“ファン付き作業服”ニーズ高まる 内側冷却、熱中症予防
SankeiBiz 8月8日(土)8時15分配信
猛暑で熱中症対策が話題となる中、服の中にファンで空気を送り込んだり冷水を循環させたりする機能のついた作業着が注目されている。汗をかきづらく、作業効率が上がるとして、建設現場や工場関係者らのニーズが高まっている。さらに、オフィス向けや普段の街歩きに使えるタイプも登場するなど、市場が広がりつつある。
空調服(東京都板橋区)は、腰部分の左右に電動の小型ファンを付けた長袖の作業服「空調服」を販売。ファンを回転させて服の中に空気を取り込み、汗を気化させて体を冷やす仕組み。無駄な汗をかかなくなるので、体力の消耗を抑えることができる。1日10時間の着用で、1カ月の電気代は約20円で済む。2005年に発売され、初年度の売り上げは7000着だったが口コミで広がり、昨年だけで25万着を出荷するなど、累計販売実績は約50万着に達した。
デスクワーク向けのワイシャツタイプのほか、普段使いもできるスポーツブルゾンタイプの新商品を加えたところ、7月下旬から猛暑が続いている影響もあり、ブルゾンタイプはすでに売り切れるなど売上高が前年に比べ3倍にはね上がった。今年は昨年比40%増の35万着の売り上げを計画する。同社の市ヶ谷透常務取締役は「今年中に米国事務所を開設し、海外販売の準備に着手する」と意気込む。
大手ゼネコンの大林組も7月から、自社の制服に採用するとともに、協力会社に対しても空調服を安く購入できる仕組みを始めた。熱中症予防のほか、暑さによる集中力低下を抑える効果が期待できるという。
消防、警察関係など制服着用が義務付けられている領域に向けた商品が、建築作業用品製造販売、昭和商会(名古屋市昭和区)の「ボディクールタイフーンII」だ。Tシャツなどの上から、専用のベルトで左右の腰部にファンを装着する。上から作業服や制服を着て作動させ、体温を下げる仕組み。最大風量で6時間半の連続運転が可能だ。
一方、エアコンのように冷やす発想で体温を下げるのが、クールスマイル(大阪市東淀川区)の「クールアーマー2」。冷水で体温を下げ、汗をかきにくくして体力の消耗を防ぐ。2リットルの市販のペットボトルを冷凍庫に入れて水を冷やして凍らせ、専用のバッグに入れて背負う。水を循環させる管を内蔵したベストを着用して、溶けた冷水が巡って体を直接冷やす仕組みだ。
すでにカタールの建設現場で実証実験に取り組んでおり、来年5月には本格販売に着手。17年までには3万着を出荷する計画だ。同社の中西雄三社長は「疲労度を抑えることで、ヒューマンエラーを防ぐことにつながる」と期待している。
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