅などの回線を使うため、スマホで契約している通信量を消費せず、また比較的高速かつ安定しており、同時に様々な機器でネットにつなぐことが可能です。
自宅や職場のWi-Fiのほか、外出中も携帯電話会社(キャリア)によるWi-Fiスポットや、商業施設や自治体などが提供している公衆無線LANなど、各種Wi-Fiを活用すればスマホのデータ通信量を効果的に抑えることができます。
自宅などでWi-Fiを使う(Wi-Fiルーターとの接続)
データの通信量を消費するのは、携帯電話の回線(モバイルデータ通信)を利用した時です。そこで普段、自宅などにいる時はWi-Fiネットワークに接続するのが基本です。
ここでは、スマートフォンでWi-Fiを利用するための方法を説明します。自宅などに設置済みのWi-Fiルーターに、iPhoneやAndroidスマホ接続してみましょう。事前に、Wi-Fiルーターのネットワーク名とパスワードを確認しておきます(後述)。
iPhoneの場合
iPhoneにおけるWi-Fi接続は、「設定」アプリの[Wi-Fi]でおこないます。[Wi-Fi]がオフになっている場合は、タップして有効にします。
近くにあるネットワークの一覧が表示されます。使っているWi-Fiルーターを選択し、暗号キー(パスワード)を入力します。
接続が完了すると、ステータスバーにWi-Fiのアイコン(扇のようなマーク)が表示されます。
なお、パスワードの入力は一度だけおこないます。2回目からは、ネットワークの接続エリアに入るだけで自動で接続されます。
Wi-Fiルーターのステルス機能がオンになっていると、ネットワーク一覧に表示されません。このような時は、リストの一番下にある[その他]をタップし、SSIDを手動で入力します。
セキュリティの種類を選択してパスワードを入力したら、[接続]をタップしてネットワークへ接続します。
Androidの場合
AndroidにおけるWi-Fi接続も、「設定」を開いて([無線とネットワーク]の項目にある)[Wi-Fi]からおこないます。
[Wi-Fi]がオフになっている場合、タップしてオンにしましょう。
近くにあるネットワークの一覧が表示されます。使っているWi-Fiルーターを選択し、暗号キー(パスワード)を入力します。
接続が完了すると、ステータスバーにWi-Fiのアイコン(扇のようなマーク)が表示されます。
パスワードの入力は一度だけでOKで、次回以降はネットワークの接続エリアに入るだけで自動で接続されます。
パスワードやSSIDの確認方法、わからない時は?
Wi-FiルーターのSSIDやパスワードがわからないこともあるかもしれません。Wi-Fiルーターを設置した時に、初期SSID/パスワードを変更していないなら、次の方法で確認します。
Wi-Fiルーター本体を見回してみましょう。底面や裏面に貼られているシールに書かれていることがあります。「SSID」がネットワーク名、「KEY」や「暗号化キー」「WEPキー」などと書いてあるのがパスワードです。
シールに記載がない時は、マニュアルを確認しましょう。手元にマニュアルがなければ、WiーFiルーターのメーカーのサポートページなどを確認します。この際、Wi-Fiルーターの型番が必要になるので、あらかじめ控えておきます。
ドコモ・au・ソフトバンクのWi-Fiスポットを活用
外出時の空き時間に動画を見て過ごしたいという人も多いでしょう。データの通信量をいちいち気にするのは不便ですよね。そこで利用したいのが、契約しているキャリアが提供するWi-Fiスポットです。
ドコモやau、ソフトバンクでは、それぞれスマホやタブレット向けにWi-Fiスポットを提供しています。利用できるエリアはそれぞれ異なっていますが、カフェやレストラン、ファーストフードなどの飲食店、コンビニ、モールなどの商業施設、そして駅や空港といった公共機関など様々な施設で利用できます。
具体的な場所は、各キャリアの公式ページに掲載されています。地図や住所からサービスエリアを探すこともできますので、特によく行く場所などで利用できないか調べてみましょう。また、店舗に貼ってあるシールでも、利用できるサービスの種類が判別できるようになっています。
docomo Wi-Fi
NTTドコモが提供しているWi-Fiスポットです。月額使用料は300円ですが、対象の定額プランに加入していれば永年無料で使えるキャンペーンがあり、実質ほぼ無料で利用できます。
SIM認証方式に対応しているので、接続エリアに入るだけで自動で接続できます。SIM認証が利用できないエリアでは、IDとパスワードを入力して利用します。
IDとパスワードは「dメニュー」を開いて、お客様サポートの[サービス・メールなどの設定]→[各種設定の一覧を見る]と進みます。
