愛知県人事課、8割超を仲介 今春退職した職員の「天下り」県庁を今春退職して民間企業などに再就職した職員(課長級以上)の八割超が県によるあっせんだったことが分かった。「天下り」ともいわれる公務員の民間企業などへの再就職は、予算や許認可権を背景にした押しつけや、官民の癒着につながるとして、国の省庁ではあっせんが禁じられているが、県人事課の新村和昭課長は「行政経験を活用したいという要請を受けて適任者を紹介しており、問題ない」としている。 県は課長級以上で退職した職員について退職後二年間、毎年七月一日時点の再就職先を公表。ただし、課長級未満や副知事など特別職は公表の対象外。 四日公表の再就職状況によると、二〇一四年度末に課長級以上で退職した二百十二人の86%に当たる百八十四人が再就職した。内訳は県庁(再任用や副知事就任)が七十三人と最多。それ以外は民間企業二十三人、「県関係団体」(十九団体)と位置づける外郭団体十九人、県出資の第三セクターや公益法人、学校法人、社会福祉法人など「その他」六十九人となっている。 人事課によると、県庁以外に再就職した百十一人のうち、県があっせんしたのは82%の九十二人に上る。 地方自治体には国のような再就職のあっせんへの法規制はなかったが、一四年成立した改正地方公務員法は自治体に「退職管理の適正を確保するために必要な措置を講ずる」よう規定。総務省は「措置」の具体例として再就職あっせんの制限などを示している。 (赤川肇) ◆大半に「例外規定」を適用「退職前五年間に担当していた職務と密接な関係にある民間企業に退職後二年間は再就職しない」 退職した職員の民間企業への再就職について県は二〇〇七年、「依命通達」と呼ばれる副知事命令でこう規定した。しかし、今年三月末で退職して民間企業に転じた課長級以上の二十三人中、二十一人の再就職先は「密接な関係にある民間企業」で、いずれも人事課によるあっせんだった。 また通達では、例外として「退職後二年間は県への営業活動に従事しないことを事前に誓約した場合は適用しない」とも規定。現状では民間企業に再就職する大半の職員に、この「例外規定」を適用している形だ。 県が公表した資料によると、再就職先には建設関連会社の「部長」や水道関連のコンサルタント会社の「副支社長」など、営業活動を統括するとみられる再就職先のポストもある。新村和昭人事課長は通達の解釈について「直接の営業活動でなければ問題はない」と説明。ただ、誓約が守られているかどうかは調べておらず、「守られていると信用している」と話している。 PR情報 |
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