[ネットワーク関連(docomo Wi-Fi利用設定)]からログインし、確認できます。なお、spモードを契約しているスマートフォンを持っていれば、Wi-Fi版のiPadやパソコンでも、IDとパスワードを入力してdocomo Wi-Fiを利用できます。
au Wi-Fi SPOT
auのiPhoneやスマートフォンから利用できる、基本無料のWi-Fiスポットです。国内だけでなく海外(有料)でも利用できるのが特徴。データ定額2/3/5/8/10/13またはLTEフラットに加入していれば、国内における設定は不要。接続エリア内に入ると、自動的に接続されます。
Apple Storeなどで購入したWi-Fi版のiPadやWi-Fi専用Androidタブレットでも、au IDを利用してau Wi-Fi SPOTを利用できます(月額300円)。ただし、この場合は接続アプリ「au Wi-Fi接続ツール」で設定をおこなう必要があります。また、iPhoneでも海外で利用する時は接続アプリが必要です。
ソフトバンクWi-Fiスポット
ソフトバンクが提供しているWi-Fiスポットです。月額467円ですが、フラット型パケット定額サービス(パケットし放題フラットなど)に加入していれば、無料で使えます。
接続エリア内に入れば自動接続できますが、あらかじめプロファイルをインストールしておく必要があります。プロファイルをインストールすると、ソフトバンクWi-Fiスポットに加え、「FON_FREE_INTERNET」と呼ばれる公衆無線LANや、インターネットメールの「Eメール(i)」が利用できます。
なお、Wi-Fi版のiPadから利用可能な「ソフトバンクWi-Fiスポット(2years)」も用意されています。ただし、対象はソフトバンクショップやApple Store、一部の量販店で購入したWi-Fi版のiPadに限られます。
プロファイルのインストール手順は、以下の通りです。
Wi-Fiをオフにします。通知センターを表示すると、Wi-Fiを簡単にオフにできます。
Safariを起動したら、ブックマークから[ソフトバンクモバイル]をタップします。
画面右上にある[メニュー]をタップして、[一括設定]と書いてあるバナーをタップします。
一括設定のページにアクセスしたら、[同意して設定開始]をタップします。
「157」からSMSが届きます。バナーをタップするか、[メッセージ]を起動して、届いたメールを開きます。
「同意して設定」のURLをタップします。URLには期限がありますので、早めにアクセスします。
プロファイルのインストール画面が開きます。[インストール]をタップします。iPhoneにパスコードを設定している場合は、この後にパスコードを入力します。
[インストール]→[インストール]とタップします。
Eメール(i)で使う名前を入力し、最後に[完了]をタップします。プロファイルのインストールはこれで完了です。
ソフトバンクWi-Fiスポットの接続エリアに入れば、自動で接続されます。
プロファイルをインストールすると、「My Softbank」や「メニューリスト」といったアイコンがホーム画面に作られます。
数が多いので驚くかもしれませんが、不要ならすべて削除して構いません。
カフェや商業施設等の無料Wi-Fiスポットを活用
キャリアが提供しているWi-Fiスポットのほかにも、外で利用できるWi-Fiスポットは多くあります。都市部がやはり充実していますが、全国に展開しているカフェやコンビニ、スーパーなどは、地方でも利用しやすいといえます。また、駅や空港などでも無料Wi-Fiの提供体制が整ってきつつあります。
ただ無料とはいえ、各所でそれぞれ利用登録したり、設定をおこなうのは面倒です。そこで、一度登録を済ませれば、様々な無料Wi-Fiに接続できるアプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」を入れておくと便利。このほか、中小規模の飲食店などにも強い「FREESPOT」や、全国に多くの店舗を構えるスターバックスやマクドナルドのWi-Fiについても紹介します。
汎用性の高い「Japan Connected-free Wi-Fi」の使い方
Japan Connected-free Wi-Fiは訪日外国人向けサービスですが、日本人でも自由に利用できる汎用性の高いものとなっています。
アプリを起動したら、まずは利用登録。Facebookアカウントでのログインにも対応しています。Facebookアカウントを使わない場合は、メールアドレスと名前、性別、年代を入力し、利用規約を確認・同意して[次に進む]ボタンをタップ。
特に本人確認などもなく、すぐ登録が完了します。なお、フリーWi-Fiの利用が90日間ない場合、登録内容は自動的に削除されます。
利用できるWi-Fiスポットは[Search]ボタンをタップし、マップまたはエリア、提供事業者などで探すことができます。
マップ上のアイコンをタップすると、Wi-Fiスポットの情報を確認できます。なお、都市部の主要エリアについては、オフラインマップもダウンロード可能です。
Wi-Fiを利用できるスポットに入ったら、AndroidでもiPhoneでも「設定」から[Wi-Fi]と進み、Wi-Fiをオンにします。
接続する目的のSSIDが表示されたら、これを選択します。
続いて「Japan Connected-free Wi-Fi」アプリを起動し、接続しようとしている無料Wi-Fiサービス名がメイン画面に表示されているのを確認。
[Connect]をタップすることで、Wi-Fiに接続できます。
参考:Japan Connected-free Wi-Fiアプリで利用できるWi-Fiスポット
※表が途切れている場合は横スクロールで閲覧できます。
※スマホでは、横向き(ランドスケープ)で閲覧することをおすすめします。
サービス名 | 利用できる場所 | SSID |
---|---|---|
セブンスポット | セブン&アイ・グループの店舗内 | 7SPOT |
イオンWi-Fi | イオンモール内のフードコート等 | AEONMALL |
ファミリーマートのWi-Fi | ファミリーマートの店舗内 | Famima_Wi-Fi |
LOWSON Free Wi-Fi | ローソン、ナチュラルローソン、ローソンストア100の店舗内 | LAWSON_Free_Wi-Fi |
BIC FREE Wi-Fi | ビックカメラ | Bic_Free_WiFi |
MSP Wi-Fi | 三井ショッピングパーク各施設内 | MSP_Free_Wi-Fi |
Free Wi-Fi NARITA | 成田空港ターミナル | FreeWiFi-NARITA |
HANEDA-FREE-WIFI | 羽田空港ターミナル | HANEDA-FREE-WIFI |
osaka-airport-free-wifi | 伊丹空港 | osaka-airport-free-wifi |
NewChitose_Airport_Free_Wi-Fi | 新千歳空港ターミナル | NewChitose_Airport_Free_Wi-Fi |
JR EAST FREE Wi-Fi | JR東日本の主要駅 | JR-EAST_FREE_Wi-Fi |
JR Central Wi-Fi | 東海道新幹線のぞみ停車駅のコンコース待合室・改札口 | JR-Central_FREE |
Metro_Free_Wi-Fi | 東京メトロの主要駅 | Metro_Free_Wi-Fi |
Toei_Subway_Free_Wi-Fi | 都営地下鉄の主要駅 | Toei_Subway_Free_Wi-Fi |
TOBU Free Wi-Fi | 東武鉄道主要駅、東京スカイツリー、東京ソラマチ等 | TOBU_Free_Wi-Fi |
これ以外にも、多くのエリアで利用可能です。詳しくは公式ページおよびアプリ内で確認できます。
飲食店や空港に強い「FREESPOT」
「FREESPOT」と呼ばれる公衆Wi-Fiもあります。FREESPOT協議会が推進している公衆無線LANで、Japan Connected-free Wi-Fiのように、空港や駅などの公共機関をはじめ多数の飲食店が参加しています。
初回のみメール登録が必要ながら、登録が済めばどの加盟店舗でも利用できるので結構便利です。各店舗のサービスを利用することが前提ですが、基本的に無料となっています。
スタバで無料Wi-Fiを利用する
カフェのように、ある程度の時間を過ごす空間では、Wi-Fiが利用できると重宝します。ここでは例として、全国のスターバックス店舗で利用できる「at_STARBUCK_Wi2」の利用方法を説明します。iPhoneで解説していますが、Androidでもほぼ同じ手順です。
スターバックス店舗内で操作します。
「設定」アプリから[Wi-Fi]を開いて、[at_STARBUCK_Wi2]を選択します。
Safariなどのブラウザを起動すると、ログイン画面が表示されます。[Twitter][Facebook][Yahoo! JAPAN][Google]の中から利用しているサービスをタップします。
SNSのアカウントでログインしたくない時は、アカウントを作成してログインする方法も用意されています(後述)。
タップしたサービスのログイン画面が表示されます。IDとパスワードを入力してログインに成功すると、完了画面が表示されます。
1回のログインにつき1時間利用できます。時間が過ぎてログアウトした場合は、再度ログインをおこなうことで利用できるようになります。
なお「at_STARBUCK_Wi2」でアカウントを作成してログインするには、at_STARBUCK_Wi2のページにアクセスし、[ご登録はこちら]から登録します。アカウント作成にはメールアドレスの登録が必要です。
マクドナルドでWi-Fiを利用する
全国にあるチェーン店ということでは、ファーストフードのマクドナルドをよく利用する人も多いでしょう。しかし、残念ながらマクドナルドには、誰でも無料で使えるWi-Fiスポットが用意されていません。
マクドナルド店内では、ソフトバンクが提供している「BBモバイルポイント」が利用可能です。BBモバイルポイントを利用できるのは、ソフトバンクWi-Fiスポットを利用可能なスマートフォンユーザー(iPhoneはプロファイルのインストールが必要)や、BBモバイルポイント対応プロバイダに加入しているユーザーです。
対象となるプロバイダは、BBモバイルポイントのサービスページで確認できます。実際に利用するには、各プロバイダのサポートサービスなどを通じて、事前に申し込みをおこないます。
このほか、auのユーザーも「Wi2」のアクセスポイントを経由して、BBモバイルポイントを利用できます。利用するには、au Wi-Fi SPOTの設定を済ませておくだけです(iPhoneは設定不要です)。
知らないとまずい、公衆Wi-Fi利用時のセキュリティリスク
Wi-Fiスポットを利用する時、知っておきたいことが一つあります。それは、Wi-Fiスポットには、通信が暗号化されていないところがあるという点です。暗号化されていないWi-Fiスポットに接続すると、Webサイトで入力したパスワードなどを盗聴されたり、なりすましの被害に遭うリスクが高まります。
通信が暗号化されているかどうかは、スマホの[設定]アプリにある[Wi-Fi]で表示されるネットワーク一覧で確認できます。暗号化されているネットワークには鍵のアイコンが付いており、比較的安全といえます。
ただし、Wi-Fiスポットが暗号化されていなくても、サーバとブラウザ間の通信が暗号化(セキュア接続)されていれば安全です。
Webサイトが保護されているかどうかは、ブラウザのアドレスフィールド等で確認します。鍵のアイコンが表示されていれば、セキュアな接続です。たとえばGoogleを表示すると、セキュア接続になっていることがわかります。また、TwitterやFacebook、Google+などのSNSも、デフォルトでセキュア接続が採用されています。
ちなみに、本稿でも紹介しているスターバックスの「at_STARBUCK_Wi2」は、ログイン画面はセキュア接続のためIDやパスワードを盗聴される危険がありません。
しかし、ログイン後の通信は暗号化されていません。そのため、at_STARBUCK_Wi2の利用中に、Webサイトで個人情報やパスワードを入力する時は、アドレスフィールドに鍵が表示されているか必ず確認しましょう。
スマホでWi-Fiがつながらない時の対処法
スマホのWi-Fi設定をオンにしているのに、なぜかWi-Fiにつながらない、いつものWi-Fiにつながらなくなったということは結構あるもの。そんな時、試してみたい代表的な対策をまとめてみました。
機内モードになっていないか
意外と少なくないのが、スマホの機内モードがオンになっているケース。機内モードでは電波の送受信ができなくなるため、オンになっていないかを確認します。もしオフであっても、Wi-Fi機能を一度オフにして再度オンにすることで復旧できる場合があります。
スマホを再起動
スマホの再起動は、様々な問題を解決してくれる可能性が期待できます。その中で、Wi-Fi接続が改善されるケースがあります。これら方法で接続できなかった場合、こんどは無線LANルーター側の原因をチェックしてみましょう。
Wi-Fiルーターのステルス機能をオフ
Wi-Fiルーターでステルス機能が設定されていると、接続先候補の一覧にSSIDが表示されず、うまくWi-Fiと接続できない場合があります。つながりにくい時は、いったんステルス機能を切ることでスムーズに接続できるかもしれません。
Wi-Fiルーターを再起動
解決に最もつながることが多いのが、Wi-Fiルーターの再起動。家庭用のWi-Fiルーターのほとんどに電源ボタンはないため、ルーターの配線が正確に接続されているか確認した上で、コンセントからプラグを抜いて約1分ほど待ちます。
再びプラグをコンセントに挿すと、自動的に再起動が始まるので、通信が安定するまで5分ほど待機。その後、スマホのWi-Fiをオンにすることで、接続が改善されることが少なくありません。試してみる価値のある方法といえます。